Dr. Mercolaより
あなたは恐らく、最適な視力のために特定の栄養素が良いと知っていますが、聴覚も特定の食品の恩恵を受けることもご存知でしたか。聴力に問題がある場合や、聴覚が昔ほど良くないことに気付いた場合、食事(および/またはサプリメント)がそれを解決する可能性があります。
実際、栄養バランスの悪さが難聴の原因であると、ますます考えられるようになっています。加齢に伴う難聴は、実は、耳の機械的機能不全が原因ではありません。むしろ、脳の情報処理の変化が聴力を低下させるのです。
さらに言えば、不要な情報をフィルタリング(除外)して耳に適切なフィードバックを提供する脳の能力が、40〜50歳になると低下するのです。このフィルタリングシステムがなければ、大量の情報を処理するのが難しくなり、あなたは情報に圧倒されることになるでしょう。
良い知らせとしては、加齢に伴う難聴が可逆的かもしれないということです。耳鳴りは、典型的には、騒音誘発性損傷によって引き起こされますが、突発性難聴と同様に、改善できます。
これらの栄養素は、次のような様々な方法で聴力をサポートします。
ビタミンAのサポートの評価は、混在しています。65,500名以上の女性のデータを含む大規模な研究では、ビタミンAの摂取と難聴のリスクとの間に相関は見られませんでした。しかし、多くの他の研究が確かに正の相関を見出しています。
慢性または慢性に近い耳の中の共鳴を特徴とする騒音が原因の耳鳴りについて、葉酸(ビタミンB9)は有益であることが分かっています。葉酸はまた、ホモシステインを低下させます。ホモシステインの血中濃度が高いことは、加齢に伴う難聴と関連付けられています。
原則として、葉酸レベルを上げる理想的な方法は、新鮮な生の有機栽培の葉物野菜をたくさん食べることです。(合成)葉酸は、サプリメント中に典型的に見られます。
(合成)葉酸サプリメントではなく、食品から葉酸を取ることを考慮すべき十分な理由があります。あなたの体が葉酸を活用するために、その生物学的に活性形、L-5-MTHFに先ずしなければなりません。それは血液脳関門を超える形態です。
すべての成人のほぼ半分は、酵素活性の遺伝的低下のため、葉酸を生物活性型に変換することが困難であると推定されています。このため、ビタミンBサプリメントを摂取する場合は、合成葉酸ではなく、天然葉酸が含まれていることを確認してください。子供は葉酸をより簡単に変換するようです。
アスパラガス、ホウレンソウ、カブラ菜、ブロッコリーはすべて、葉酸の良い供給源です、それはレンツ豆やひよこ豆などの豆類も同様です。
ある研究によると、亜鉛は、特発性突発性感音難聴(SSNHL)に有用です。SSNHLは、突然の原因不明の難聴ですが、高用量のステロイドで治療されるのが一般的です。ただし、ステロイド治療は論争の的となり、その有効性を裏付けるエビデンスは限られています。
良い知らせとしては、罹患者の47〜63%が聴力のほとんどまたは全てを回復することです。SSNHLの原因は不明ですが、ウイルス感染症または免疫疾患が関与しているという理論もあります。これは、回復率が高いこと、なぜこのような症状に亜鉛が有効であるかを説明するのに寄与しています。
亜鉛は抗ウイルス性を有しており、研究によれば、一般的な風邪ウイルスが増殖したり鼻粘膜に付着したりするのを防ぐことが示されています。亜鉛には免疫増強特性もあり、ウイルス感染の発症時に身体が持つ最初の対応を強めるのです。
1つのミネラルを分離して他のミネラルとは独立して摂取すると、不均衡が起こるリスクがあります。これは確かに亜鉛に当てはまり、亜鉛だけを独立に取ることは極めて大きな問題となる可能性があります。過剰な亜鉛摂取は、次を引き起こしました。
亜鉛の推奨1日当たり許容量(RDA)は次のとおりです。
50mg超は、過剰であると考えられます。安全を確保するために、亜鉛を食物から取ることに心掛けてください。タンパク質が豊富な食品には、牧草で飼育した牛肉や魚介類の他に、亜鉛の供給源には、カボチャの種、タヒニ(すりゴマ)、カシューナッツ、アーモンド、クリミニマッシュルーム、ホウレンソウ、海草、チェダーチーズなどがあります。
カキは亜鉛が豊富な食品リストのトップに位置し、100グラムあたり16〜182 mgの亜鉛を含みます。次に来るのはレバーで、100グラムあたり12 mgの亜鉛を含みます。亜鉛は植物の供給源よりも動物の供給源からよく吸収されるようなので、亜鉛の摂取量を増やすことを真剣に考えている場合は、有機牧草で飼育した牛肉やレバーを食事にもっと加えることを検討してください。
静脈中のマグネシウムも、SSNHLを緩和すると示されています。ある研究によると、SSNHL患者の48%が、カルボゲン吸入(炭酸ガスと酸素ガスの混合物)と組み合わせて、静脈内にマグネシウムを注入したところ、難聴が回復したそうです。また、27%の患者も大幅な改善をしました。
治療の有効性を低下させた要因には、前庭症状(めまいのある患者)および発症後8日以上治療が遅れたことが含まれていました。
2年前、騒音のために聴力を失った聴覚を回復させる方法を模索していた研究者は、興味深い発見をしました。ニューロトロフィン-3(NT3)と呼ばれるタンパク質の産生を増加させることにより、大きな騒音によって部分的に聴力を失ったマウスの難聴を逆転させることができまのです。
結局のところ、NT3は、耳と脳との間のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。NT3は、内耳の有毛細胞を脳内の神経細胞に結び付ける、いわゆるリボンシナプスを確立するのに役立ちます。非常に大きな騒音にさらされると、これらのリボンシナプスが損傷し、聴力が失われます。
普通の加齢も、リボンのシナプスを傷つける可能性があるため、NT3は正常な加齢に伴う難聴にも有効かも知れません。NT3の生産を増やすために、研究者は条件付き遺伝子組換えを用いました。Medical News Today(医療ニュース・トゥデイ)は次のように説明しています。
「これにより、研究者は、細胞に挿入された遺伝子の追加コピーを『読む』ことを、細胞に促す薬物を投与することによって、特定の細胞の遺伝子を活性化することが可能になります。この研究のために、チームは、大きな騒音によって部分的に聴力を失ったマウスの内耳の支持細胞に導入された技術を用いて、NT3をさらに活性化させました。 タモキシフェンという薬が内耳の支持細胞に導入され、NT3タンパク質をさらに産生するようにしました。 研究者らは、NT3産生の増強を経験したマウスが、NT3の追加産生を経験しなかったマウスに比べて、2週間にわたり聴覚を回復したことを見出しました。 研究者らは今、このタンパク質と同じ効果を生み出す薬剤を特定し、人間の難聴を回復させる可能性を提供する計画を立てています。彼らは、この研究で使用した遺伝子治療技術が、ヒトでも機能する可能性があるが、聴力回復のため薬ベースの方法は『より単純』であり、薬は繰り返し投与できることに注目しています。」
「これにより、研究者は、細胞に挿入された遺伝子の追加コピーを『読む』ことを、細胞に促す薬物を投与することによって、特定の細胞の遺伝子を活性化することが可能になります。この研究のために、チームは、大きな騒音によって部分的に聴力を失ったマウスの内耳の支持細胞に導入された技術を用いて、NT3をさらに活性化させました。
タモキシフェンという薬が内耳の支持細胞に導入され、NT3タンパク質をさらに産生するようにしました。 研究者らは、NT3産生の増強を経験したマウスが、NT3の追加産生を経験しなかったマウスに比べて、2週間にわたり聴覚を回復したことを見出しました。
研究者らは今、このタンパク質と同じ効果を生み出す薬剤を特定し、人間の難聴を回復させる可能性を提供する計画を立てています。彼らは、この研究で使用した遺伝子治療技術が、ヒトでも機能する可能性があるが、聴力回復のため薬ベースの方法は『より単純』であり、薬は繰り返し投与できることに注目しています。」
研究者らは、NT3の発現を高める効果がある薬を探していますが、ある中国の研究は、その目的にアスタキサンチンを使用することを示唆しています。アスタキサンチンは、カロテノイドの一種ですが、自然が提供している最も強力な抗酸化物質の一つと考えられています。
例えば、ベータカロテン、α-トコフェロール、リコペン、ルテインよりもずっと強力で、細胞、器官、体組織を酸化による損傷から保護する非常に強力なフリーラジカル消去活性を示します。それは、強力な抗炎症薬でもあり、血液脳関門と血液網膜関門の両方を通過することができます。
確かに、アスタキサンチンは脳や眼の健康に有益な効果があることが示されており、このNT3発現促進能力のおかげで、聴力にも有益な場合があります。問題の研究は、圧縮脊髄損傷を有するラットにおけるアスタキサンチンのNT3発現に対する効果を検討しました。というのも、NT3が脊髄ニューロンの成長も増加させることが示されたからです。著者らによると、アスタキサンチンは「NT3の発現を有意に促進する」ことができたそうです。
天然アスタキサンチンの主な供給源は2つだけです - それを産生する微細藻類(Haematococcus pluvialis)と、鮭、甲殻類、オキアミのような藻類を消費する海の生き物です。あなたが、アスタキサンチンを試してみようと思うなら、1日2mgから始めることをお勧めします。
あなたがすでに、オキアミオイルサプリメントを取っているなら、次を考慮してください。オキアミ製品はそれぞれ、アスタキサンチンの濃度が異なるため、ラベルを確認する必要があります。聴覚をどの程度改善する必要があるか不明ですが、目の健康状態を改善しようとする場合は、通常、1日に8〜10mgを取ることをお勧めします。
以前の研究では、NT3に加えて、脳由来神経栄養因子(BDNF)も脳内の聴覚ニューロンの発達と生存に重要な役割を果たしていることが示されています。1996年のある研究は、聴覚有毛細胞と聴覚神経細胞のそう失を、NT3、BDNFのどちらかを高める療法によって防止できることを見出しました。
興味深いことに、自然にBDNFを高める一つのライフスタイルに関する要素が、エクササイズなのです。認知機能低下を予防するためにエクササイズを非常に効果的にするものの一部は、BDNFの発現促進に関連しています。エクササイズが、このメカニズムを通じて難聴予防に役立つかどうかを推測するのは、好奇心をそそります。
以下の推奨事項は、聴覚を保護し、難聴を防ぐのに役立ちます。
オーディオデバイスの音量を下げます
スマートフォン用のデシベルメーターアプリを試してください。ボリュームが害を及ぼす可能性のあるレベルまで上がっている場合は警告が点滅します
騒々しい会場などを訪れるときは耳栓を着用し、騒音の多い環境で作業する場合は、必ず耳の保護具を着用してください
慎重に取り付けられたノイズキャンセリングイヤホン/ヘッドフォンを使用すると、低い音量でも快適に聴くことができます
騒音が伴う活動に費やす時間を制限します
オーディオデバイスを使用する場合は、定期的に休憩を取ります
オーディオデバイスを使用する時間を一日1時間以内に制限します
あなたが非常に騒々しい地域に住んでいる場合は、引っ越しを検討しましょう
引っ越しができない場合は、騒音を和らげるために天井や壁に音響タイルを取り付けることを検討しましょう
二重窓、防音材、厚めのカーテン、敷物も役立ちます
音を遮断するヘッドフォンを使用して、交通や芝刈り機など時折発生する音の乱れを除去します
芝刈り機やリーフブロワーを使用する場合は、耳の保護具を着用します
それとは別に、健康に良い多様な本物の食品を食べることは、加齢に関係する聴覚問題をずっと先送りすることができます。そして、ある程度聴覚を失ったとしても、カロテノイド、特にアスタキサンチン、ビタミンA、葉酸、亜鉛、マグネシウムの摂取を最適化することで、一部を回復させることができます。
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