目の健康に最適な食品

目の健康

早分かり -

  • 視力の健康を守るためカギは、健康な食事です
  • 濃い緑の葉物野菜、オレンジピーマン、有機飼料で育てた鶏からの卵黄、野生のアラスカサーモンなどは、目の健康に最適な食品です
文字サイズ:

国民の眼の健康教育プログラム(NEHEP)の調査回答者の70%以上が、視力の喪失が日々の活動に最大の影響を及ぼすことを明言しました。

さらに、例えば糖尿病のような慢性疾患の割合は、高齢者人口の増加と共に上昇するように、失明率や視力低下率も倍増すると予想されます。

目の病気が生活の質に重大な影響を与えるにもかかわらず、目の病気を予防し、視力の健康を守るために必要な措置、すなわち、健康な食事をすること、を取っている人は、どの年代でもほとんどいません。

しかし、視力の健康を守りたいなら、行動するのは今なのです。視力の健康に良い食品をもっと食べましょう。

目の健康に最適な7つの食品

  1. 濃い緑の葉物野菜

    カロテノイドのルテインとゼアキサンチンは、主に、緑の葉物野菜で発見され、ケールやホウレンソウは、ルテインが豊富な食品リストの上位に入ります。その他のオプションとしては、スイスチャード、コラードグリーン、ブロッコリー、ブラッセルのスプラウトがあります。

    ルテインとゼアキサンチンは両方とも、目の健康のために重要な栄養素です。というのも、両者は、黄斑で高濃度で見つかるからです。黄斑とは、網膜の中心部を指し、細かい中心視力を担っています。

    具体的には、ルテインは黄斑色素(中心視力を保護に役立ち、青色光の吸収を助けると知られています)で、ゼアキサンチンは網膜で発見されます。

    両者とも、白内障および進行性黄斑変性症のリスク低下と関係しています。ウィスコンシン大学の医学および公衆衛生学科の眼科学教授であるJulie Mares氏は、次のように述べています。

    「両者は、水晶体と網膜の両方で、特に錘体視細胞の豊富な領域で、優勢なカロチノイドです。それらは、網膜の一部であり、薬瓶のラベルや新聞を読むなどの細いものを見るのに使われます。

    75歳にまでに、私たちの半数は、視覚的に重大な白内障を罹患するか、既に罹患したことがあります。それが、65~74歳の間の視力低下の第1原因です。

    これらのカロテノイドには、潜在的な保護効果を持つという説得力のある証拠があります。それらは栄養のある強い味方です。抗酸化物質の塊なのです。」 
  2. オレンジピーマン

    1998年に公表された研究は、眼科学のブリティッシュ・ジャーナルに掲載されたものですが、オレンジピーマンは、33種の果物や野菜の中で最高のゼアキサンチン量を持っていたことを明らかにしました。ゼアキサンチンは、体内では生成されないので、食事で補うしかありません。
  3. 有機飼料で育てた鶏からの卵黄

    卵黄は、健康脂肪やタンパク質と共に、ルテインとゼアキサンチンの両方の供給源であり、カロテノイドの総量は多くの野菜に比べると小さいのですが、両者とも非常に吸収性に優れ、ほぼ理想的な形態となっています。

    最近の研究によると、サラダに2、3個の卵を加えると、食事全体からのカロテノイドの吸収が増し、実に9倍にもなります。

    卵黄(やホウレンソウ)を加熱すると、ルテインやゼアキサンチンが損傷し、視力を保護するのにあまり役立たなくなることに留意してください。だから、卵はあまり調理しすぎないで、例えば、落とし卵、ソフトボイル、または生が良いのです。
  4. 野生のアラスカサーモン

    これにはオメガ3が豊富ですが、オメガ3脂肪酸のDHAは、網膜に集中しています。この脂肪酸は、眼の健康を高め、網膜の機能を保護する細胞膜を構造的にサポートしており、調査によると、この脂肪酸が豊富な食品をもっと食べると、黄斑変性を遅らせる可能性があるそうです。 

    事実、動物性オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多いグループは、消費量が最も少ないグループに比べて進行性黄斑変性のリスクが60%低いのです。 

    2009年の一つの調査によると、オメガ-3脂肪酸の消費量が最も多い患者は、12年間に渡って病気が「進行した」状態にまで進む割合が30%低くなりました。

    2009年のもう一つの調査では、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンだけでなくオメガ-3脂肪酸の多い食事を取った人は、黄斑変性のリスクが低下したことが分かりました。さらに、野生のアラスカサーモンに加えて、イワシ、アンチョビは、動物由来のオメガ3の良い供給源です。
  5. アスタキサンチン

    野生のアラスカサーモンは、アスタキサンチンの供給源ですが、臨床的に最適な結果を得るほど十分には食べることができないでしょう。アスタキサンチンは、微細藻類Haematococcus pluvialisだけが生成します。しかも、水が干上がって、紫外線照射から自分を守らなければならないときにだけです。

    説得力のある証拠は、この強力な抗酸化物質が、失明の予防にとって最も重要な栄養素の一つであり得ることを示しています。それはルテインやゼアキサンチンよりもはるかに強力な抗酸化物質であり、眼に関連する次に挙げる多くの問題にメリットがあると判明しています。

    白内障 加齢性黄斑変性症(ARMD) 嚢胞性黄斑浮腫
    糖尿病性網膜症 緑内障 炎症性眼疾患(すなわち、網膜炎、虹彩炎、角膜炎、強膜炎)
    網膜動脈閉塞 静脈閉塞

    アスタキサンチンは血液脳関門および血液網膜関門を通過し、(ベータカロテンとリコペンは通過しません)、まさにあなたの目に抗酸化物質と抗炎症保護物質をもたらします。

    Mark Tso博士、現在ジョンズ・ホプキンス大学のウィルマー眼科研究所に所属していますが、1970年代イリノイ大学のアイバンクに私が勤めていたときの上司でした。博士は、アスタキサンチンが、簡単にあなたの目の組織に入り込み、安全にその効果を発揮し、しかも他のカロテノイドのいずれよりも効力があり、副作用のないことを実証しました。 

    個々の状況によっては、アスタキサンチンのサプリメントを摂取することができます。私は1日4ミリグラム(mg)から始めることをお勧めします。オキアミ油には、天然アスタキサンチンと共に高品質の動物性オメガ3脂肪酸が含まれていますが、アスタキサンチンのサプリメントから得られるよりは少ないレベルです。
  6. ブラックカラント(クロスグリ)

    ブラックカラントは、自然界にあって最高レベルのアントシアニンを含んでいます- 100グラムあたり約190から270ミリグラム-それは、ビルベリーよりはるかに多いレベルです。ブラックカラントはまた、必須脂肪酸が豊富で、抗炎症性の特性に追加サポートを与えています。

    アントシアニンはフラボノイドであり、これらの抗酸化物質の健康上の利点は広範囲に及びます。2004年の科学論文では次のように述べられています。

    「アントシアニン単離物とアントシアニンが豊富なバイオフラボノイド混合物の作用は、DNA切断からの保護、エストロゲン活性(ホルモン依存性疾患症状の発達の変更)、酵素抑制、サイトカインの産生増加(したがって免疫応答を調節する)、抗炎症活性、脂質過酸化反応、毛細血管の透過性と脆弱性の低下、膜の強化などが挙げられます。」

    薬用目的では、ブラックカラント種子オイルの使用を多くの人が選択しますが、それはカプセルで入手できます。しかし、ブラックカラント全体を食べることも可能で、特に旬のときはオプションです。
  7. ビルベリー

    ブルーベリーの近親であるビルベリーは、目のためのもう一つの栄養源です。 そのほぼ真黒いベリーには、ブラックカラントと同じように、多量のアントシアニンが含まれています(ブラックカラントとは異なり、ビルベリーは育成、栽培するのが難しい傾向があります)。アントシアニンが豊富なビルベリーエキスは、網膜炎症の際に視覚機能を保護します。

    さらに、老年学の進歩 という雑誌に掲載されたある研究によると、3か月に渡る研究において、早期老人性白内障や黄斑変性症を有するラットに、体重1キロあたりビルベリーエキス20mgを与えたところ、水晶体や網膜の機能障害を受けなかった一方、対照群の70%は変性を受けたそうです。著者によると:

    「結果は、ビルベリーエキスを長期的に補給することが、黄斑変性症および白内障の予防に有効であることを示唆しています。」

目の健康のためにこれを食べるのはやめましょう

健康な視力は、食べるものと同様に食べないものの結果でもあります。まず、過剰な炭水化物が起こす高いインスリンレベルは、通常、眼球の伸長および水晶体の拡大の繊細な調整機能を妨害する可能性があります。

そして、眼球が伸び過ぎると、水晶体はもはや網膜上に鮮明に結像するのに十分平坦化することができなくなります。この理論は、過体重であるか成人発症の糖尿病(いずれも上昇したインスリン値を伴う)の場合に近視を発症し易いという観察と一致しています。できるだけ糖分、特にフルクトースを避けたいと思うのではないでしょうか。

ある研究がRichard Johnson博士によって行われました。博士は、コロラド大学の腎臓病と高血圧の部門のチーフですが、フルクトースを一日74グラム(甘い飲み物2.5杯分に等しい)摂取することは、血圧レベルを160/100 mmHgに上げるリスクを77%増加させることを示しました。

高血圧は網膜上の微小血管に損傷を与え、自由な血流を妨げる可能性があります。従って、トランス脂肪酸の多い食事は、身体のオメガ3脂肪酸を妨害することによって、黄斑変性症にも貢献してしまうようです。トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング、フライドポテト、フライドチキン、ドーナツ、クッキー、ペストリー、クラッカーなどのフライ食品を含む多くの加工食品および焼き菓子に含まれています。

屋外の陽光は、目の健康にもメリットがあります

外で過ごす時間は、いろいろな種類の光にさらされることを意味します。例えば、紫外線B光線(UVB、ビタミンDの生産につながります)、また、明るい可視光線もあります。この両者は、視力の健康をもたらす別の「栄養素」です。

研究によれば、近視の人は血中ビタミンD濃度が低いそうです。ビタミンDは、目の中の水晶体周りの筋肉組織の機能をサポートするのです。屋外の光にさらされると、例えば、網膜の細胞がドーパミン放出します。この神経伝達物質は、眼の拡大を遅らせ、おそらく眼の伸びを止めます。ネイチャー誌は次のように報じています。

「網膜ドーパミンは、通常、一日のサイクルに基づいて生成されます。- 昼間は上昇します - そして、錐体ベースの昼間バージョンからロッド(桿体視細胞)ベースの夜間バージョンに切り替えるように目に命じます。研究者たちは、うす暗い(典型的には屋内)照明下では、周期が乱され、眼の拡大が影響を受けると考えています。

「私たちのシステムが24時間のリズムを十分に得られないなら、事態はコントロールできなくなります」と、キャンベラ大学のAshby研究員は語っています。「システムは少しノイジーなり始め、ノイジーという意味は、不規則な形で拡大するということです。」

オーストラリア国立大学のIan Morgan研究員による研究では、少なくとも1万ルクスの明るさの照明を1日3時間用意することで、近視から子供を守ることができるそうです。そのレベルは明るい夏の日にさらされるのと同じ光量です。 

対照的に、屋内の教室やオフィスは約500ルクスしか提供しません。身体の健康の多くの側面と同様に、健康な目を維持するには包括的なアプローチが必要です。それには、正しく食べること並びに屋外の自然光の中で過ごすというような他の健康的ライフスタイル要因にも注意を払うことが含まれます。