Dr. Mercolaより
エクササイズは、あなたの健康、気分、将来の身体能力にとって重要です。しかし、高強度のインターバルトレーニングや筋力トレーニングをやる気になることは、ちょっと違うなと思うこともあるでしょう。そうしたトレーニングも重要ですが、一方、柔軟性、ストレッチ、体幹トレーニングも大切です。
これらのさまざまな運動は、気持を軽くし、気分を改善し、体重を維持し、老化の進行を遅らせるのに役立ちます。心理的刺激を改善し、メリットの経験を増やすため、基準に合わせていくつかの異なるタイプのエクササイズをするのは良いことです。
ヨガは年々人気が高まっていますが、長い確立された歴史があり、紀元前3,000年までさかのぼることできます。ヨガの伝統的な目的は、柔軟性や身体的な強さだけでなく、むしろ東洋において生活への体系的なアプローチの不可欠な一部として実践されてきたのです。
ヨガの実践は、参加者のニーズ並びに利用可能な機械的進歩に適応し続けています。過去10年間で、エアリアルヨガは、多くのヨガやエクササイズスタジオに導入されています。それは、ヨガの実践が少し容易になることと、関節にかかるストレスが少なくて済むためです。
基本的に、参加者は、天井から吊り下げられた大きなシルク製ハンモック、またはスイング(ブランコ)を使用し、ヨガのポーズや動作を実行します。この方法では、体幹の強化と柔軟性が強調されます。公園のブランコに座ることができれば、エアリアルヨガを実行できるようになるでしょう。
スイングには、布の側面に一組のハンドルがある場合があります。ハンドルを使えば、スイングを使っている間安定性が増します。スイングには、いろいろなポーズをするために横に1~3つの高さ違いのハンドルが付いているものもあり、オンラインで50ドルから150ドルで買えます。
エアリアルヨガは、実践者にヨガの修行に関するいろいろな視点を与え、実践に進む入門編としていくつかの利点があります。
ただし、地上から離れて、逆さまに吊り下げられることもあるので、安全を確保し、ほかの人と一緒にクラスで練習することが大切です。
ヨガの利点には、ストレス不安感、不眠症、背痛、うつ状態.などの緩和があります。肉体的にキツイ練習はあなたのスタミナと体力を向上させるかもしれませんが、ヨガには見た目以上の効果があります。
研究によれば、マインドフルネス(気付き)を実践することは、幸せと喜びに関連するセロトニン・レベルや脳細胞間の通信を制御する神経伝達物質であるGABAを 増加させることが実証されました 。この感情的な増強はうつ病、統合失調症、その他の精神障害の減少にもつながります。
ヨガの基本は、バランス、体力、柔軟性なので、ヨガの先生は、筋骨格が正しく調和した状態で身体を使うことを強調し、クラスにいないときにも身体の使い方が改善されるように導きます。姿勢制御、強さ、柔軟性を向上させる組み合わせは、慢性的な背痛の減少につながります。研究は、ヨガを数か月続けた後、背中の機能が向上し、痛みレベルが低下したことを実証しました。
うっ血性心不全患者の心血管リハビリテーションにヨガを加えることで、患者の運動能力が向上し、生活の質が向上しました。ヨガはストレスや不安感を軽減するので、体内の炎症反応を抑制し、心臓の保護効果があることも分かりました。喘息とは、体内の炎症に反応するプロセスですが、ヨガの実践で改善が実証されました。 2015年に公表された研究では、毎日または一日おきに1回12分のヨガのポーズを行うことで、骨密度が上昇し、骨粗しょう症による骨折のリスクが減少しました。
筆頭著者のLoren Fishman博士はコロンビア大学の理学療法医ですが、骨粗しょう症の治療薬の副作用とヨガの副作用のリストを比べて、ヨガの副次的作用には「良い姿勢、バランスの改善、強化された協調性、運動範囲の拡大、体力の向上、不安レベルの低下、歩行の改善が含まれる」とコメントしました。
ストレスや不安感を減少させることは、認知能力、にも好影響があり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響を減らすとともに不眠症の発症も抑えます。不眠症は、米国の人口の30%以上を苦しめていますが、ヨガのリラクゼーション・ポーズの実践で改善します。その他のメリットには、認知の改善、血圧の低下、血糖値の低下、肺活量の改善があります。 米国オステオパシー協会(AOA)の健康へのアプローチは、実際の食生活、運動、高品質の睡眠などの適切なツールが与えられたときに、身体が持つ自己治癒への自然な傾向を使用することにあります。骨粗鬆症家庭医として協会が認定したNatalie Nevins博士は、クンダリニー・ヨガの認定インストラクターでもありますが、次のように説明しています。
「骨粗しょう症の医師として、私は予防医学と実践、並びに、身体の自然治癒力に焦点を当てます。ヨガは、それと同様の原則に基づいているので、健康を維持するための素晴らしいツールです。ヨガに組み込まれたリラクゼーション技術は、腰痛、関節炎、頭痛、手根管症候群などの慢性痛を軽減することができます。ヨガはまた、血圧を下げることができ、不眠症を軽減することができます。」
ヨガのメリットの多くは、エアリアルヨガであろうとその他のヨガであろうと、セッション中に生じる心と体のつながりから来ていると研究者は信じています。ヨガはカロリーを燃やして柔軟性を向上させますが、あなたが現在のレベルを前回のレベルと比較しない限り、それは競技スポーツではありません。
身体的な動きを伴う瞑想と特定の呼吸法を組み込むことで、特定遺伝子をオン/オフして、身体的、精神的なメリットが始まります。ハーバード・メディカルスクールの精神科医John Denninger博士は、慢性的なストレスを受けている人々の脳にヨガがどのように影響するかを評価する5年に渡る調査を主導しています。 Denninger博士が関わっている現在の研究は、2013年に公表した研究に続くもので、心身の両方を伴う運動などがストレスと免疫機能を結びつきを切替える遺伝子にどのような影響を与えるかを示すものです。Denninger博士は次のように記述しています。
「最初の結果は、特に長期の実践後にRR(リラクゼーション・レスポンス)が誘発され、健康メリットがもたらされたのです。それは、ミトコンドリアのエネルギー生成と利用が改善され、ATP合成酵素とインスリン機能の上方調整を介してミトコンドリアの回復性が促進されたのです。 ミトコンドリアの回復性は、ストレスを緩和するNF-κB関連の上流と下流の標的のRR誘発がもたらす上方調整によっても促進されます。」
「最初の結果は、特に長期の実践後にRR(リラクゼーション・レスポンス)が誘発され、健康メリットがもたらされたのです。それは、ミトコンドリアのエネルギー生成と利用が改善され、ATP合成酵素とインスリン機能の上方調整を介してミトコンドリアの回復性が促進されたのです。
ミトコンドリアの回復性は、ストレスを緩和するNF-κB関連の上流と下流の標的のRR誘発がもたらす上方調整によっても促進されます。」
同博士の以前の研究は、ヨガがミトコンドリアのエネルギー生成に著しいプラスの影響を持っていることを実証するものでした。ミトコンドリア経路に関する問題は、多くの慢性的な健康障害の根幹にあります。専門家は、これは、ヨガのような心身のテクニックを使用することが、健康状態にプラスの影響を与える重要な理由の1つであると考えています。
エアリアルヨガは、さらなるメリットをもたらすでしょう。なぜなら、ヨガをいつもの運動に組み込む容易で楽しい入門レベルの方法だからです。スリングを使うことで、サポートがなければできなかった難しいポーズができるようにもなります。スリングにより、特定のポーズを取り、膝や臀部に余計なストレスがかかるためにできなかった動きを追及できます。
慢性腰痛に苦しんでいる人にとっての重要な利点は、反転テーブルを使わずに腰の圧迫を軽減できることです。反転テーブルでは、腰部の背骨付近の筋肉が伸びるので、背中のストレスが軽減されます。オンタリオ州ブラントフォードにあるアスレチック・クラブのグループ・フィットネス・ディレクターBill Davis氏によると、
「背中に問題を抱えている人はぜひこのクラスに参加すべきです。反転テーブルより効果あります。自由にぶら下がることができるので、脊椎が伸びるのです。このクラスに参加した人は、いつも、背中の具合がとっても良くなったとコメントしています。」
長期間にわたり背骨を減圧すると、不自然な姿勢で腰が圧迫されるときと同様の痛みが引き起こされることに注意することが大切です。どちらの姿勢も身体の正常な姿勢ではありません。しかし、倒立姿勢を使用して腰部の痙攣や収縮筋肉を減らすと、姿勢を改善して痛みを軽減するのに役立ちます。
Launch Awareness Yogaの共同所有者であるJane De Albuquerqueさんは、この短いビデオ・クリップで、エアリアルヨガのメリットについて次のように説明しています。(英語版のみ)
このニュース・クリップでヨガ・インストラクターは、エアリアルヨガのスリングを使った他の動きを実演しています。(英語版のみ)
エアリアルヨガ、アクロバットヨガ、反重力ヨガなどと呼ばれていますが、始めから両足を地面から離す必要はありません。用具に慣れるには、スリングを使用してシングルレッグバランスなど特定のポーズを練習して慣れます。スリングを使用し地面から離れて運動するときは、安全対策を忘れないでください。理想的には、クラスに参加するか、誰かが家にいることを確認します。
シングルレッグバランスは、スリングの後ろに立って、片側の中間ハンドルまたはスリングをつかみ身体を支えます。スリングの中心に右足を通し、膝のすぐ上あたりで脚をスリングに掛けます。あなたの右足は床から上にあり、左足は後方に保ち、両方のつま先を伸ばします。「突き」のポジションを取るように身体を傾けます。その際、つま先は下に向け、体重は体幹を通じて中心に保ちます。5回の深呼吸を繰り返したら、左足を同様に繰り返します。
このポジションで快適を感じバランスが取れれば、「突き」のポジション中にひねりを加えることができます。右足をスイングの上に載せたまま、左手でスリングやハンドルをつかみ、右手を離してください。上半身を右に回し、右手を後ろに伸ばしてください。手のひらを上に向けたままにして、首を後ろに回し、3回の長い深呼吸をします。左側も同様に繰り返します。
次に、公園のブランコのようにスリングに座ります。スリングでリラックスして、足を地面から離しておきます。足を伸ばしたり、膝を曲げたりしてください。どんなポジションでも、最も気持ち良いポジションを取ってください。深呼吸を10回以上行い、リラックスしてください。
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