Dr. Mercolaより
最近、ガイドラインが公表されました。すでにご存じの方もいることなのですが、耳掃除をするのに綿棒を使うのはのぞましくないというものです。
この最新の助言は、耳鼻咽喉科頭頸部外科(O-HNS)ジャーナルに掲載されたもので、著者は、O-HNS米国アカデミー(AAO-HNS)諮問委員会です。
子供の頃から繰り返し聞かされた次の呪文を思い出すかもしれません。肘よりも小さいものを耳に入れてはいけません。
でも、その理由は何でしょう。私たちは誰でも、耳をきれいにしておきたい。もっと言えば、夕食のテーブルで言われることが分かるのは良いことなので、耳あかが溜まったら、それを取り除くことは当たり前のように思えます。
アカデミーのガイドライン更新グループの議長であるSeth Schwartz博士は、医師だけがこのようなガイドラインに注意を払っているわけではない、と述べました。医師たちは、より多くの人が、特に近年、セルフケアを選択していることを認識しています。
ちなみに、そのようなガイドラインを求める人はいないだろうと思うかもしれませんが、実は、いるのです。更新前のガイドラインは、5万部以上ダウンロードされました。
新しい臨床用ガイドラインが出たとき、2つの肯定的なことが明らかになりました。一つは、医療関係者ではない消費者代表が、委員会に含まれていたことです。
もう一つは、使われている用語が前のガイドラインに比べ、ずっと明瞭かつ率直になった、とSchwartz博士は述べ、次のように付け加えました。
「今回、ガイドラインを実際に作成するプロセスが前より透明になりました。私たちの意思決定がなぜ行われ、それをサポートするデータが何であるのかが明確になりました。」
このガイドラインの「なぜ」という疑問に対する回答は、きわめて簡潔であると、CNNは報道しました。
「綿棒、ヘアピン、キー、爪楊枝など、私たちが、耳に入れるのが大好きな肘よりも小さなものは、耳の穴を傷つけたり、鼓膜に穿をあけたり、聴骨をずらす可能性があります。 そして、そんなことが起こると、聴力損失、めまい、耳鳴り、その他の症状に至るかもしれません。」
「綿棒、ヘアピン、キー、爪楊枝など、私たちが、耳に入れるのが大好きな肘よりも小さなものは、耳の穴を傷つけたり、鼓膜に穿をあけたり、聴骨をずらす可能性があります。
そして、そんなことが起こると、聴力損失、めまい、耳鳴り、その他の症状に至るかもしれません。」
そうしたことをする代わりに、自然に任せた方が良いと、専門家は言います。では、アメ耳をきれいにするのにも効果があるのでしょうか。AAO-HNSによると、身体が余分な耳あかを正しく取り除くなら、耳の穴を掃除する必要はありません。
耳の腺は、耳あかを出して耳を滑らかかつ清潔に保ち、保護しています。耳あかがそこに存在する主な理由は、ほこり、汚れ、古い皮膚細胞のような外来の異物が、外耳道を深く入り込んだり、とどまったりするのを防ぐため、そこにくっついているのです。
ある研究では、リゾチーム、抗菌酵素、脂肪酸、アルコール、コレステロール、スクアレンなどが耳あかの天然成分である、と明らかにしました。
さらに、耳あかは外耳道の外側3分の1でのみ生成されるため、綿棒などを使用すると、外耳道の奥、鼓膜付近までそれを押し込む可能性があります。
その上、耳に綿棒を使うとヒスタミンを放出することになり、それがかゆみ、刺激、炎症を起こす場合があります。だから、綿棒を使うほど問題が悪化するのが普通の反応となります。
明らかに、よく問題を引き起こすのは、耳あかを取り除こうとすることです。なぜなら、バクテリア、菌類、ウイルスが外耳から内耳に導かれる可能性があるからです。外耳道を塞いで難聴を引き起こすほか、器具を使用すると鼓膜を破ることがあります。
耳あかの除去は、話したり、食物を噛んだりするとき自然に行われます。あごの動きは、外耳道内の皮膚の伸びと共に、力を集めて、古い耳あかを排出させ、新しい「きれいな」耳あかの形成を助長します。古い耳あかは、入浴時に洗い流されます。
では、耳垢(みみあか)が耳に溜まることの欠点は何でしょうか。
ガイドラインの「すべきこと、すべきでないこと」とタイトルが付けられたセクションでは、耳あかを自分の耳が正しく取り除けない場合には、固着が起こると説明しています。これは高齢者で頻繁に起こりますが、難聴やその他のコミュニケーション障害に関する国立研究所のJames Battey博士は、次のようなシナリオを説明しています。
「固着した耳あかを持つ人に、綿棒を使用することは、耳あかを外耳道深く押し込むことになり、鼓膜に害を及ぼすことがあります。固着した耳あかのある成人の約2%が、症状として難聴を伴う問題で、診察を受けに行きます。」
耳垢の堆積が、多くの高齢者がよく聞き取れないことの一つの原因となっています。聴力に問題があるか、耳あかが蓄積していると思う場合は、医療従事者に診てもらいましょう。マイクロ吸引法を使って、外耳道を掃除するか、その他の適切な方法を使って固着物を取り除いてくれます。
耳垢の量が多い場合は、注射器を使用した高圧外耳道洗浄が必要な場合がありますが、不適切な方法や圧力が鼓膜を損傷する可能性があるため、専門家のみが行うべきです。
しかし、糖尿病や鼓膜が破れている場合は、耳をきれいにするために灌注をしてはいけません。
ここでも、最も重要な「すべきでないこと」が登場します。耳掃除に、編み棒、ヘアピン、鉛筆などのような鋭い器具を使用しないでください。(そうです。これらは、耳掃除によく使われてきた道具です。)
もう一つの「すべきでないこと」は、過剰な耳掃除をしないことです。固着問題を悪化させる可能性があるからです。耳をきれいにする衝動は、文化的なものですが、最善策は、耳の外側から余分な耳あかが見えるほどになったら単にふき取ることです、とSchwartz博士は説明します。
「すべきこと」については、家で自分がどのように固着物を取り扱ったを、医師に話すことです。つまり、(あなたが気付いてさえいない)症状などがあって、それがセルフクリーニングを安全でなくしているかもしれないからです。
イヤーキャンドルの考え方は、コロン・セラピスト・ネットワークによると、紀元前2,500年も昔に現れたようです。
「エジプト文化を含む古代文化は、その使用について述べています。オリエントで発見された羊皮紙の巻物も、イヤーキャンドルの手順を説明しています。」
Audiology.orgというサイトは、イヤーキャンドル用の器具と、その使い方を説明しています。
"空洞がある先細りの円錐形の器具は、布でできており、蜜蝋やパラフィンに浸してあります。狭い漏斗部分を耳の中に入れ、反対側に点火します。イヤーキャンドリングの支持者は、酸素が炎から引き出されるので、耳から残渣を文字通り引き出しすと主張しています。」
ある研究は、8つの対象しかなかった限られた臨床試験ですが、外耳道からの耳垢除去は全くなかったと、しています。また、122名の耳鼻咽喉科医は、イヤーキャンドルの使用で、対象となった耳の21で傷害があったと、しています。
キャンドルワックスは、療法中に堆積することが多く、結論として、「イヤーキャンドルは、役に立たず。重傷をもたらす可能性もあります。」
残り灰も、イヤーキャンドルを使用した後、医師が耳から見つけた物質です。また、数例以上のケガを伴う事故(火遊びで時々起こる)がありました。
「耳あかがあることは、悪いことではありません。だれでもありますし、なければならないのです」とSchwartz博士は言いました。「多すぎたときに、問題となります。」
膿だれ、痛み、聴力低下、耳からの出血さえも経験する人もいるという事実があります。これらの症例のいずれにおいても、それは医療専門家が対処すべき問題なので、医師に診てもらうことは、「すべきこと」です。
自宅で耳あかを取る最も簡単で安全な方法は、頭の下にタオルを敷いて横向きになり、オリーブオイルかココナッツオイル、または水を数滴耳の中にたらして、耳あかを柔らかくすることです。
次に、耳あかを洗い流すために、3%の過酸化水素水を注ぎます。純粋で清潔な水、または、滅菌した食塩水も、上記オイルや市販の点耳剤と同様に機能します。
過酸化水素水を使うことは、風邪やインフルエンザのような呼吸器の感染を寛かいするのにも役立ちます。あなたは泡立ちノイズが聞こえたり、やや刺すような感覚を感じたりするかもしれませんが、どちらも全く正常です。それらが収まったら、もう一方の耳で同じことを繰り返します。
オメガ3脂肪の不足が起こっていると、耳あか堆積問題を悪化させる可能性があります。それを治す最良の方法は、オメガ3脂肪が豊富な食品を食べることです。例えば、天然のアラスカサーモン、サーディンなどです。あるいは、高品質の動物由来のオメガ3脂肪サプリメントを取ることもできます。堆積物や固着物の除去がうまくいったら、再発防止のため、オメガ3脂肪を必ず十分取るようにしてください。
難聴は、必ずしも耳あか堆積の兆候ではありません。実際、年を取るほど、大きな騒音を経験して部分的な難聴を引き起こす機会が増えます。それは最も一般的な難聴の原因の1つです。難聴とその他のコミュニケーション障害に関する国立研究所(NIDCD)はこう述べています。
「音は、大きすぎると、長く続いても、たとえ短時間であっても有害です。そうした騒音は、内耳の敏感な構造を損い、騒音による難聴(NIHL)を引き起こす可能性があります。」
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