Dr. Mercolaより
研究によると、一般に、睡眠に最適な室温はかなり涼しく、15~20℃であることがわかり、この範囲よりも極端に高かったり低かったりすると休まることができません。
しかし、新しい研究は、この現象に微妙な違いがあり、最適な睡眠を得るためにはエアコンの温度をただ下げるほど簡単ではないことを示唆しています。
体温調節-あなたの体の熱分配システム-は、眠りのサイクルに強く関わっています。横になるだけでも、中心から周辺に至るまであなたの体の熱を分配することで、眠気を誘発することができます。
睡眠を奪うと事実上免疫系に物理的なストレスや病気と同じ影響をもたらし、これが睡眠不足が複数慢性疾患のリスク増加と関連している理由です。だから、質の良い睡眠が健康にとって重要なのです。
この記事では、私は睡眠時の温度に関する最新の研究成果に加えて、恍惚の眠りに導く他の要因についてお話します。
睡眠間、一般的には眠りに落ちてから約 4 時間後に、あなたの体内部の温度は実際には 1 日の最低レベルに降ちます。
研究では、不眠症の人はベッドに入る直前の身体の中心部の温度が通常の人より高く、このため興奮し、入眠しにくくなっていると述べています。
多くの科学者が、熱い風呂から出た後に起こる体温の変化のようなあなたの体の自然な体温降下が、眠りを促すという作り話を信じています。
「クールヘッド」、より具体的には、「冷えた脳」を保つことは、 眠気を誘発します。ピッツバーグ大学医学部の研究者は、循環冷却水入りの帽子を不眠症患者が被ると、一般の人と同じくらい簡単に眠ることができることを発見しました。
最も低温に設定した帽子をかぶった人は、少し温度設定が高い帽子をかぶった人よりもよりよく眠ることができました。この帽子の成功例は、脳の活動量が上がると脳の温度も上がることから説明できます。
不眠症患者の多くは「夜に自分の脳を『オフ』にする」ことができないため眠りにつけないと報告しますが、冷却帽はこの解決に役立ちました。研究者たちは、余分な脳の活動が彼らの脳が眠れないほど高温にし続けていると結論付けています。
脳を冷やすことは、あなたの体の温度を下げることでメラトニン(睡眠ホルモン)が働くため、意味があります。あくびをすることには鼻腔に冷気を取り込み、脳を冷やす役割もあります。
眠気が奪われるときには脳の温度が高く、これが疲れるとあくびを何度もしてしまう理由です。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)の新しい研究 により、温度の低い部屋で眠ると、カロリーと脂肪燃焼という健康上の顕著なメリットがあることがわかりました。
ヴァージニア大学内分泌・代謝疾患部門のフランチェスコ・チェリ博士によると、部屋の温度を少しでも下げると、褐色脂肪が「体のカロリーを燃やし、余分な血糖を廃棄」するのに役立つそうです。
褐色脂肪 はカロリー燃焼により熱を発生し、これが減量のためのツールで、健康な新陳代謝を促す理由です。活性褐色脂肪のレベルと最適な代謝マーカーのレベルの間に相関性があるため、褐色脂肪が多ければ多いほど良いのです。
褐色脂肪が多い人は、低温にさらされると新陳代謝が早くなり、血糖値がよく整えられ、インスリンの感度が高まります。年齢を重ねるにつれ、 褐色脂肪の活動が減り、このため加齢とともに体重が増加する傾向があるのです。しかし、運動で体重増加を防げるでしょう。
残念なことに、褐色脂肪が活性化する最適な温度は、ぐっすり眠るための最適な温度ではないことが他の研究が示唆しています。
チェリ博士によると、震え が褐色脂肪に熱を生成させカロリーを燃焼させるメカニズムが見られるそうです。運動のように、震えにより筋肉がエネルギー使用を刺激するホルモンを分泌させます。
しかし、震えは、神経科学のオランダ研究所のユー・ヴァン・ソメレン博士他の研究によって立証されるように、深い眠りの助けにはなりません。
就寝 前 の体内中心温度が「寝る時間」に切り替えてくれる一方で、ソメレン博士の研究は、深い、安らかな眠りにつくには皮膚温度が「完全に快適」な状態を保つことが必要であることを示しています。そのため、健康と代謝を高めるために夜の間に自身を冷やそうと考えるなら、役立ちません。眠れなくなることでしょう。
実際、ソメレン博士の研究では皮膚温度は32℃程度が最適だと示唆しています。通常、皮膚温度を32℃とするのには、寝室のエアコンを18℃に設定したうえで、薄いパジャマに加えて、シーツ、薄い毛布が必要です。 このため、室温を下げて厚い掛け布団に潜り込むなら、よく眠れるでしょう 、しかし褐色脂肪は活発にはなりません。あなたの寝室が寒すぎると、皮膚の血管が収縮し、熱を閉じ込め、中心温度が睡眠の邪魔をする地点まで上げるでしょう。
あなたが誰かとベッドで寝ているなら-二本足歩行でも四本足歩行でも構いませんが-それぞれ異なった睡眠の理想のゾーンがあるため、更にややこしくなります。
睡眠の聖域を共有するのは難しいことです。「完全な睡眠の温度」を見つけることは1つの工程であり、人によって異なります。しかし、体温は睡眠の質と長さを作用する多くの要素のうちの1つです。
オックスフォードの大学のラッセル・フォスター教授はある調査で、よく眠るためにパジャマをまくること進めていて、実際これは成人の3分の1が行っていることです。寝具類を多く身に着けている場合は、体温調整がより難しくなる場合があります。
パジャマを着ても着なくても、手足が暖かいことが重要です。なぜならそうでなければ、皮膚近傍の欠陥が収縮し、熱を放射するための血流が減少し、簡単に眠りに落ちるためのコア温度となることが妨げられてしまいます。
言い換えると、皮膚を温めると末梢血管が広がり、熱損失が促されます。つまり、楽に眠りにつきたいなら、血管が収縮しない程度に暖かくある必要があるが、からだを冷ませない程暑くてはいけない、ということです。
深い眠りは体を修復し再生成し、免疫システムを強化する、最も重要な睡眠の段階の1つです。夜間深い眠りの時間が増えれば、翌朝さらにスッキリできるでしょう。音刺激が深い眠りの時間を延ばすために有効であるとわかっています。そのため、眠りにつけないことで問題が発生している場合は、試す価値のある簡単なコツをお教えしましょう。
Neuron誌に発表された研究では、対象が深い眠りに近づいたときに対象の脳波に同期する「ピンクノイズ」のサウンドを再生すると、再生していない時よりも長く深い睡眠に留まることがわかりました。参加者の記憶もまた「ピンクノイズ」の睡眠後劇的な改善を示しました。
参加者は就寝前に120組の語を見せられ、翌朝何組覚えているかをテストされました。音刺激した後、被験者の約 60 %の記憶保持力が改善し、音刺激のないときとは平均13語を記憶していたのが、平均22語思い出しました。
執筆者によれば、その鍵は、音の周波数を対象の脳波に同期することだそうです。これにより深い睡眠中の脳波のサイズが増幅されますが、これらの低速の脳波は情報処理と記憶形成に関連しています。あなたの寝室で再生する特別な「ピンクノイズ」アプリケーションを見つけることもできますし、単に扇風機を付けてこのメリットを得ることができます。
さらに、睡眠を記録できまるフィットネストラッカーをお持ちでなければ、取得することをお勧めします。監視されていないときに習慣を変更するのは困難ですが、いい機会となりますし、思ったほど眠っていないものです。スリープトラッカーを使用すれば早く就寝するようになり、8時間の睡眠を取る動機が持てます。
ほとんどの睡眠の中断は環境や感情的な要因に関連しています。
最後の 1 つは大物で、約 95 %の人が就寝 1時間以内まで、電子機器を使用しています。 電子機器は、睡眠を妨げる可能性のある異音を出し、体の自然なメラトニンの生産を妨げる類の発光があり、低レベルの放射線を発しています。
これが私がベッドに行く少なくとも 1 時間前には、テレビを見る、コンピュータ、またはタブレットを使用するなどを避けるようお勧めする理由です。あなたの部屋に機器を置き続ける場合は、 Wi-Fi ルーターと一緒に物理的にオフにしてください。また、f.luxという無料のコンピュータプログラム(justgetflux.com) を使ってみてください。日が暮れるにつれ、コンピュータ画面の色温度が変わり、ブルーライトを抑えてくれます。
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する