アルカリ水

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アルカリ水

純粋で清潔な水は健康の要です。人体はほとんどが水です。水の摂り方が身体の機能を左右します。

多くの水源が汚染されていることが常識となった現代、健康に良い飲み水とは何か、または、家庭での飲料水の処理方法に対する考え方にも様々な誤解が生じています。

問題は、水道水のほとんどに、消毒副生成物(DBP)、フッ化物、薬剤などの有害物質が含まれているという点です。言うまでも無く、健康のためには、水を飲むのが一番ですが、浄水にしましょう。

水を濾過するしないという問題はさておき、pHの問題、つまり酸性対アルカリ性の問題もありますね。アルカリ性の水が健康に良いと言われていますが、本当なのでしょうか?ほとんどは、嘘です。

アルカリ水に関する理論は、アルカリ(イオン)水には余剰の電子による抗酸化作用があり、血管を通過しながら危険なフリーラジカルを一掃してくれるというものです。販売業者は、アルカリ水が酸性に傾いた組織を中和してガン、関節炎、その他の慢性変性疾患の予防や回復効果があると主張します。

飲み水の種類

  • 浄水。物理的な処理で不純物を取り除いた水(蒸留、脱イオン、逆浸透圧法、カーボンフィルタ)。
  • 蒸留水。水を沸騰させて蒸発させて溶解したミネラルを分離し、再び蒸気を凝結させる。
  • 市販の瓶詰めの水。天然の湧き水で、浸透圧法処理されています。しかし、何の濾過もせずに、水道水を詰めただけのブランドもあります。
  • アルカリ水。電気分解により、アルカリと酸性の電解水に分けた水で、マグネシウム、カルシウムイオンの自然の電荷を利用しており、飲料水業界でも扱われている。
  • 脱イオン、脱ミネラル水。ミネラルイオン(ナトリウム、カルシウム、鉄、銅、塩素、臭素などの塩類)を、帯電した樹脂と接触させて吸着させて取り除いた水。
  • 硬水と軟水。硬水とは、ある程度のミネラルを含む水。軟水とは、カチオン(陽イオン)がナトリウムだけの状態に処理された水。

PHに関する理解

身体や水の酸性度、アルカリ性度は、pH値によって決まります。そこで、pHに関する基本的な理解が必要となるのです。pHとは、水素イオンの濃度の測定値です。「pH」という言葉は、「potential of hydrogen」(水素イオン指数)の略です。液体のpHが高いほど、自由な水素イオンが少なく、pHが低いほど、自由な水素イオンが多くなります。pHの1単位で、イオンの濃度は10倍変化します。つまり、pH8の水には、水素イオンがpH7の水の10倍含まれているということです。

pH scale

pHの度合いは0から14まであり、7が中性です。pHが7以下の場合は酸性となり、強酸性を示す例は、電池酸でpH1前後です。pHが7以上の場合はアルカリ性となり、強アルカリ性を示す例は、灰汁電池酸でpH13前後です。

天然水のpHは6.5-9.0の範囲内です。土壌、植物、季節の変化や天候、日光に反応するため時間帯などによって変化します。向上からの有害な排出物など、人間の活動も水のpHに影響します。

水性の動植物のほとんどが、それぞれのpHに特化して順応しており、若干の変化でも死にいたります。pH4より下またはpH10より上の場合、ほとんどの魚が生きられません。pH3より下またはpH11より上の水を飲むことができる動物はほとんどいません。生体の器官はpHの変化に敏感です。貴方自身も地球上に住む生命体ですから、水のpHに敏感であることは当然のことです。

飲料水のpHに関するガイドライン

飲料水に適したpHはどのくらいなのでしょうか?WHOは、600ページにもおよぶ報告書「Guidelines for Drinking-water Quality」(飲料水水質ガイドライン)を発行しています。これだけのボリュームの報告書なのだから、飲料水に関することは何でも記載されていると思いますよね?ですが、推奨pH値には触れられていません。pHについて健康に良いガイドラインは記載されていないのです。

替わりに、「pHによる直接的な消費者への影響はない」としながらも、pHは「もっとも重要な水質のパラメーター」である友記載しています。推奨のpH値については、pH6.5-8.0を推奨していますが、水道管の腐食を防ぐのが理由で、人体の管構造には触れていません。

「アルカリ度およびカルシウムの管理が水の安定性に寄与し、配管や機器への浸食性を管理することが出来る。腐食を最低限に管理できない場合、飲料水の汚染につながり、味や見た目に影響がでてしまう。」腐食を最低限に管理できない場合、飲料水の汚染につながり、味や見た目に影響がでてしまう。」****

WHOはまるで、人体の管構造よりも水道管の方を心配しているようです。飲料に適した水は、pH6.5-8位が良いでしょう。これより高いまたは低い場合、消毒などの他の目的には適していますが、この範囲を超えた水には注意が必要です。

アルカリ性に関する調査1:動植物

  • ミシガン州立大学のグリーンハウスで使用する増殖培地に関する研究(培地のpHを含む)では、植え付けの前に培地のpHが適切に整っていることが重要であることを示しました。pHが高すぎると(6.5より上)、微量栄養素が不足する可能性が高まります。pHが低すぎると(5.3より下)、カルシウム、マグネシウム、マンガンの毒性が高まります。
  • オハイオ州立大学エクステンション・サービスは、アルカリ水が栄養を土壌から取入れる植物の機能に影響し、土壌のpHが時間の経過と共に変化すると報告しています。
  • オランダで実施された生態系に関する研究では、アルカリ水が流入したことで、Stratiotes aloides Lという原産の植物が死滅したことを発見しました。
  • アルカリ軟水に長期間さらされた魚は、ストレスの症状を示し(死に至る場合もある)、アルカリ硬水の場合は、そのような影響は見られなかったことがブリティッシュコロンビア大学の研究からわかっています。

ガーデニングが好きな方はご自分の庭でもpHが環境に与える影響を観察することが出来ます。pHが低ければ、あじさいの花がピンク色に、pHが高ければ、青い花になります。2足歩行の動物には何が起こるでしょうか。

アルカリ性に関する調査2:ヒト

  • 通常の細胞は強アルカリ性では死滅してしまいます。Biological Chemistry 誌に掲載された研究では、アルカローシス(細胞中のpHの上昇)により、ミトコンドリアの機能に異常をきたし、アルカリ中毒による細胞死が起こります。
  • コーネル大学の別の研究では、神経変性疾患への抗酸化物質の効果は実証されていないこと、その原因は、pHの状態によってミトコンドリアの働きが変化することによる可能性があることを示しています。

  ガンの予防や治療においては、アルカリ性の効果は無いと主張する研究もあります。Robert Gilles氏は、腫瘍の形成と酸性について研究しています。

Gilles氏は、細胞の構造はアルカリ性でも、腫瘍は酸性に傾きやすいと述べています。言い換えると、細胞が自ら酸性化するということです。細胞内部のpH調整に干渉してガン細胞だけを死滅させる強力な抗ガン剤のプロトタイプを開発中の科学者達により、アルカリによる処理では期待した効果は得られず、反対に強酸による処理で効果が見られたことがわかりました。

酸を好むガンに酸で対抗するのですから、火で火に対抗するような話です。アルカリ度を高めるのではなく、低くした方が望む効果を得られるのです。アルカリ水がガンのリスクを低くすると言っているセールスマンは、この研究の結果からわかるように、根も葉もないことを言っているのです。

更に面白いことに、National Cancer Institute(米国国立癌研究所)が実施した2005年の研究によると、ガン治療でのビタミンC(アスコルビン酸)の利用について再考しています。薬理量を血管に投与したところ、アスコルビン酸は、正常細胞に影響を与えずにガン細胞を死滅させたことがわかっています。この研究でも、ガン細胞はアルカリ性にではなく酸に弱いことを示しています。

アルカリ性とガンの関連性は非常にあまりにも短絡的な考えによることが明らかです。恐怖心をあおって利益を得ることが目的なのです。アルカリ水は、ガンの特効薬ではありません。

バランスが大切

何でもそうですが、物事はバランスが大切です。酸性またはアルカリ性が強すぎる水は人体の健康を害し、栄養のバランスを崩してしまいます。スウェーデンで実施された井戸水の研究でも、pHが極端になると問題が起こることが示されています。人体はアルカリ性の高い飲み物を常時飲むような構造になっていません。

毎日口にする基本的なものですから、細心の注意を払っていただきたいと思います。選択を誤ると、取り返しのつかない問題へと発展してしまいます。天然の水が人体に適しているのですから、pHが8を超えるアルカリ水が除外されるのは当然です。

アルカリ水を飲み続ければ胃のアルカリ度が上昇し、胃酸を中和してしまうので消化に影響が出ます。胃酸が低下することは胃潰瘍の主な原因でもあります。小腸に寄生虫が達してしまったり、タンパク質の消化にも影響が出てしまいます。

ミネラルや栄養素も不足していきます。熱心なアルカリ水使用者では既にこの症状が出ています。体内がアルカリ性に傾くと、抗菌作用により体内の善玉菌が影響を受けるという問題が生じます。

生きた水

望ましい水は、清潔でバランスが取れており、健康に良く、アルカリ性でも酸性でもない純粋な水です。pH6-8におさまっている水が理想的です。世界で最も健康的な水は、山からの湧き水です。ほとんどが6.5程度の酸性で、簡単に手に入るのであれば、一番に選ぶことでしょう。

山の湧き水の組成はよくわかっていません。将来、このような水の組成が解明されて欲しいものです。

より詳しく知りたい方は、FindaSpring.comというウェブサイトでお住まいの地域の湧き水について調べてみてください。これは、「生きた水」です。ちょうど、ローフードが生きた食品であるのと同様です。新鮮なオーガニックのローフードを食べるよう日頃からお勧めしているのは、バイオフォトンを得るためです。

バイオフォトンとは、光の最小の単位で、すべての生命体によって貯蔵、利用されるものです。バイオダイナミック農法の食品を食べると、細胞に活力が得られます。
ローフードがバイオフォトンの絵ベルギーで生きているのと同様、天然水も「生きて」います。

体内をアルカリ性にする場合、出来るだけ良質な水が必要ですが、これには野菜ジュースが適しています。緑の野菜のジュースは、身体のpHを正常化させる役割があります。始めて聞いた話で、更に詳しく知りたいという方は、私の監修したジュースの作り方(無料)を参考にしてください。

「生きた水」と言えば、水の結晶の見え方について研究した日本の研究家、江本勝氏を思い出さずにはいられません。様々なエネルギーの影響によって、様々な形の結晶が出来ることがわかっています。

彼は、水の結晶の出来方でその水の健康度がわかることを示しました。天然の湧き水や癒やし効果のある水源の水では、美しく複雑な結晶の模様が得られたことがわかっています。蒸留水や汚染水は、内部の順序が変わっており、結晶化が上手く行かないことがわかっています。死んだ食品は食べたくないですよね。水も一緒ではないでしょうか。

身体のpHを整える

典型的なアメリカ人の食事は、糖分や加工食品が多く、身体のpH調整機能を狂わせます。人体には、ある程度pHを調整する働きがありますが、品質の低い加工食品や活性のない食品の食べ過ぎで、悪性度の低いアシドーシスの状態になっている人が多いです。

我々の先祖には、pHの問題はありませんでした。農耕生活以前の狩猟採集生活では、植物が多く、良質な肉、穀物は食べていなかったためです。身体のpHを整えるには、先祖の食生活を再現するのが一番です。ローフード、オーガニック食品、ホールフードを食べるとホメオスタシスが整います。

+ 出典および参考資料