Dr. Mercolaより
骨関節炎は関節に起こる慢性変性疾患であり、関節の間にある軟骨が減ってしまう特徴があります。炎症も特徴の一つです。骨関節炎は、高齢の方が体が不自由になる大きな原因でもあります。
骨関節炎は手や足の指の関節炎の他、膝や股関節にも現れます。この記事では、股関節炎について取り上げたいと思います。
意外かもしれませんが、骨関節炎は、発症してしまったら、運動が欠かせません。
困ったことに、関節炎になると、ほとんどの人が運動を避けてしまいます。過去の研究では、 骨関節炎に罹患している男性の40%、女性の56%以上が、一週間に10分以下しか中-強程度の運動をしていませんでした。
中強度の関節に負担の低い身体活動を週に150分というガイドラインに沿っている人は、男性では13%、女性では8%以下でした。
研究の筆頭著者によると、「関節炎の患者さんが運動不足であることの危険性に医師たちは気づくべきです。」と述べています。「実際、医師たちが関節炎の患者さんに運動の大切さをしっかりと伝えていけば、多大な効果があることでしょう。」
減量や炎症を管理し、骨や軟骨の状態を改善するために食事にも注意が必要です。
手作りの鶏ガラスープ は、関節炎の方にはお勧めです。ミネラル、コラーゲン、軟骨、シリコン、グルコサミン、コンドロイチン硫酸などの、骨や関節に良い栄養素が多く含まれています。
加工食品、揚げ物など糖分の多い食事や赤身の肉の多い食事を摂る人では、果汁、野菜、豆類、家禽類、魚中心の食事を摂る人より関節リウマチ(自己免疫疾患)を起こしやすい傾向にあります。
ターメリック、ヒアルロン酸、アスタキサンチンなどは、関節炎の痛みや炎症を和らげる効果が期待されます。
運動すると関節痛に良くない、と言う考えは間違いで、どこにもそんな証拠はありません。中程度の運動や日常の動作で膝や股関節などの関節が「すり減る」というのはただの迷信にすぎません。
むしろ運動をした方が関節の組織に良い効果をもたらすことを示すエビデンスがあります。運動をすると、関節の痛みが和らぎ、日常の動作が楽になります。
運動して減量し、適正体重を維持することができれば、骨関節炎のリスクを低減させることが可能です。
肥満体の場合、平均体重の人と比べて関節炎の発症率は2倍以上になります。体重による関節への負担が大きくなるためです。骨関節炎だけでなく、様々な症状が悪化しやすくなります。
片膝を寄せる運動(ニーハグ)
仰向けになり、右膝を抱えてしっかりとストレッチするよう胸に引き寄せます。20秒間待ちます。左側も同じように繰り返します。
両膝を寄せる運動(ニーハグ)
仰向けになり、両膝を抱えてしっかりと胸に引き寄せます。20秒間待ちます。
コブラのポーズ
うつ伏せになります。手は肩の横に揃えておきます。腕を伸ばして上体を床から上げます。 腰を反らせて骨盤は床についた状態です。 20秒間待って、上体を下げます。
股関節を曲げ外転する運動
仰向けになり、片膝を抱えて胸に引き寄せます。 両手で膝を持って、20秒間回します。 反対側も同じように繰り返します。
股関節の外側を回転させる運動
仰向けになり、右膝を抱えて胸に引き寄せます。右手を膝におき、左手で足首を持ちます。 右足首を頭の方へ引き寄せます。30秒間待って、左脚も同じように繰り返します。
股関節の内側を回転させる運動
うつ伏せになります。膝を90度曲げて両足を外側に倒します。30秒間待ちます。
股関節炎の方向け筋肉トレーニング
クラム
体側を下にして横になります。両足を揃えて膝を少し曲げておきます。上の方の膝を出来るだけ高く上げて元に戻します。 15回繰り返して、反対側も同じように繰り返します。
ブリッジ
仰向けになり、足を床につけて腰を上げていきます。 数秒間維持して下げます。5回この動作を繰り返します。
膝のピボット
体側を下にして横になります。両足を揃えて膝を少し曲げておきます。上になった膝と足を上げます。 膝を上げたまま足を上下に動かします。15回繰り返して、反対側も同じように繰り返します。
かかとのピボット
体側を下にして横になります。両足を揃えて膝を少し曲げておきます。上になった膝と足を上げます。 足を動かさないようにして、膝を上下に動かします。 15回繰り返して、反対側も同じように繰り返します。
関節炎がある場合、関節痛がひどくなるような運動はしてはなりません。不安定な関節に余計な負担をかかる運動は避けるべきです。ですが、運動の習慣がある人が一般的にするように、色々な種類の運動を取り入れることが大切です。ウェイトトレーニング、高強度心血管系エクササイズ、ストレッチ、体幹のエクササイズなど全てを、体力に合わせてルーティンに加えてかまいません。
しかし、膝に骨関節炎がある場合は、太ももの前面にある四頭筋を鍛えた方が良いでしょう。ランニングなどの衝撃の強い運動よりも水泳や自転車など、膝への負担の少ない運動が適しています。
運動をした後、1時間以上痛みが続くならば、少し軽めの内容にするか、他の運動法を考えましょう。補助具を利用して痛みのある関節への負担を減らすのも良い方法です。理学療法士や有資格のパーソナル・トレーナーに相談して、どのような運動が安全か助言をもらうのも良いでしょう。
扁康韓病院のSeo Hyo-seok医師の記事で紹介されているとおり、 韓方では、関節炎の原因は腎機能の衰えであるとされています。
「腎臓が弱ると、寒い時期にエネルギーや血液の循環が弱くなり血中に残留した物質が関節に蓄積される。このような残留物が分解されて関節炎を起こす。腎臓と肺の機能を高めると軟骨が再生される。 現代医学も腎臓と骨の密接な関連性を示している。酸素の濃度が低くなると腎臓からエリスロポエチンというホルモンが分泌され、骨髄に赤血球を産生する信号を発信することが明らかになった。腎臓は骨の成分であるカルシウムの代謝をコントロールしている。 人体が弱っているときは、上位器官の機能を強化する必要がある。腎臓の上位器官は肺であり、肺の機能を高めると骨の健康回復につながる可能性があるのです。
「腎臓が弱ると、寒い時期にエネルギーや血液の循環が弱くなり血中に残留した物質が関節に蓄積される。このような残留物が分解されて関節炎を起こす。腎臓と肺の機能を高めると軟骨が再生される。
現代医学も腎臓と骨の密接な関連性を示している。酸素の濃度が低くなると腎臓からエリスロポエチンというホルモンが分泌され、骨髄に赤血球を産生する信号を発信することが明らかになった。腎臓は骨の成分であるカルシウムの代謝をコントロールしている。
人体が弱っているときは、上位器官の機能を強化する必要がある。腎臓の上位器官は肺であり、肺の機能を高めると骨の健康回復につながる可能性があるのです。
東洋医学では関節炎の治療には、血行を良くし、関節を温めることが含まれます。運動がこれに加わるのですが、東洋医学では他にも、お灸、カッピング、鍼、薬草なども用いられます。
Seo Hyo-seok医師によると、薬草による治療で肺を浄化すると、半年後には軟骨が大幅に回復するそうです。軟骨の柔軟性が回復すれば、進行した関節炎も回復するかもしれません。
Robert Rowen医師はアメリカで著名なレーザー治療の医師で、 外科手術の代替療法としてのオゾン療法で数々の患者を治療した実績があります。
オゾン療法の効果がなくても、何の害もありませんし、それから外科手術をすれば良いのです。手術を先にして失敗に終われば、取り返しがつかないのですから。こちらに紹介したビデオでは、膝に重度の変性があった女性からの治療に関する証言が収録されています。
もう一つの代替治療法として、「冷却」 赤外レーザー治療 (別名Kレーザー)です。組織の酸素負荷を高め、傷ついた細胞に光のフォトンを吸収させる比較的新しい治療法です。
特殊なレーザーが筋肉、靭帯、骨に良い影響を与え、Kレーザーは身体の深部に達するため、膝や股関節の関節炎にも効果が望めます。ミトコンドリアのATP産生を刺激し、治療効果を高める作用もあります。
Journal of Alternative and Complementary Medicine の研究によると、6週間毎日ターメリックエキスを摂取すると、骨関節炎による膝の痛みに、イブプロフェンと同様の効果があることが分かりました。 この効果は、ターメリックのオレンジ色の成分であるクルクミンの抗炎症作用によると考えられています。
ビタミンD
軟骨の減少は骨関節炎の特徴の一つですが、ビタミンD不足も原因の一つです。骨関節炎による痛みがある場合は、 ビタミンD濃度 を測定して見ましょう。日光を浴びたり、日焼けマシンなども利用してビタミンD濃度を適切に調整しましょう。どちらの方法も無理な場合は、経口の ビタミンD3、ビタミンK2 のサプリメントを考慮しましょう。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、強力な抗酸化物質であり 抗炎症作用もあるカロテノイドです。炎症を和らげ、アスタキサンチンは、関節リウマチや骨関節炎などの炎症からくる様々な症状を予防、治療する効果があります。 ある研究では、アスタキサンチンを8週間摂取すると、関節リウマチの患者において痛みの程度が35%改善し、日常動作に40%の改善が見られたと報告されています。 アスタキサンチンは、腫瘍壊死因子α、プロスタグランジン、インターロイキン、一酸化窒素、COX-1、COX-2酵素など数々の炎症の前駆体を抑制します。 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)よりも効果が出るのに時間がかかりますが、危険な副作用はありません。
ヒアルロン酸(HA)
ヒアルロン酸は軟骨の重要な成分で、細胞に栄養素を送り、老廃物を運び出す役割があります。 水分保持も最も重要な生物機能の一つです。これは、血液が直接届かない軟骨細胞などにとっては、栄養素を送り老廃物を運び出す機能に次いで重要です。 残念なことに、体内で合成されるヒアルロン酸の量は老化に伴い減っていきます。ヒアルロン酸の経口補給により、2-4ヶ月で関節の保護効果が期待できます。 骨粗鬆症専門医に依頼すれば、炎症のある関節の滑膜腔にヒアルロン酸を注入して貰うことも可能です。この処置により、軟骨の生合成が増すとの研究結果があります。抗炎症作用、鎮痛作用も期待できます。
卵殼膜
卵殼膜は、卵白とミネラル化した殻の間に存在する唯一の保護バリアです。卵殼膜には、エラスチン(軟骨の健康を支えるタンパク質)、コラーゲン(繊維質の多いタンパク質で軟骨や結合組織の強度と柔軟性を保っている)が含まれます。 さらに、トランスフォーミング成長因子-b(組織の若返りを促すタンパク質)、各種アミノ酸、構成要素など、軟骨の形成に必要な構造要素を提供して関節に柔軟性と安定性をもたらす成分が含まれています 安価な方法でこの栄養素を得るには、卵の殻をコーヒー豆のグラインダーで挽いた粉をスムージーに入れるだけです。オーガニックの平飼い鶏の卵だけを使ってください。
ボスウェリア
インディアン・フランキンセンスなどのボスウェリアはインド産のハーブで、私の知っている中で関節炎の炎症や痛みに特に効果のある成分の一つです。ボスウェリアは継続使用することで関節への血流を維持し、関節組織の柔軟性、強度を保つ作用があります。
動物性のオメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸は、炎症を抑える 作用があるため、関節炎に効果が高いとされています。クリルオイルなど良質な動物性のものを求めましょう。
硫黄/エプソム塩浴/MSM
良質(オーガニックの)で牧草飼育の牛肉や鶏肉など、食事から硫酸をしっかり摂る他に、マサチューセッツ工科大学の上席研究員であるStephanie Seneff医師は、硫酸マグネシウム(エプソム塩)のお風呂に浸かって 硫酸不足を補う方法を推奨しています。 週2回、浴槽に1/4カップのエプソム塩を入れているそうです。関節のトラブル、関節炎のある方には特に有効です。メチルスルホニルメタン(別名 MSM)も効果があります。 MSMは、硫酸の有機体で、植物に多く見られる天然の抗酸化物質です。サプリメントも出回っています。
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