肩に劇的に効く運動

肩のエクササイズ

早分かり -

  • 自重を利用したエクササイズ、ダンベル、トレーニングチューブを組み合わせて、自宅で肩の調整が可能。
  • ダンベル・ショルダープレス、45度傾斜のロウ、座位のリア・ラテラル・レイズは、肩の強化に良い。
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Dr. Mercolaより

肩は誰でも毎日酷使する部位です。髪を洗ったり、お子さんやお孫さんを抱き上げたり、車のドアを開けたり、肩の筋肉が使えなくなったら出来る動作はあるのでしょうか。

多くの人が実際に肩の悩みを経験していることでしょう。肩の症状で診察を受ける人の数は毎年7,500万人と言われています。

さらに、American Council on Exercise(フィットネス評議会)によると、成人3人に2人が人生で一度は何らかの肩のトラブルを経験すると言われています。

肩は複雑な臼状関節構造で伸ばしたり、回したり、曲げたりという様々な動作が可能です。前面、中間、背面にある3種類の筋肉で構成され、複雑な動きが可能となります。

非常に重要でありケガしやすい部位でありながら、脚、体幹、腕などの他の筋肉ほど意識して鍛えている人はいません。

肩の筋肉を強化すると、一般的な肩のケガの予防につながり、肩の機能を維持し、生涯悩みなく過ごすことが出来ます。

肩に一番良いエクササイズとは?

American Council on Exerciseは、Wisconsin-LaCrosse大学の研究者とチームを組み、肩の筋肉に効果の高い運動は何かを調査しました。

10種類の良く知られた肩のエクササイズを比較すると、肩の主な3種類の筋肉のそれぞれに効果が高いエクササイズがいくつか判明しました。

  • ダンベル・ショルダープレス。肩の前面にある三角筋前部に最も効果があります。
  • 45度傾斜のロウ。三角筋中央部に効果があります。ベントアーム・ラテラル・レイズ も同様の効果があります。
  • 座位のリア・ラテラル・レイズまたは45度傾斜のロウ。療法とも三角筋後部に効果があり、肩の背面を活性化することができます。

他のエクササイズと迷っている場合のためにお知らせすると、上位にあがら なかった 肩のエクササイズは、腕立て伏せ、トレーニングチューブで斜め挙げ、ディップス、ダンベル・フロント・レイズ、 バトルロープ、バーベル・アップライトロウです。 Shapeは、次の様に発表しています。

「一日の終わりに最も適しているのが肩のエクササイズであると、Wisconsin-LaCrosse大学のClinical Exercise Physiology Department学部長の(臨床運動生理学部)John Pocari博士は述べています。

ジムで過ごす効果を高めるには、ダンベル・ショルダープレスで肩の前面をターゲットとし、別のエクササイズを加えると良いとPocari 博士は述べています。お勧めは座位のリア・ラテラル・レイズです。これなら、誰にも簡単にできます。45度傾斜のロウは、肩の背面と中央部に効果があります。

肩の筋肉の調子を整える

ジムに行くのが好みでなくても、自重を利用したエクササイズと、 ダンベル、トレーニングチューブを組み合わせて、しっかりと肩を整えることができます。

FLEX StudiosのFLEX Barreの代表Jackie Dragone氏が監修し、 New York マガジンに 掲載されたエクササイズのいくつかをこちらにご紹介します。肩だけではなく腕にも効果があり、腋の下の頑固な脂肪にも効果があります。

  1. プランク上半身ひねり

    「プランクの姿勢になり、手を組み、腕立て伏せをします。背中をひねってもう一回腕立て伏せをします。
  2. 横向きのひねり腕立て伏せ

    「体の左側を下にして横になります。左手は頭の方に伸ばして床に手のひらをつけます。右腕はウェストのあたりで体の前面におきます。左手で床を押して支持を伸ばしながら上半身を床から持ち上げます。
  3. ダンベルの上下運動

    「腰より広めに脚を広げてプリエした状態でつま先でスクワットします。手には、軽めのダンベルを持ちます。上体を真っ直ぐに保ちながら、片方の腕を動かさないようにもう片方の腕を上下に動かします。上下する腕を入れ替えて繰り返します。」
  4. トレーニングチューブを使って胸を広げる運動

    「トレーニングチューブの端っこがずれないように立ちます。腰を下げて、軽いスクワットの状態になります。腕をしっかり横に伸ばして、肘を真っ直ぐにしたまま腰より後ろに押します。肩甲骨を狭めるほど、胸が伸ばされるはずです。

肩の痛みが消える5つのエクササイズ

肩の痛みのほとんどが、繰り返しの動作で軟組織に損傷が出てしまったことが原因です。テニス、投球、重量挙げなどが良くある原因ですが、職業上の動作のほか、窓ふきやガーデニングなどの日常の動作も原因となります。

事務職の人にも、繰り返し動作によるケガが多いです。ある研究では、事務仕事によくある、僧帽筋の筋肉痛(僧帽筋上部の痛み)に悩む女性の首や肩の痛みに効果のある5つの運動を発見しています。

このエクササイズを、1、2、5の組み合わせと1、3、4の組み合わせで、交互に週3回(例えば月、水、金)行うと良いそうです。始めは、一日に、各エクササイズを8-12回ずつ、2セットを目標にします。徐々に3セットに増やしてください。

日頃の運動量や筋力にもよりますが、初めての方は、2.5-5kgくらいのダンベルからスタートすると良いでしょう。3セットを楽にこなせるようになった時が、ウェイトを重くする目安と考えてください。ちなみに、研究に参加した被験者は、おおむね10週間以内に、ウェイトが倍の重さまで達したそうです。約4週間後には、重めのウェイトを使用して最後のセットの回数を少なくしてみてください。

1.ダンベルシュラッグ

「真っ直ぐに立って、ダンベルは体の横に持ちます。一定のスピードで、肩を耳に引き上げて下ろします。動作中には、あごや首をリラックスさせてください。

2.ワンアームロウ

「片膝をベンチに乗せ、同じ側の手をベンチにおいて体を支えます。もう片方の腕はウェイトを胸の方へと上げます。胸の高さに上がったら、反動をつけずに下げていきます。

3.アップライトロウ

「腕を伸ばして、ダンベルを持って真っ直ぐに立ちます。ダンベルをできるだけ体の近くで真っ直ぐに上げていきます。肘は横に出て、胸の真ん中までダンベルを上げます。全工程で、ダンベルが肘より下に来るように注意しましょう。

4.リバースフライ

45度くらいに傾斜したベンチに横になります。ダンベルを持った手を床の方に下げておきます。腕が水平になるまでダンベルを持ち上げ、反動を付けずに下げていきます。運動の途中は、肘は少し曲がっていても構いません(まで)。

5.ラテラルレイズ/ショルダーアブダクション

「真っ直ぐに立って、ダンベルは体の横に持ちます。腕が水平になるまでダンベルを持ち上げ、反動を付けずに下げていきます。運動の途中は、肘は少し曲がっていても構いません(まで)。

プランク—まだある肩のエクササイズ

肩のストレッチや、調子を整え強化できる方法を探しているなら、プランクを試してください。プランクは、背筋群の柔軟性を増し、姿勢を正しく保つ筋肉を鍛えます。肩、鎖骨、肩甲骨の周囲の筋肉は、良く伸びます(あまり注目されない部位)。さらに、プランクの動作は、姿勢の維持に必要な筋肉群、例えば、背中、胸、肩、腹筋、首などの筋肉に効果があります。

定期的にプランクをすることで、座ったり立ったりの動作が楽になるでしょう。前向きのプランクは特に、上半身、下半身療法を鍛えます。具体的な部位は、腹筋、腰、胸、肩、僧帽筋上部、首、二頭筋、三頭筋、殿筋、大腿筋、ふくらはぎなどです。American Council On Exercise(米国運動協議会)のガイドラインよりプランクの基本的な方法をご紹介します。

  • 肘が肩の真下に来るように床につけて手首は肘と真っ直ぐになる位置に置きます。
  • 身体を持ち上げて、あごを引きます(卵をのど元に挟むイメージで)。
  • この姿勢で、腹筋を引き締めます。お腹にパンチを受けるイメージで引き締めて、大殿筋(尾てい骨)の辺り、太ももの筋肉も同時に引き締めます。呼吸は普段どおりでかまいません。
  • プランクの姿勢を20-30秒保ちます。(正しい姿勢ができていれば、このくらいの時間で十分です。)約1分間休んでプランクを繰り返します。合計で3-5回続けてください。
  • 肘とつま先で身体を支えるようにしてみましょう(必要に応じて膝を床についてください)。慣れてきたら、肘を伸ばしたハイプランクに挑戦してみてください。

フィットネスプログラムを完全形にしあげる

健康と体力を維持するには、色々な運動をお勧めします。運動をしながら、 日々の運動以外の動作 に注意をするのも手です。理想的には、一日のほとんどを立って過ごしていただきたいと思います。座りっぱなしは、活動の妨げとなります。包括的なプログラムには、こちらに示すすべての動作が日常的に少しずつ含まれています。

  1. なるべく座りっぱなしを避ける。研究結果からも、座る時間が長いほどほど、健康へのリスクが高いことは明らかです。運動を良くしていて、体を鍛えていても関係ありません。コツは、 一日中動き続けることです。毎日少しでも多く動くようにするには、Get Up!: Why Your Chair Is Killing You and What You Can Do About It(その椅子がいけない理由)の著者 James Levine博士とのインタビューをご覧ください。

    座りっぱなしをできるだけ避けることと、一日に7,000 から10,000歩のウォーキングに挑戦することをお勧めします。日常的なフィットネスプログラムや仕事中に立つよりも多い運動量です。最新機種のフィットネストラッカー運動と睡眠の両方を記録できるものなら、その日の活動量の記録を取ることが出来ます。
  2. 高強度インターバルトレーニング HIIT。インターバルトレーニングとは、短時間の高強度トレーニングと回復時間を交互に繰り返す方法です。
  3. 体幹エクササイズ。背中、腹部、骨盤の周囲には29のコアマッスルが存在します。全身の動きの基礎となる筋肉群で、しっかり強化して、背中を保護し背骨や身体の各部位の怪我を防ぎ、バランスや安定性につなげましょう。
  4. ストレッチ。私が気に入っているストレッチは、Aaron Mattes氏考案の、Active Isolated Stretching(AIS)です。 AISでは、ストレッチした状態を保つのは2秒間だけです。身体の生理的な修復機能で体液循環を促し、筋肉や関節の柔軟性を高めます。このテクニックで身体の修復や日常動作への準備運動としての効果があります。
  5. 筋肉トレーニング。 筋肉トレーニング を1セット盛り込んで、日頃のエクササイズをより完成度の高いプログラムにしましょう。スピードを遅くすることで、高強度の運動に変えることができます。