Dr. Mercolaより
ヒマシ油が古くから、便秘、風邪、熱、虫くだしなどの様々な症状の手当に用いられてきたことはみなさん良くご存じでしょう。ヒマシ油は、優れた治療効果を持っています。
以前にも ヒマシ油 の不思議と健康増進のための用途について記事にしました。治癒効果についてあまり詳細な研究をしなくても、ヒマシ油に様々な用途や効果があることはわかっています。
長い歴史のあるよく知られた自然療法の1つであり、科学的に調査が求められる事は確かです。ご家庭でも、利用する場合は注意が必要です。
ヒマシ油は、トウゴマ(Ricinus communis)の種を圧搾して作られます。インド原産のトウゴマは、現在では、アルジェリア、エジプト、およびギリシャなどの地中海の国の中で栽培されています。フランスでは、大きく、美しい葉が好まれ、観賞植物として用いられています。
エジプト、中国、ペルシャ人などの古代文明においても、ランプの燃料、そして軟膏の成分としてなど多くの用途にトウゴマを重用していました。
中世ヨーロッパでは、皮膚病の治療に用いられたことが知られています。ギリシャ医師のディオスコリデスは油の抽出方法を説明する記述の中で「瀉下効果が強い」ため、外用にのみ使うよう警告しています。
ヒマシ油は、90%がリシノール酸という脂肪酸で構成されるトリグリセリドです。濃度は低いですが、大豆油や 綿実油 などにも含まれる脂肪酸です。
リシノール酸は、ヒマシ油の主要な有効成分であり、医療研究家、カイロプラクター、生化学者のDavid Williams氏は次のように述べています。
「様々なウイルス、バクテリア、イーストなどの増殖抑える効果があります。「それは白癬、角化症、皮膚炎、すり傷、真菌感染した指、足の爪、にきび、および慢性の掻痒症(かゆみ)への局所処置に効果を示しています」。
Williams氏は記事の中で、インドでは、キャスター種子植物は赤痢、ぜんそく、 便秘、炎症性腸疾患、膀胱炎、膣感染症など、様々な症状に伝統的に使われていることも紹介しています。
家に無い方も 品質の良い製品を購入してみてはいかがでしょう。色々な使い道があることに、きっと驚かれることと思います。Natural Living Ideasで紹介されている、14種類のヒマシ油の利用法についてご紹介しましょう。
1. 安全、天然素材の下剤 — 2010年の研究では、ヒマシ油パックが高齢者層の便秘に非常に高い効果を示したことがわかりました。米国食品医薬品局(FDA)は、下剤としての利用について「概して安全で、効果的である」という考えを示しています。
ヒマシ油を経口摂取すると、2-5時間以内に消化管の内容物を「排除」することができます。用法用量には注意が必要です。成人は15-30mL、子供(2-12歳)は、5~10mLが適量です。
2歳以下の幼児は、一度に5mL以下にしてください。子供の場合は、ジュースなどに混ぜると飲みやすくなります。
2. 筋肉痛を和らげる — 激しい運動後に直接皮膚につけると、血行が良くなり痛みが和らぎます。ペパーミントオイルや ローマンカモミールオイル を混ぜるとさらに効果的です。
3. 関節痛を和らげる — ヒマシ油に含まれるリシノール酸 にはリンパ系の流れを良くする作用があり、体内組織の老廃物を血流に流して排泄する働きがあります。
関節炎がある人では、リンパ系の流れが滞ると関節痛が起こります。ヒマシ油を関節に塗ると、リンパ系の流れが良くなります。
Phytotherapy Researchに掲載された、2009年の研究で、ヒマシ油が膝の 骨関節炎</361>の患者に鎮痛効果が高かったという同様の報告がなされています。.
4. 真菌感染症の治療効果 — また、ヒマシ油は、白癬、いんきんたむし(股部白癬)、水虫などの一般的な感染症に、抗真菌薬と同等の効果があるとされています。
就寝時に、温めたオイルを患部に塗って、一晩そのままにしてください。症状がなくなるまで1週間ほど続けます。
5. 髪の成長を促す — 温めたヒマシ油で頭皮マッサージ(眉にも良い)すると、毛穴を刺激して頭の 成長を促します。毎晩のマッサージで2週間ほどで効果が現れます。ヒマシ油は、脱毛症の部位にも効果があるかもしれません。
6. 髪のツヤを良くする — ヒマシ油が髪の水分を保ち、つやとボリューム感を与えます。温めた大さじ1杯分のヒマシ油を、指先でまんべんなく髪につけて隅々まで伸ばしてください。
7. ナチュラルなマスカラ — 二重なべに大さじ1杯の蜜蝋を溶かし、炭かココアパウダー(髪の色に合わせて)大さじ2杯、ヒマシ油を入れ、丁度良い固さになるまで混ぜてください。
こうしてできたホームメイドのマスカラには、市販の化粧品とのような有毒な化学物質が含まれません。または、ヒマシ油を毎晩まつ毛に塗ると、ボリューム感が出ます。
8. 皮膚の保湿 — ヒマシ油に含まれる脂肪酸の効果で、乾燥肌に栄養を与え保湿します。粘性が高いため、肌にとどまりやすく、皮膚に浸透しやすい性質があります。
少量でも伸びがあります。両手のひらで小さじ1杯分をなじませて、肌に広げていきましょう。
9. お肌の悩み — ヒマシ油で、見た目の良くないイボやブツブツを解消できます。
抗菌、抗炎症作用があるので、イボやニキビにも効果が期待できます。International Toxicologyジャーナルで発表されたある研究では、ヒマシ油が職業性皮膚炎に効果があるかもしれないことがわかりました。
10. 熟睡を促す — まぶたに少量のヒマシ油を軽く塗ると入眠を助ける効果があると言われています。ヒマシ油で、より長い時間、しっかり熟睡できるかもしれません。
11. 赤ちゃんのコリック(黄昏泣き)に効果 — 生後数ヶ月の赤ちゃんが、急にぐずりだしてなかなか泣き止まないということがあります。原因はまだ解明されていませんが、お腹にたまったガスが原因ではないかと考えられています。このようなコリックには、ヒマシ油を赤ちゃんのお腹全体に優しく塗ってあげてください。
12. ペットの傷を安全に手当て — 犬や猫などの皮膚の小さな切傷や、ケガには、少量のヒマシ油をつけてあげてください。抗菌で、抗炎症作用が傷の治癒効果を高めます。ペットが傷をなめる(ほとんどのペットがそうです)と、オイルは有毒ではありませんが、便がゆるくなる場合があります。
13. 食品の保存料として — 乾燥した穀物製品に、ヒマシ油をまぶすと、劣化を防ぎ、微生物や害虫よけになります。しかし、一般的に、穀物を食べることは、健康のために最小限にとどめるべきです。
14. オールラウンドな潤滑油 — きしんでいる蝶番、はさみ、肉ひき器などの家庭用品にも、ヒマシ油を潤滑剤として使いましょう。粘度が高く、凍結しないので、ヒマシ油は暑い場所、または非常に寒い場所、どちらでも使用可能です。
局部的な使用では、ヒマシ油をキャリアオイルに混ぜる必要はありません。
皮膚に少しつけてみてアレルギー反応がないかだけ確認してください。肌に塗ってマッサージする他、ヒマシ油のパックもホリスティック療法効果が得られます。サイキックヒーラーであるEdgar Cayce氏は、ヒマシ油パックを治療に用いた最初の人物です。アリゾナ州フェニックスのWilliam McGarey氏も後に研究しています。
家庭医のMcGarey氏は、Cayce氏の教えを実践しており、ヒマシ油パックは、正しく利用すると免疫機能に大きな効果があると述べています。
ヒマシ油パックの作り方、使用法は、こちらのビデオでご覧になれます。このビデオは、Cayce氏の教えを毎日の生活で活用する研究をおこなっている、Edgar Cayce’s Association for Research and Enlightenment(エドガー・ケイシー研究/啓発協会)が作成したものです。
ヒマシ油は、伝統的に、陣痛促進にも使われてきました。マウス実験では、リシノール酸に腸や子宮の収縮を促し、陣痛を促進する効果がある事が示されました。100人の妊婦を調べたある研究では、ヒマシ油を投与したグループの半分が24時間以内に陣痛が始まったと報告しています。効果が強すぎるので、この利用法はお勧めしません。
2001年の研究では、ヒマシ油を使った妊婦全員に吐き気が起こったことが報告されています。別の研究でも、ヒマシ油による収縮作用で、出産前の母親の胎内での胎便の排出につながる可能性を指摘しています。胎便を吸入してしまい、呼吸器系の問題につながります。研究の著者による報告をご紹介します。
「ヒマシ油の副作用のほとんどは、倦怠感、吐き気、嘔吐、および下痢です。ヒマシ油により、出生直後の新生児でアプガースコアに影響が見られました。ヒマシ油を試す前に、助産婦または産科医による適切な投薬量の指導を受けることが重要です。
治療効果の高いトウゴマですが、リシンと呼ばれる強力な毒を含んでいることを知っておいてください。生のトウゴマの実からヒマシ油を絞った後に残る「マッシュ」に含まれるリシンは、経口、経鼻、または静脈注入により、タンパク質合成を阻害し、細胞を全滅させます。
リシンはとても強力な成分で、わずか1 mg(種なら4-8粒)を摂取、吸入するだけで命 に関わる危険性があります。解毒剤がないため、リシンは化学兵器として使われることがあるくらいです。解毒剤がないため、リシンは化学兵器として使われることがあるくらいです。
しかし、リシンは、製造工程で分離されるのでヒマシ油によるリシン中毒の心配はありません。 International Journal of Toxicologyによるヒマシ油に関する最終報告では、リシンはヒマシ油中に「分離されない」ため、化粧品に配合しても副作用はないとしています。
あらゆる ハーブオイルと同様、潜在的な副作用の可能性があるため、ヒマシ油の利用には注意が必要です。 局部的な使用でも、肌が敏感な人ではアレルギー反応を起こす可能性があるため、広い範囲に使用する前に、必ずパッチテストをしてください。
内服すると、リシノール酸が腸の粘膜を刺激して、便秘に効果があります。めまいや吐き気のほか、胃腸の不調や不快感も起こりやすくなります。ですので、過敏性大腸症候群(IBS)、潰瘍、けいれん 憩室炎、大腸炎、 痔などの消化器系の症状がある場合は使用を控えてください。術後間もない場合もヒマシ油の使用を控えてください。
最後に、ヒマシ油を購入する際は、信用のあるブランドのオーガニックの製品にしましょう。市販のヒマシ油の多くは、栽培過程で多くの殺虫剤を使用しており、製造工程で化学薬品による加工で、有効成分が破壊されていたり、化学物質が残っていたりする場合があります。
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