ランニングマシンの長所/短所


ランニングマシンのエクササイズ

早分かり -

  • ランニングマシンでのウォーキングやランニングだけでは、運動効果が十分ではない。不足する点を補うにはインターバル心血管系エクササイズを追加すると良い。
  • ランニングマシンやエリプティカル・マシンでの運動強度を高くするためのデモ。
  • 健康効果が最も高い運動時間は、中程度の運動を150-450分と言われている。強度の高い運動を数回取入れると長寿効果が高い
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Dr. Mercolaより

ランニングマシンは、現代でも人気が高い運動器具の一つですね。とても魅力的なのですが、ランニングマシンでのウォーキングやランニングだけでは、運動効果が十分ではないのです。

時間の無駄になるばかりか、どちらかというと、最も運動効果の 低い エクササイズです。高強度インターバルトレーニング (HIIT)は、はるかに効果が高い方法であることが実証されています。HIITは1セッションは20分ほどで終了しますし、回数も週に2-3回で十分です。

HIITは心臓にも安全です。 運動による心臓病予防効果は 薬の効果に匹敵することがわかっていますが、定期的な激しい運動を長期継続すると心臓病歴がある場合は特に、体への利益よりも害が大きくなってしまいます。

1時間のランニングのような高い持久力が必要なトレーニングは心臓にとっては非常に負担となります。負荷をかけると筋肉は強化されますが、 負荷が強すぎたり、長期間になると 、逆に筋肉を痛めてしまいます。

健康促進と体を守る(特に心臓)ために覚えておいていただきたい項目をご紹介します。

  1. 運動は安全にそして効果的に。高強度の運動を短時間で行う方が、従来の心血管系エクササイズよりも、心臓に優しく、全身の健康、減量、体力アップに効果的です。
  2. 週に2回20分ずつのセッションで、体脂肪を落とし、筋肉の調子を整え、活力や精力アップ、敏捷性や総合的な運動能力がアップします。

  3. セッションの合間でしっかり回復期間を取る運動強度が高くなるほど、回数を減らして釣り合いを取ることを心に留めておいてください。
  4. 運動の量は適度に保つ。適度な運動量は中程度の運動を1週間あたり450分、強度の高い運動を時々追加するのが良いことがわかっています。

ランニングマシンの長所/短所

ランニングマシンをやめた方がいいということではありません。エクササイズの一部にしている、または自宅に持っているなどの場合もあるでしょう。

外でのジョギングほどではありませんが、ランニングマシンも運動のツールとして効果がないわけではありません(ケガ防止のために 走る前にしっかりストレッチ をしましょう)。ランニングマシンは(天気の悪い日などは特に)運動を何もしないよりははるかにましです。

こちらに、ランニングマシンの効果を最善にするための方法をご紹介します。ランニングマシンはHIITには不向きですが、インターバルトレーニングは可能です。

Time Magazine で、ランニングマシンの長所と短所が掲載されています。長所は、舗装された道路を走る場合よりも関節に負担が少ないことです。傾斜を変更すれば、強度も調整可能ですし、機能が多いマシンでは、レースの様な設定をすることも可能です。

短所は、敏捷性の強化につながらない点です。地面は平坦ではありませんし、現実世界とは状況が異なるためです。ランニングマシンでは、屋外でのランニングや他のマシンでのトレーニングとは使う筋肉も異なります。

ランニングマシンによるケガが年間24,000件発生している点も気になります。ほとんどがねんざですが、中には死亡例もあります。SurveyMonkeyのDavid Goldberg代表取締役がランニングマシンで転んだ際に頭部を強打してなくなった事件が記憶に新しいところですね。

そのようなリスクの他にも、ランニングマシンの欠点は、退屈することであり、運動効果が得られるまで続けるのを難しくする要素です。

例えば、 マシンを逆回転させて後歩きにしてみましょう。不思議に思うと思いますが、効果があります。後ろ向きに歩くと、負荷が少なくなり、膝関節の動きも少なくて済みますので、膝や関節にトラブルのある方に向いています。

後ろ向きに歩くことで、踵が地面にぶつからず(つま先から足が地面につく)。脊椎骨の面が揃って、骨盤のアライメントが良くなり、 腰痛の原因が緩和 します。

ランニングマシンで後ろ歩きを始めるときは、まずレールの端側に立って、バーにつかまってください。前向きに歩く時よりは、かなりスピードも遅くしておきましょう。

ランニングマシンでのインターバル心血管系エクササイズ

ランニングマシンが好みなら、上に紹介したビデオを参考にやり方を工夫していくと、欠点を補い場ガラ、良い結果が得られやすくなります。

強度を変えるには、ゆっくり歩きと速歩きやジョギングを組み合わせると、ランニングマシンで可能な高強度インターバルトレーニング(HIIT)の効果が得られます。

ランニングマシンでは、安全面に注意しましょう。設定した速度が変わることはありませんし、速度を変えるにはボタン操作が必要なので、転ぶ危険性があります。

安全な方法は、始めと終わりに、レールの横に立つようにすることです。インターバル心血管系エクササイズは次の様に実施しましょう。

  • 速歩き60秒、ジョギング30秒、変速スプリント15秒の間にゆっくり歩きをはさんで回復時間とする。ゆっくり歩きから始めて徐々にスピードを上げ、速歩きの丁度良いペースに上げていきます。速歩きを1分間続けたら設定をジョギングの速さまで上げます。
  • このテクニックでは30秒のジョギングで前傾になり、体幹が引き締められ、足の指の付け根の部分で優しく蹴り出すことが出来ます。踵はマシンに全く触れないかもしれません。一歩一歩からの衝撃は、骨、関節、軟骨よりも筋肉にかかるようになります。最後の15秒間でスプリントと同様の効果を得るためには、膝を高く上げて上体の筋肉を引き締めましょう。

    このスプリントは、膝を高く上げるのでジョギングより高い強度があります。こうすると、マシンのスピードを変える必要はありません。15秒スプリントの最後には、マシンの端に足を乗せてバーにつかまってください。マシンのスピードを落として回復時間を取ります。また、傾斜をゼロまで下げて回復時間を取ります。回復時間に入る前にマシンの速度を数秒間下げましょう。

  • これを4-8回繰り返しましょう。

エリプティカル・マシンでのHIIT

HIITには、エリプティカル・マシンの方が優れていて安全です。エリプティカル・マシンは、楕円形ペダルの動きにより、ランニングマシンよりも関節への負担が少なくなります。事実、円形の動作が膝を動かし、股関節の曲げ伸ばしの運動効果があります。また、殿筋の動きもランニングマシンより大きく、骨の強度を高めて骨粗鬆症を防止できる、耐荷重トレーニング効果もあります。

角度の調整が可能なエリプティカル・マシンの場合は、様々な脚の筋肉のワークアウトが可能になります。手頃な価格のエリプティカル・マシンでは角度の調整はついていないことがあります。角度調整のあるタイプを選びましょう。エリプティカル・マシンでの消費カロリーは、ランニングマシンと同等です。基本の正しい使い方を解説します。

  • 3分間はウォームアップを行うこと。
  • 30秒間は、できるだけ早く、最大限の負荷をかけること。
  • 90秒の休息中も、ゆっくりと低レジスタンスで動かすこと。
  • 高強度トレーニングと休息を7回以上繰り返すこと。(まだ始めたばかりであれば、体力にもよりますが、高強度インターバルトレーニングは、出来て 23 セットくらい。体力を付けながら、回数を増やし、20分で8回を目指すこと。)
  • 後半の数分間は、強度を50-80%に落としてクールダウンしていくこと。

適度な運動量とは?

適度な運動量を考慮する際には、強度と時間が重要です。少なすぎるとあまり効果は得られません。多すぎると、害になります。心臓も含め、筋肉は運動するように出来ていますし、運動することで強くなりますが、短時間で行い、 間を開ける 必要があります。心臓については、このことが特にあてはまります。最新の New York Times の記事で、運動によって最も健康効果、長寿効果が得られるポイントである「ゴルディロックスゾーン」の存在について取り上げられています。

2件の大規模な研究によると、寿命を延ばす効果が最も高い運動時間は、中程度の運動を1週間に150-450分と言われてます。14年間の追跡期間中、1週間に150分運動した場合は、運動しない人に比べて死亡率が31%低いことがわかりました。450分運動した人では、若年死のリスクが39%低くなりました。

それ以上の時間では、健康効果は減っていっています。強度については、高い強度の運動を毎週した人では、寿命がさらに延びる効果がありました。エリプティカル・マシン、バイク、ランニングマシンでのHIITエクササイズの他に、 スーパースロー筋肉トレーニング も考慮に入れていただきたい高強度トレーニングの一つです。

関節炎などのトラブルがある人は、体を動かすようにしましょう

膝の関節炎はとても多いトラブルで、悪化するのを恐れて、運動をしなくなる人が多いのが特徴です。面白いことに、その反対が正しいのです。運動をすれば、この症状をコントロールし、可動性を維持することが出来ます。舗装した道路での運動はお勧めできませんので、ランニングマシンや、さらにいいのはエリプティカル・マシンになります。 New York Timesの最新記事でも報告されています。

関節炎のある男女2,000人に対する"10年間の追跡調査で Jungwha Lee氏と研究チームにより、国が定める週に中程度の身体活動を150分行うというガイドラインを満たした人は10%もいなかったことがわかりました。しかし、身体活動を増やすと、症状が改善され機能の障害が軽減したのです。

Pamela A. Semanik氏、Lee医師と研究チームによる研究では 、関節炎のある人が座る時間の多い生活をおくると2年後の症状の進行度合いが高くなると報告されています。『症状が悪化する一方でした。』彼女は答えています。痛みがあると、人は動くことを控えてしまいます。しかし、活動的に過ごすことが、老化による身体機能の低下を防ぐのです。座っているよりかは、どんな活動でもましです。毎日の生活で体を動かしましょう。」

Semanik氏は身体活動についてのもう一点の重要事項である、 日常動作についても触れています。座っていることが多いとそれだけで若年氏のリスクとなります。解決法は、一日中できるだけ体を動かすことです。1日全体で座っている時間を3時間程度にすると良いでしょう。

 ウォーキング を増やすこともお勧めします。普段のエクササイズにプラスしてください。歩数計を手に入れて、1日に7,000-10,000歩を目指しましょう。屋外のウォーキングがベストですが、ランニングマシンでも、天気の悪い日など、毎日の日課をこなすには適しています。