Dr. Mercolaより
若者が自らの命を絶つほどに絶望し、事態が改善するという希望が持てなくなっているということは、非常に心が痛むばかりです。我が子を自殺という形でなくしてしまう親の怒りや、そのような家族の数が増えていることを考えると二重の悲劇です。
このような自殺の事例の原因として疑わしいのが次の項目です。自殺の増加に抗うつ薬がどのように影響しているのだろうか。
抗うつ薬、統合失調症治療薬、ADD/ADHDの治療薬を処方される若者が増えているが自殺者数は減るどころか増える傾向にある。このような、現在の不幸な情勢の特徴について述べてみようと思います。
2007現在、自殺は、事故、殺人についで若者(15-24歳)の死因第3位です。つまり、10代の若者の死で自殺が占める割合は、大人の自殺の場合の9倍の割合になると言うことです。
思春期の若者にとって、人間関係は自殺を考えるに至る大きな原因です。性的なアイデンティティは若者にとって最も大きな問題となります。10代の若者にとって、この件に関する周囲の反応は、大きな苦痛であり、不幸にしてゲイバッシングに発展してしまうと、自殺行為に追い込まれてしまう若者もいます。
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)と呼ばれる10代の若者は、ストレートの若者よりも自殺行為に及ぶ確率が高くなります。
30%以上のLGBTの若者が去年一度は自殺を試みたことがあると報告されています。トランスジェンダーの若者の50%以上が20歳の誕生日を迎える前に少なくとも一度自殺未遂を起こしています。
性のアイデンティティに関する皆さんの意見や信条に関係なく、このようなグループに属する人々にさらなる社会的なサポートや共感が必要だと考えます。研究者達が若者の自殺について研究を進めた結果、いくつかの大きな傾向があることがわかっています。
ネットいじめは比較的新しいいじめのタイプで、メディアの注目を集めています。ネットいじめは次の様に定義されています。
「ネットいじめとは、10代の若者が、インターネットや、やり取りが可能なデジタル機器つまり携帯電話などを用いて、苦痛、脅迫、嫌がらせ、屈辱的な行為、辱めなどを受けることである。」
いじめをする側にとっては、ネットいじめの手段はあらゆるものがあり、いじめる側の思うがままです。ネットいじめの被害者、加害者である子供達はどちらも死に至るケースが少なくありません。
最新の世界中の研究37本に関するレビューでは、いじめと自殺のリスクについて調べており、被害者の子供、 加害者、目撃者に至るまで自殺願望が高くなることがわかりました。
電子メディアの利用により、加害者は被害者との距離や匿名性を保ちながら、相手に、立ち直れない程のダメージを与えることが可能です。インターネットに情報を掲載してしまえば、加害者側が後で後悔しても完全に消すことはできません。
残念ながら、周りの人に自殺願望があるかどうかを知る完全な方法はありません。それが我が子であってもです。自殺をする傾向にある若者にこれという特徴はありません。
しかし、気を付けたいサインはあります。疫学の研究で、自殺リスクと関連する事項を特定化しており、内容を知っておくことで、子供が自殺を実行するほど絶望してしまう前に気がつくことができるかもしれません。
American Association of Suicidology(米国自殺学会)やその他の組織によると、10代の自殺のリスク要因には次のようなものがあります。
子供の自殺リスクを知るために気を付けておきたい項目をことにリスト化しました。完全なリストではありませんが、どのような行動に気を配るべきかがわかると思います。自殺を考えている子供に見られがちな行動は次のとおりです。
最後に、一番大事な、なんとなくおかしいという「勘」。心配であれば、専門家に相談しましょう。
抗うつ薬には、毎年2億3千万の処方箋が出されます。アメリカで一番多く処方される薬です。
アメリカでは、ドイツやオランダなどと比較すると 3倍以上の抗うつ剤が子供に処方されています。
うつを放置すると、自殺へと発展していく可能性があります。抗うつ剤は、果たして症状を和らげるのでしょうか。
いいえ、その効果はありません。
研究の結果、抗うつ剤には偽薬と同等、またはそれ以下の効果しかないことがわかっています。2010年1月号のJAMA に掲載された研究によると、SSRI(Prozac、Paxil、Zoloftなどの有名な抗うつ剤)には、軽度から中度のうつへの効果を示すエビデンスが得られなかったと結論づけています。
SSRIの効果は33%で、効果は砂糖の錠剤と同じですが、暴力や自殺願望/行動など、副作用は重篤です。2009年神経科学カンファレンスで発表された研究でも同様の報告がなされています。
抗うつ剤により、うつが症状が一時的な疾患と言うよりは、慢性化しはじめているようです。うつ症状のある子供や思春期の若者に抗うつ剤を使うことは明らかに正しい答えではありません。それでは、いったい何が良いのでしょうか。
うつの原因ともなり得る否定的な感情をなくためには、感情解放テクニック(EFT)がお勧めです。EFTは大人だけではなく、子供さんによくある様々な問題にも効果があります。例えば、胃痛、おねしょ、ねんざ、恐怖症、人見知り、学習障害、多動、睡眠障害、ストレスの管理、うつなどです。
EFTを利用して「気持ちのお手入れ」をする方法を子供に教えれば、生涯役に立つことでしょう。問題が起こる前に始めるのがベストです。
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