Dr. Mercolaより
野菜には健康に良い効果が様々ありますが、特に病気予防効果の高い野菜がいくつかあります。ブロッコリーもその一つで、その効果に関する研究が進められてきました。
研究によると、アブラナ科の野菜(芽キャベツ、キャベツ、カリフラワーなど)には次の様な病気のリスクを低減させる効果があることがわかっています。
ブロッコリーを食べると、全身お健康に良いあらゆる栄養素を取り入れることができます。こちらに紹介しましょう。
スルホラファンは、大腸ガン、前立腺ガン、乳ガン、喫煙による肺ガンのガン細胞をアポトーシス(細胞死)に導くことを示す研究報告がある。週3回ブロッコリーを食べると前立腺ガンのリスクが60%以上低下する。
スルホラファンは、血管を守る酵素の産生を促し、活性酸素種 (ROS)と呼ばれる細胞に損傷を与える分子の数を最大73%減少させる。
スルホラファンには、免疫活性と抗炎症作用の両方が見られる。
スルホラファンは、テストステロンを増加させ、体脂肪の貯蔵を抑制し、発ガン性物質を排除し、関節を弱くする酵素を阻害し、運動時の筋肉の損傷を和らげる。
加熱時に、ミロシナーゼ(グルコラファニンをスルホラファンに変換する)という酵素が失われていくので、冷凍ブロッコリーではスルホラファンの効果は弱くなる。
フェノール化合物が病気の進行を抑制できるのは、アテローム性動脈硬化症やパーキンソン病などの神経変成疾患との関連が報告されているROSを除去するなど感染を防ぐ作用によるものである。
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)とは、アルコールの摂取が無いにも係わらず肝臓に脂肪が過剰蓄積した状態で、アメリカ人では子供を含む25%が罹患しています。
炭酸飲料やジュース類に含まれるフルクトースなど、正味の炭水化物量が過剰であることが、非アルコール性脂肪肝の原因の一つであると考えられ、放置すると、肝細胞癌(肝臓ガン)のリスクが高まります。
他の糖分と異なり、フルクトースはほぼ全量が肝臓に蓄積され、過剰摂取すると、肝臓にアルコールやその他の有害物質と同様のダメージを与えます。
2015年の研究では次の様に報告されています。「炭水化物は体内に入ると、脂肪分より非アルコール性脂肪肝の直接的な原因となります。」
脂肪を形成し、炎症を悪化させるフルクトースの作用は、一時的なATP(化学物質に蓄えられているエネルギー)不足によるものであるとしています。この結果、細胞の酸化を促進する尿酸が作られます。
今年初めに発表された動物実験では、ブロッコリーを長期摂取すると、肝臓内の中性脂肪が減り、典型的なアメリカ人の食生活が原因となる脂肪肝や肝臓ガンの発症を抑えることが期待されます。
ブロッコリーの味(香り)が苦手なら、代わりにスプラウトがお勧めです。ブロッコリーの新芽は、栄養面では成株よりも優れています。大量に摂取しなくてもスルホラファンなどの有効成分による臨床効果を得ることができます。
ある調査によると、少量のスプラウトのエキスで発ガン性物質による 乳房腫瘍のサイズが減少したことがわかっています。
Johns Hopkins Universityの研究チームは次の様に報告しています。
「発芽3日目のブロッコリースプラウトは、成株の20-50倍の化学保護物質を含んでおり、ガンのリスクを低減させる物質を食事から簡単に摂取できる方法として期待できる。」
既に紹介した利点の他にも、ブロッコリースプラウトには、必須脂肪酸や食物繊維が含まれ、一緒に食べる食品に含まれるタンパク質やミネラルの吸収を促進する効果もあります 。もう一点、調理の必要が無いのも利点です。
サラダに加えて生のままで食べられますので、健康面でも手軽さでも優れています。自宅でも簡単に栽培できるので費用もかかりません。
親化合物の含有量から考えると、ブロッコリーの成株を生で食べた場合に摂取できるスルホラファンの量は12%という計算になります。ブロッコリーの抗ガン作用を最大限引き出すためには調理法が重要です。
インタビュー動画に登場するのは、Elizabeth Jeffery博士(イリノイ大学食品栄養学部/研究員/教授)です。ブロッコリーは数分蒸すと理想的な効果が得られ、5分を超えない方が良いという研究について語っておられます。
ブロッコリーは3-4分蒸した時が最もスルホラファンの効果が高くなります。エピチオ特定化タンパク質(熱に弱い硫黄に結合するタンパク質でスルホラファンの活性を弱める)を減らし、グルコラファニンをスルホラファンに変換する酵素であるミロシナーゼを保持した状態にできるためです。この酵素がなければ、スルホラファンを得ることができません。
ブロッコリーは1分以上茹でたり、電子レンジ調理しないでください。ミロシナーゼのほとんどが失われてしまいます。茹でる場合は、20-30秒くらい熱湯にくぐらせたら冷水に浸して余熱による茹で過ぎを防ぎましょう。
ミロシナーゼを多く含む食品と合わせるとスルホラファンの量を増やすことができます。American Institute for Cancer Research (米国がん研究機構、AICR)は次のように発表しています。
「参加者の一部は、ミロシナーゼを追加せずにブロッコリーを摂取した。他の参加者は、ミロシナーゼを含む別の食品を一緒に摂取したところ、ブロッコリーのみを摂取した参加者よりも血液中/尿中のスルホラファンの濃度が大幅に増加していた。
ミロシナーゼを含む食品をご紹介しましょう。
2013年に実施された粒マスタード(回復力の強い型のミロシナーゼを含むとされる)に関する研究では、粒マスタードを使うと、茹でたブロッコリーでもスルホラファンへの変換を促進することが確認されています。研究著者は次の様に報告しています。
「ブロッコリーを熱湯で茹でると、ミロシナーゼの活性が落ちるためスルホラファンへの変換が行われません。しかし、茹でたブロッコリーに粒マスタードの粉末を加えるとスルホラファンの生成が増加しました。」
蒸すか、ごく短時間茹でるのでなければ、ミロシナーゼを含む食品との組合せが特に重要です。例えば、冷凍のブロッコリーは、製造工程で茹でているので、ほとんどミロシナーゼが含まれません。
さらに茹でたり電子レンジ調理したりするとスルホラファンがさらに失われてしまいます。冷凍ブロッコリーにはミロシナーゼを含む食品を合わせましょう(上述のリストをご覧ください)。
ブロッコリーには素晴らしい効能があります。ブロッコリーやスプラウトを定期的に食事に取り入れる価値が十分にあります。食事にブロッコリーを含むと次のような効果が期待できます。
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する