Dr. Mercolaより
治療効果が得られる濃度のビタミンDを含む天然の食品はもちろん、栄養添加食品でも健康のために必要な量のビタミンDは得られません。
ビタミンと呼ばれてはいますが、ビタミンDは他のビタミンとはちがいます。実は、食事からではなく、日光からしか得られないステロイドホルモンなのです。
2000年以前は、診断時にビタミンD 不足を疑う医者はほとんどいませんでした。
ビタミンDの測定技術の発達により、検査が安価に受けやすくなり、研究数も増加したことで、これだけビタミンD不足が 広まっていることがわかったのです。ビタミンD研究の著名な研究者であるMichael Holick医師はこう話しています。
ビタミンD不足は、日焼け対策をしている(ビタミンDの産生を阻害する)、屋外での活動が少ない、全年齢の成人に広がっていると研究者グループは述べています。皮膚の色素が多い人(アフリカ系、中東系、インド系の人々)や高齢者もリスクが高いとされています。
高齢者の95%がビタミンD不足であり、その原因は、室内で過ごすことが多いことや日光を浴びても反応が弱い(70歳以上の人は若い人よりも日光を浴びて産生できるビタミンD量が30%少ない)などが上げられます。
ビタミンDが不足しているかどうかを 正確に知るには、血液検査が有効です。また、ビタミンD不足は、兆候や症状でもわかります。次の項目に該当する場合、ビタミンD濃度の検査を早めに受けることをお勧めします。
1. 肌色が濃い人 — アフリカ系アメリカ人の人は、肌色が濃いため、ビタミンD不足のリスクが 高い傾向にあります。同じ量のビタミンDを産生するには、肌色が明るい人に比べて 10倍 日光を浴びる必要があります。
2. 気分が落ち込む — セロトニンは、気分を幸福にする脳内ホルモンで、明るい光に反応して分泌が増え、日光を浴びないと減っていきます。2006年の研究で、80人の高齢者についてビタミンDの効果を調べたところ、体内ビタミンD濃度が低い人では、普通の人に比べて、うつの症状が出るリスクが11倍以上高いことがわかっています。
3. 50歳以上である — 上述のとおり、年をとると日光に反応して産生されるビタミンD量が減ります。同時に、ビタミンDを体内で使いやすい形に変換する腎臓の働きも悪くなります。 さらに、年齢が高いほど室内で過ごすことが多くなるのです。
4. 太り気味、または肥満(または筋肉質) — ビタミンDは脂溶性のホルモン様の成分で、体脂肪中に吸収されます。太り気味、または肥満の人は、痩せている人よりも 多く ビタミンDが必要です。 筋肉量が多く体重が重い人もこれに該当します。
5. 骨の痛み — Holick医師によると、痛みを訴えて病院を訪れる人々、特に疲れを伴う場合、線維筋痛症や慢性疲労と診断されることが良くあります。
「これらの多くの症状は、ビタミンD不足からくる骨軟化症に多い症状です。成人の骨粗鬆症の原因となるビタミンD不足とは異なります。」と医師は述べています。「ビタミンD不足により、骨を形成するコラーゲンのマトリクスにカルシウムが沈着しきれないために発生します。その結果、うずくような骨の痛みが起こります。」
6. 頭部に汗が多い — Holick医師によると、ビタミンD不足に良くある兆候は、頭部の汗だといいます。事実、新生児が頭部に汗をかいていないかを確認していた時代がありましたが、それは、ビタミンD不足の確認のためです。新生児での過剰な発汗は神経筋への刺激によるもので、これもまた、ビタミンD不足の初期症状として知られています。
7. 内臓の調子が悪い — さらに、ビタミンDは脂溶性なので、脂肪の吸収が悪くなるような胃腸の病気がある場合は、脂溶性ビタミンの吸収が妨げられてしまいます。たとえば、クローン病、セリアック病、セリアック病以外のグルテン過敏症、炎症性腸疾患などが挙げられます。
人口全体でビタミンD3の濃度が上がると、世界で年間100万人以上の慢性病による死者が減ると研究者は指摘しています。あらゆる種類の ガン の症例も半分ほどに減る可能性があります。
ビタミンDは、バクテリアやウィルスを攻撃、破壊する免疫系の働きに影響する遺伝子の発現を制御し、風邪、インフルエンザなどの感染にも対抗します。ビタミンD濃度の調整すると次の疾患の予防効果があります。
ビタミンDについては、「平均」、「通常」の量ではなく、「最適」な量の摂取が求められます。年月と共に、研究者達が発表する最適な量が上昇してているためです。
現在は、日常的に適度に日光を浴びている健康体の人口についての評価から、適正値は50-70 ng/mlとされています。
ビタミンDの濃度を適正値に調整する 方法 は、日光を適度に浴びることが最も良いと考えます。実際、私自身も、もう3-4年はビタミンDのサプリメントを摂っていませんが、体内濃度を70 ng/mlに保っています。
日光を浴びる時間数は、次に示す要素で変動します。
抗酸化物質の体内濃度と日頃の食生活
年齢
肌の色および/または現在の日焼けの状態
日焼け止めの使用歴
経度/緯度
天候(雲)や大気汚染の状況
オゾン層の状態
反射
季節
時刻
体重
様々な理由で、十分な日光が浴びられない場合、安全性の高い日焼けマシンを使うのも一つの方法です。一般的な日焼けマシンは、磁気式安定器で光を発生させます。この磁気式安定器は、ガンの原因ともなり得る 電磁場(EMF) を発生させます。
「ジー」という音がうるさいようなら、その日焼けマシンは磁気式安定器が使われた製品です。このような種類の日焼けマシンはできるだけ 避けて 電子式安定器のマシンを使うようにしてください。
日光も、日焼けマシンも難しい場合に検討して欲しいのは、ビタミンDのサプリメントです。ビタミンDのサプリメントを使う場合は、食事やサプリメントで ビタミンK2 を摂取することも忘れないでください。
太陽光を浴びる場合は、ビタミンKはさほど重要ではないのですが、食事でビタミンK2をしっかり摂れるようにしましょう。
ビタミンDの値が正常範囲かどうか、どのような方法で判断したら良いでしょうか。紫外線への暴露や、ビタミンD3のサプリメントなどの諸条件により、体内濃度は一定ではないため、 血中のビタミンD濃度を半年おきに測定してもらいましょう。検査は25(OH)Dや、25ヒドロキシビタミンDと呼ばれるもので、どの病院でも検査は可能です。
ビタミンDの体内濃度の測定は重要な検査の一つです。まだ測定したことがない方はすぐにどうぞ。どれだけ強くお伝えしても、まだ十分ではないと感じます。
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する