Dr. Mercolaより
2015年3月、37歳でこの世を去ったKalanithi氏は、末期ガンを抱えた生活の「奇妙な相対性」や、自分自身に対する考え方や時間の捉え方がどのように変化したかについての感動の記録を著書にしたためました。彼の書いた一節をご紹介しましょう。
「動詞の活用は混乱を極めた。正しいのはどっちだ?『私は神経外科医です。』、それとも『私は神経外科医でした。』、はたまた『神経外科医をしてた時もありまして、またそうなる予定です』。Graham Greeneは、人生というものは最初の20年で生き終えており、残りは思い返す期間だと感じていたらしい。 自分はいったいどの時制に生きていたのだろうか。Greeneの物語に出てくる燃え尽きた登場人物のように、私は現在時制から過去完了の世界へ足を踏み入れたのだろうか。未来時制は空虚に見えた。他人の口から出てくる耳障りなだけの音だった。つい最近、大学卒業15周年の同窓会に参加した。別れ際に「また25周年で会おう!」なんてみんなは言ったが、「たぶん無理だ。」と答えた。少々無礼だったかもしれないな。
「動詞の活用は混乱を極めた。正しいのはどっちだ?『私は神経外科医です。』、それとも『私は神経外科医でした。』、はたまた『神経外科医をしてた時もありまして、またそうなる予定です』。Graham Greeneは、人生というものは最初の20年で生き終えており、残りは思い返す期間だと感じていたらしい。
自分はいったいどの時制に生きていたのだろうか。Greeneの物語に出てくる燃え尽きた登場人物のように、私は現在時制から過去完了の世界へ足を踏み入れたのだろうか。未来時制は空虚に見えた。他人の口から出てくる耳障りなだけの音だった。つい最近、大学卒業15周年の同窓会に参加した。別れ際に「また25周年で会おう!」なんてみんなは言ったが、「たぶん無理だ。」と答えた。少々無礼だったかもしれないな。
余命がどのくらいなのか(誰にも答えの出せない質問)などの様々な質問の合間に、Kalanithi氏は幼い我が娘について語っています。彼女の成長を見届けることはできないことを知り、人生を終えようとする日々に娘がどれだけの喜びであったかを伝えています。「人生で初めて感じ得た喜び、次から次に求めなくても穏やかに満たされる喜び」であったと。
Kalanithi氏の物語は多くの人の心の琴線に触れました。読んで立ち止まらざるを得ない感覚に襲われます。今すぐ生き方を変えなければと心の底から思うはずです。彼は言います。「日々は長く、行き交う年は短い」
今この記事を読んでいる方の中にも、慢性の病気と闘っている人がいるかもしれません。または、身近な人が病気に苦しんでいたり、健康体でも、それが当たり前のことではないと強く感じているかもしれません。
Kalanithi氏の場合、彼のガンは特殊な遺伝子の突然変異によるものだったことがわかっています。多くの場合、原因はわからないままです。わかっていることは、細胞膜のそれぞれに受容体があり、環境からの信号を受け取っていきます。この情報が細胞内の遺伝子へと読み取られていくのです。
細胞は、環境が発する信号に応じて遺伝子の持つ設計図を読み取るか読み取らないかを選びます。ガンのプログラムをDNAに持っていても自動的にガンになる訳ではないのです。むしろその逆です。遺伝子の情報は発現すらしない場合もあるのです。
最新の技術、医療の進歩をもってしても、末期ガンによって本来の寿命より早くこの世を去る人が多くいます。現在の医療の範例ではガンの原因についても、適切な治療法についても、何もわかっていません。
2015年、アメリカでは1600万人の新しいガンの症例が診断され、そのうち60万人が死に至るであろうと予測されています。さらに、生きている内にガンを発症し、死亡するリスクが非常に高いこともわかっています。
ガンの原因は様々です。例えば、口内のバクテリア、ウィルス、環境化学物質、放射線などが考えられます。2010年には、エジプトのミイラや古代ギリシャの人体や動物に関する医学研究が恐竜時代まで遡ることを示す文献証拠について研究を行いました。
世界保健機関(WHO)が発行する、2014年のWorld Cancer Report(世界がん報告書)では、全世界のガンの罹患率は、今後20年で57%上昇すると報告されています。
この予測は「人類にとって緊迫した危機」であると報告書は言及しており、多くの国で、治療よりも予防に焦点を向けるべきであるとしています。
死亡率の他にも、ガン治療に必要な医療費の問題もあります。報告書によると、全世界のガン治療にかかる費用は2010年で1兆1600億ドルと見積もられています。また、全てのガン症例の半分が予防可能で、現代医学の知識で適切な時期に対処していれば避けることができたと言うことも報告されています。推進していくことが望ましい予防効果の高い生活習慣は次のとおりです。
糖分はガンの餌になるという昔からの表現は嘘ではありません。ある研究によると、炭酸飲料や糖分の多い飲み物を飲む年配の女性では、子宮内膜ガンのリスクが増加することがわかっています。エストロゲン依存し、子宮の表面の膜にできるガンです。
過去の研究でも、食事に含まれるフルクトースはガンの成長を促進させることがわかっています。次に具体例をご紹介しましょう。
2010年には研究者グループは、フルクトースはガン細胞の増殖に用いられやすいという所見を発表しました。ガン細胞はグルコースにはそのような反応を示しません。この例では、使用されたガン細胞は膵臓ガンの細胞でした。膵臓ガンは最も死亡率の高い、進行も急激なガンです。
腫瘍細胞が糖分(グルコース)で増殖することがわかりました。しかし、細胞分割ではフルクトースが使われ、細胞の成長を速め、ガンを増殖させます。この差は、大きく結果に表れます。現在ガンの治療中の方、これから予防対策をしたい方で,フルクトースを含む食品や飲み物を控えようとしている場合は、詳しい検討が必要です。
運動はガンの予防にも治療にも重要な要素となり得ることを示すたくさんのエビデンスが見つかっています。研究によると、ガンの再発が抑えられることもわかっており、いいことずくめです。驚くまでもなく、腫瘍学の専門医達は、日常的な活動として運動をするようにと患者に告げることはありません。また患者さんの多くが運動をしたがりませんし、医師と運動について話し合うと言うこともありません。
研究によると、乳ガンと大腸ガンの患者で定期的に運動をしている場合、運動をしない患者に比べ再発率が半分であることがわかっています。Macmillan Cancer Supportによると、運動は、次に示す従来のガン治療の副作用を和らげる作用があると言われています。
ガンを予防する、現在ガンである場合、糖分は絶対に避けましょう。特にフルクトースはガンの餌となり細胞の増殖を促すので避けてください。フルクトースの量は1日に25 gまで(果物も含む)です。
発酵野菜などをはじめとする発酵食品を日常的に摂ると、ガン予防や回復を速める効果がある。良質なプロバイオティクスのサプリメントと、発酵食品を食事に取り入れると良い。
研究者グループやガン研究団体は、ガンのリスクを減らしたり、ガン治療により良い結果をもたらすために、定期的な運動を強く勧めています。研究により、運動がガン細胞をアポトーシス(細胞死)に導くことがわかっています。 バランス運動、筋肉トレーニング、柔軟運動、高強度インターバルトレーニング(HIIT)などが理想的です。運動を始めるきっかけが必要ならPeak Fitnessプログラムをご覧ください。
ガンの治療中で、ビタミンDのサプリメントを摂る場合は、血液検査で血中濃度を管理してください。ビタミンK2が不足するとビタミンD中毒になりますのでビタミンK2も忘れずに摂取しましょう。
ガン治療における最も基本的な対策は、ガン細胞の餌を絶ってしまうことです。炭水化物や脂肪を燃やすことができる体細胞と異なり、ガン細胞は代謝の面で柔軟性を失っています。このことを発見したOtto Warburg医師は、75年も前にノーベル賞を受賞していますが、この情報を治療に生かしている腫瘍学者がいないのが現実です。
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