Dr. Mercolaより
Appleは最新機種であるiPhone 7を発表。さらに薄型のボディに、防水機能が強化され、音声品質も向上、標準ヘッドフォンジャックはありません。
世界保健機関(WHO)は、携帯電話使用時の無線周波(RF)や電磁場(EMF)がヒトに発がん性を示す可能性があり、「悪性 脳腫瘍の一種グリオーマのリスクを増加させる」と分類しました。これは2011年に報告された内容です。
Apple社の法的事項を記載したページには、 「無線周波(RF)への暴露を減らすために、スピーカーフォンや付属ヘッドフォンなどのハンズフリー機能を使うこと。
高周波が基準値より高くなることがあるので携帯電話は身体から5 mm以上離して使うこと。」という注意書きがあります。
しかし、新型のワイヤレスのAirPod(最新のアクセサリ)では、電波の送受信器を耳の中にいれて使うことになります。
この製品の問題点は、ワイヤレスヘッドフォンで携帯電話と頭部の距離は遠くなるが、無線周波を出す装置を単に別の物に交換したにすぎない点である、とCNNは報じています。
「携帯電話、Bluetoothヘッドフォン、ルーターなどワイヤレス機器の無線周波は、非電離放射線です。これらの機器は、X線などの電離放射線を放出する機器ほどの危険性はありませんが、慎重な態度を示す専門家が多くいます。」
The National Toxicology Program (NTP、米国国家毒性プログラム)は、2年計画で実施してきた携帯電話使用の危険性について過去最大規模で詳細な研究を完了しました。無線周波や電磁波への暴露は、ラットやマウスにおいて脳腫瘍の発症を増加させ、その影響はヒトにも見られることをScientific Americanが記事にしました。
コロラド大学Excel Science Center長であり生化学者のJerry Phillips氏は、無線周波が生体の組織と相互反応することを示す追跡記事を発表しています。子供や妊娠中の女性は特に影響を受けやすいとされています。
「これまでは、ハンドセットから出る電力は少なく、熱が発生することもないので、生物、つまり利用者に対しても影響は少ないだろうと考えられてきました。」
ロサンゼルスのCedars-Sinai Medical Center神経外科部長であるKeith Black医師は、携帯電話利用の最も大きな問題点は、機器への暴露による環境や人体への影響が完全に判明するまでに最低でも数世代を要する点であると述べています。 2014年現在、携帯機器の数は人間の数を超えています。
当時の記録によると、72億台です。専門家は、2017年の携帯電話の収益は770億ドルに達すると予測しています。アメリカでも成人の2/3が携帯電話を所有しています。 心配する必要は無いと述べる「専門家?」もいますが、それは携帯電話の発熱や無線周波の吸収のみしか考えていないためです。製造業界も、比吸収率(SAR)の測定結果からも、組織を危険なほどに熱するまでのエネルギーはなく、生物に対する携帯電話による影響はないと保証しています。
携帯電話を買う時には、せめて比吸収率(SAR)の低い製品にすると良いかもしれません。比吸収率(SAR)の格付けは、頭部への熱の放射のみが対象となっているため、無意味とも考えられます。携帯電話の電池から発生する周波、信号変調、電磁界が考慮されていません。
携帯電話をシャツやジーンズのポケットに入れたり、帽子やベルトに挟んでいる場合はどうなるのでしょう。新型のApple 7製品や、ユーザーへの影響の恐れ について、Black氏はCNNのレポートを引用して述べています。
「マイクロ波放射とは、簡単に言えば、基本的に、脳みそを電子レンジで調理しているのと同じことです。 つまり、ガン、腫瘍だけで無く、認知機能への影響なども考えられます。携帯電話を耳に当てた時、すぐそばに記憶に関係する側頭葉があるのですから。」
「マイクロ波放射とは、簡単に言えば、基本的に、脳みそを電子レンジで調理しているのと同じことです。
つまり、ガン、腫瘍だけで無く、認知機能への影響なども考えられます。携帯電話を耳に当てた時、すぐそばに記憶に関係する側頭葉があるのですから。」
ワイヤレス産業では、FMラジオや電子レンジから出る放射線を「非電離放射線」と呼んでいます。携帯電話を使う、メールする、データにアクセスするなどの動作で、携帯電話のアンテナから出た無線周波信号が、最寄りの中継局で受信され、信号は再び携帯電話に返ってきます。
耳元に携帯電話を持つヒトがほとんどですから、アンテナから出るエネルギーの70%を直接頭部に受けていることになります。
携帯電話はなるべく体から離しておいてください。特に電話の呼び出しを初めてすぐは多くのエネルギーが使われていますのでできるだけスピーカーフォンや、安全なヘッドセットを使いましょう。
携帯電話の製造業者は、なぜこのことを知らせないのかと思うことでしょう。残念で腹立たしいのですが、携帯電話を使用しても人体への影響はないという結果を出している研究の75%は、軍関係か、ワイヤレス産業が資金提供しているのです。
独立団体が行った同様の研究のうち67%は、ワイヤレス産業との関連がない研究でした。ちなみに、この産業によって動く金額は、約1710億ドルです。
U.S. Department of Health and Human Services(HHS、アメリカ合衆国保健福祉省)は、5月に携帯電話の電磁波の危険性についてマウス/ラット実験結果をまとめた「部分報告書」を発表しました。結果は査読され、2017年中に査読結果が発表されます。これに対するCNNの反応は次のとおりです。
「CNNは通常は動物実験の結果を報じることはありません。動物実験の結果はヒトに該当しないことも多いためです。 しかし、オスのマウスに発生したレアケースで進行の早い悪性腫瘍は、長期間携帯電話を使用した場合のヒトに関する疫学的研究で発見された腫瘍と全く同じでした。」
CNNは、Environmental Health Trust(環境健康トラスト)代表、エルサレムHebrew University客員教授のDevra Davis医師の言葉を引用しています。
「部分報告書が出された理由は、この結果が非常に例外的であることを研究責任者が認識したためと考えられます。National Toxicology Program (NTP、米国国家毒性プログラム)において、これまでにこのような結果が出た物質は思い当たりません。」
米国食品医薬品局(FDA)は、携帯電話の使用による無線周波の暴露のリスクがあるとしても(現時点では判明していない)、影響は小さいであろうと考えています。心配であれば、携帯電話を使う時間を減らし、スピーカーフォン機能を使ったり有線のヘッドセットを使うようにしましょう。Davis氏はさらに述べています。
「現在、市場に出回っている携帯電話には、精密な加速度計が組み込まれており、電話を頭部に近づけると、電力利用を低くしてバッテリーの消費を抑えると共に脳や身体への無線周波の放出を抑える機能があります。つまり、直接の露出は人体に悪影響があり、減らすべきと、私は理解しています。」
CNNによると、Cellular Telecommunications Industry Association (CTIA、携帯通信事業者団体)は、無線周波エネルギーが携帯ユーザーに悪影響を与えるという考え方自体に強く反論を示しています。
ワイヤレス産業は、「アメリカをはじめ多くの国で、大人/子供を問わずワイヤレス機器による公衆衛生リスクは無いことを示す査読付きのエビデンスがあり、科学的な合意も得られている」との姿勢を崩していません。
さらに、心配であれば、ハンズフリー機能を使って身体と装置を離したり、利用時間を減らすなどの対処を推奨しています。
National Institute of Environmental Health Sciences(国立環境衛生科学研究所)は、全身に携帯電話からの放射線を浴びると脳や心臓のガンを発症する可能性があることを示すマウス実験の研究結果を提出しました。
また、症例対照研究の統合解析において、Oncology Reports誌は、携帯電話やコードレスフォンのヘビーユーザーで、脳腫瘍リスクが増加することを発見しました。
別の研究では、電磁波への暴露は生殖機能、細胞の恒常性、内分泌機能、胎児の発達(動物)、さらには 胎芽の発達や妊娠成立などに影響すると結論づけられています。
動物実験では、生殖機能への悪影響は、頻度、電波強度、暴露期間によって変動することがわかっています。
また、その研究のタイトルからもそのことが良くわかります。タイトルは、「電磁界による免疫系の乱れ — 疾患や障害につながる細胞損傷や組織の修復機能不全を起こす可能性」です。この研究の結論は、「既存の無線周波への暴露の制限では公衆衛生上不十分である」というものです。
Federal Communications Commission(FCC、連邦通信委員会)は、電子レンジに関する興味深い話を発表しています。
「業界の多くのスポークスマンが、一連の暴露のリスクの有無について『良くわかっていない』、また、そのようなリスクに関するエビデンスが『不十分』『不完全』であるとか、そのようなリスクについて『科学的な同意がない』などと述べています。これはつまり、この問題に関する科学的データが少ないと述べているようです。しかし実際は、低量の無線周波への暴露で生物に悪影響があるという多くの研究報告が存在します。」
2012年のBioMed Centralの発表も興味深い物でした。1953-1978年の期間に、在ロシア米国領事館に、近隣ビルの屋根に設置されたマイクロ波発生装置からマイクロ波が放出されていたと言うのです。
FCCによると、ロシアの医療研究者グループは、マイクロ波による症状として、頭痛、疲労感、めまい、心血管異常、睡眠障害、うつ、いらいら、記憶障害などを挙げていました。
「マイクロ波を浴びた領事館員は、うつ、いらいら、集中力不足、記憶障害、耳の症状、皮膚の症状、血管の症状やその他の諸症状など、統計上有意な増加が見られました。暴露期間が長いほど症状の発症も増加することがわかっています。」
最終的に、Johns Hopkins Universityの疫学者であるA.M. Lilienfield医師を筆頭研究者として、どのような症状が起こっているか調査が行われることになりました。
「この研究が示した異常性はアメリカ政府にとっては恥ずべき内容でした。領事館員の暴露のレベルは、アメリカが定めるマイクロ波暴露基準を大幅に下回っていたのです。この研究の結論は、異常な発見を目立たないようにするために改ざんされた可能性があります。」
2001年に、スペインはLa Ñoraという人口1,900人の街に、GSM(汎欧州デジタル移動電話方式)の電波塔が建ちました。その後の住民アンケートによると、「RF症候群」、「マイクロ波病」と呼ばれる症状が25件報告されています。
具体的な症状は、いらいら、吐き気、疲労感、めまいなどです。ノルウェーでも1998年に、フランスでは2002年に、エジプトのShebeen El-Komという街では、携帯電話の電波塔周辺の人口密集地域で同様の問題が起こっています。オーストラリア、キプロス、ババリア地方も例外ではありません。
携帯電話ユーザーは少なくとも、次の項目に注意してください。携帯電話を身につけないこと。シャツのポケットに入れたり、手に持ったまま歩いたり運転をしないこと。有線のベビーモニターを使わない。子供を電波を出している携帯電話の側で遊ばせない。生物学的影響があることが証明されています。
有線のヘッドセットを使って、電話機をなるべく頭から離して使うこと。固定電話があればそちらを使うこと。Phillips氏は、何に気を付けたらいいのかという質問に次の様に答えています。
「このテーマについて行われた調査はすべて海外のものです。技術は安全だと信じたいかもしれません。私もそうです。安全だと思えればいいのですが、それは無理だと言うこともわかっています。」
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