Dr. Mercolaより
藍藻類の一種であるスピルリナは、タンパク質、ビタミン、抗酸化物質および他の栄養素が濃縮された大変優秀な食品です。地球上で最古の生命体の一つであるスピルリナが食料源として利用されたのは、9世紀のチャドにさかのぼります。また、16世紀のメキシコにて、アステカ人によって使用されたとも言われています。
単細胞生物の一種であるスピルリナは、バネのような形をしていることから、名前をラテン語の「らせん」あるいは「スパイラル」に由来するものとなっています。スピルリナは、主にサプリメントや、スムージーや野菜ドリンクに追加するといった用途が知られています。しかし、一部の国では、スピルリナは栄養不良を防ぐための貴重な食料源とされています。
スピルリナは、「藍藻」の種類として記載されていることが多いですが、正確には、シアノバクテリアの一種です。シアノバクテリアは、細胞核を持たず、遺伝物質が核膜で隔てられていないことから、バクテリアに分類されます。他のバクテリアと違う点は、葉緑素を持ち、植物や藻類と同様、太陽をエネルギー源としている点です。
スピルリナの特徴の一つは、タンパク質の豊富な含有量にあり、重さにして50-70%(赤身肉の27%より多い)のタンパク質が含まれています。また、必須アミノ酸を全て含んでおり、非必須アミノ酸においても12種類中10種類、さらに下記のような強力な効果を持つ栄養分を含んでいます。
さらに、スピルリナには次のような特性もあります。
天然のスピルリナは、メキシコ、アフリカ大陸のアルカリ性の湖で自生していますが、最近では商業目的で世界中で栽培され、収穫されています。スピルリナの量産は、2020年までに220,000トンに到達すると推測されています。現在は日本で最も多く栽培されており、同国で最も多く消費されていますが、近年はインドでの消費も増えてきています。
例えば、Antenna Indiaという企業は、栄養不良のリスクのある子供たちに、スピルリナの「お菓子」を提供し、自助グループの女性たちには低コストでスピルリナを提供、栄養不良に対する認識を広めつつ、販売利益による女性たちの自立を促しています。
ある研究では、スピルリナのサプリメントを週5日、2ヶ月間与えられた子供たちは、与えられていない子供にくらべ、栄養状態が良く、知能面でも発達が見られたことがわかりました。
スピルリナは、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関が、宇宙船内や火星での飛行士の食事としての効果を研究しているほど、栄養が豊富な食品です。
さらに、栄養面だけでなく、スピルリナを栽培する人たちや環境にまで様々な利点をもたらしています。例えば、スピルリナの栽培に必要な水は、他の野菜の10分の1ですみ、しかも通年の収穫が可能です。
スピルリナの健康改善効果は絶大であり、身体のあらゆる部分に良い影響を与えます。例えば、スピルリナは心血管系疾患を患う人や脂質プロフィールを改善したい人、高血圧を抑えたい人、さらに血管の弾力性を高めたい人にまで、あらゆる効果が期待できます。
動物実験の結果から、スピルリナには肝臓を守る作用があることが示唆されています。これは、スピルリナの高い抗酸化作用や、一酸化窒素を合成(放出)する能力によるものです。さらに、抗酸化作用の高い食品3品目(ブルーベリー、ほうれん草およびスピルリナ)に関するある研究では、スピルリナには最も高い神経保護効果があることがわかりました。これは、フリーラジカルを抑え、炎症を軽減させる作用によるものと考えられます。
また、ヒ素中毒からアレルギーまで、多くの症状に効果をもたらすこともわかっています。ある研究では、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、かゆみなどの一般的なアレルギー性鼻炎の諸症状に、スピルリナの効果が見られたという報告がなされています。スピルリナはこの他にも、多くの科学的研究で次のような症状の予防および/または治療での有用性が認められています。
スピルリナは、高用量でも安全性が高く、副作用もほとんど報告されていません。 しかし、栽培水の汚染、栽培方法が適切でない場合は環境中の毒素を蓄積してしまいます。理想的には、汚染のない環境で信頼できる生産者によって栽培されたオーガニックのスピルリナを選びましょう。
スピルリナの服用を始める場合は、病気予防を目的とする場合、推奨用量は成人で一日3,000 mg、子供は500-1,500 mgです。治療効果を求める場合、成人で一日10,000-20,000 mgが必要です。しかし、必須ビタミン、ミネラルの宝庫であることもさることながら、スピルリナのデトックス効果もまた特筆すべきなのです。このような理由から、少量から初めて、個人に合った量に調整してください。身体の反応を確かめながら、量を増やしていきましょう。
重篤な副作用はではないですが、よくある反応をご紹介しておきましょう。
スピルリナに身体を適応させる期間に発生する症状であるため、急激な反応をなるべく少なくするためには、少量から初めてだんだん増やすと良い。中には、スピルリナが体に合わない人もいます。その場合はスピルリナを使うのはやめましょう。代わりに、クロレラにも似たような効果があります。
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