Dr. Mercolaより
体重が気になりますか?簡単な方法で健康的に減量するにはどうすれば良いでしょうか。摂取カロリーより多くカロリー消費すれば良いと思いますよね。もっともらしい説ですが現実はもっとややこしいのです。
脂肪の摂取を減らせば良いという考え方も、実は迷信です。 実際は、減量の邪魔に なってしまいます。
いくら運動をしても、不摂生な食事では、何の効果もないと言うことを知っておいてください。運動だけでは減量効果はあまり得られないことを示す研究報告があります。
運動すると、 より多くの カロリーが消費されることは事実ですが、毎日の運動で数千カロリーもの過剰なカロリーを消費することはできません。
例えば、1本のSnickersと同等のカロリーを消費するには、約8 km歩く必要があります。また、炭酸飲料を毎日1本飲む人が、 太らないように カロリーを消費するには、1日1時間歩く必要があります。
しかし、心配しないでください。いくつかの注意事項を守れば、誰でも体重を減らすことができます。絶対に忘れない、失敗しない減量プランの3つのポイントをご紹介しましょう。
減量するには、高強度インターバルトレーニング(HIIT)とインターミッテントファスティングを組み合わせると最も効果が高いです。
American College of Sports Medicine(アメリカスポーツ医学会)によると、 高強度インターバルトレーニングは、他のトレーニングと比べてカロリーの消費量が6-15%多く、インターミッテントファスティングは、体内の環境がリセットされ、糖分より先に脂肪が燃やされる様になると言われています。
つまり、この組み合わせにより脂肪を効率良く燃やし、代謝機能を最大限に高めることができるのです。
人体の進化の過程には、短時間様々な高強度の活動を行うという動作が含まれていました。この時の活動洋式が遺伝子に残されているのです。祖先の肉体活動を再現するために、私たちは数多くの現代版のオプションをつくりだしています。
例えば、エクササイズバイクやエリプティカル・マシンを使った高強度運動や、筋肉トレーニングに高強度運動要素を取り入れることができます。
減量するには、「食べる量を減らし、運動する。」のが良いとされていますが、これは迷信です。もっともに思えるフレーズですが、これだけでは効果はありません。
全てのカロリーの内容が同じ訳ではないからです。摂取カロリー数が高くても減量することは可能ですし、カロリー数が低くても太ることがあるのです。体重に影響するのは、カロリー 源 であり、カロリー 数 ではありません。Zoe Harcombe氏の著書「 The Obesity Epidemic 」には、この迷信の問題点が総合的にまとめられています。
Robert Lustig博士の研究では、 様々な糖分 (グルコース、フルクトース)から産生されるカロリーは、体内でそれぞれに異なる方法で代謝されることを示しています。
精製 フルクトース の分解は、 アルコールに似ています。エタノールや他の有害物質と同じように肝臓を傷つけ、ミトコンドリアの代謝機能を低下させます。グルコースの代謝ではこのような悪影響はありません。
Lustig博士によると、フルクトースは「同等カロリーでも、代謝的には同等ではない。」と述べています。つまり、 カロリー数が同等 でも、フルクトースまたはグルコース、フルクトースとタンパク質、フルクトースと脂肪では、 代謝の効果がまったく異なるのです。
カロリーを減らす場合は、健康を促進する減らし方と、害になる減らし方があることを知っておいてください。カロリー数だけを減らすために、カロリーの高い脂肪分を減らしたり、人工甘味料を使うような単純なやり方は良くありません。 The New York Timesでも次のように報じられています。
「近年、多くの研究で、高脂肪(トランス脂肪酸を除く)で、糖分や精製炭水化物を減らした食事の方が健康に良いとして、従来の低脂肪食に関する疑問が呈されている。」
低脂肪食では、始めは減量効果があります。ですが、低脂肪食は糖分が多い傾向にあるため、インスリン耐性や、関連する病気の元であり、長期的には健康に害を与えます。
覚えておいていただきたいのは、加工食品には、代謝を妨げ、インスリン抵抗性や肥満の原因となる原料が数々含まれているという点です。これを防ぐ鍵は、リアルフードを食べるのが良いでしょう。下の表で詳細をわかりやすくご紹介しましょう。
集中家畜飼養施設(CAFO)で飼育された食肉は、牧草ではなく遺伝子組み換え作物を飼料としており、 グリホサート に汚染されている他、抗生物質や、成長促進剤なども使用されている。
養殖魚も、魚肉の栄養価を下げる飼料を与えられている。
新鮮な スプラウト類。 自宅でも簡単に栽培できる。様々な種が、発芽させると栄養価が高くなる。
ヒマワリの種が発芽すると、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの含有量は、オーガニック野菜の 30 倍の 栄養価に達する。
健康によい油脂。牧草飼育の家畜の肉、 天然の鮭、ココナッツオイル、オリーブオイル、 アボカド、生のナッツ類、オーガニックの平飼い鶏の卵 の卵黄、牧草飼育牛の牛乳を原料としたバター。
料理には、獣脂、ラードが適している。飽和脂肪酸であり、加熱しても酸化しない。飽和脂肪酸には二重結合がなく酸化しないうえ、危険な アルデヒド やその他の有害な酸化物質を産生しない。
ココナッツオイルも加熱に強いので料理に適している。
飽和脂肪酸は心臓病の元であるとすり込まれてしまっている人が多いのですが、実は科学的な根拠はほとんどありません。反対に、多くの研究でこれは迷信であることを示す 反対の結論 が出ています。飽和脂肪酸は、心臓病の原因にはならないどころか、 実は 脳や免疫系を健康のために必要なのです。
さらに、ビタミンA、D、E、Kなどのビタミンは脂溶性なので、体内に吸収するには、脂肪が欠かせません。また、多くの人が、低脂肪と表示された加工食品に大量の糖分や人工甘味料が含まれていることに気づいていません。
表示を確認しましょう。脂肪が糖分に置き換えられているのがわかります。太る原因は それ です。
朝、昼、夜と、3回の食事は肥満や糖尿病のリスクを増加させることが科学的にも証明されています。定期的に食事をする習慣は、食べ過ぎにつながりますし、代謝の不具合による体重増加や健康状態の悪化を招きます。
我々の祖先は、24時間いつでも食物にありついていた訳ではありません。歴史的にも、人間の身体は、絶食する時間があっても良いようにできているのです。事実、何も食べない時間を作ると、健康に良い効果が多数現れます。
ここ数年、私は、 インターミッテントファスティング をお勧めしています。1日のうち食べても良い時間を6-7時間に限定するものです。理想的には、朝食を抜いて、ランチを1日の始まりの食事とするのが良いでしょう。
朝食抜きではつらく感じる人もいますので、抜くのは朝食 または 夕食で良いとお伝えしています。大切なのは、1日のうちに食べても良い時間帯を6-8時間に収め、寝る前の2-3時間は何も食べないようにすることです。
しかし、ミトコンドリアでエネルギーが産生される方法を考えると(下記参照)、夕食を抜くのはあまりお勧めできません。代替案は、できるだけ早い時間に軽めの夕食にすることです。
寝る直前に食べると健康に良くありません。寝る前の3時間は何も食べないようにしましょう。さらには、寝る前の6時間を何も食べないようにするのが理想的です。
体内でエネルギーが産生される方法にその理由があります。ミトコンドリアは、体内の栄養分を燃焼させてエネルギーへと変換します。
細菌に由来する小器官であるミトコンドリアは、細胞内に存在し、食物の栄養と呼吸によって得た酸素を利用してエネルギーを産生します。細胞内には、100-100,000のミトコンドリアが含まれています。
ミトコンドリアには電子伝達鎖があり、分解した食物から得た電子を呼吸で得た酸素と結合して水に変換します。この工程で、プロトンはミトコンドリア内膜から押し出され、ADP(アデノシン二リン酸)からATP(アデノシン三リン酸)を再合成します。ATPは全身でエネルギーを運搬しています。
このような電子の移動による大きな副作用は電子伝達系から漏れた子が酸素と反応し、フリーラジカルである超酸化物を形成してしまうことです。スーパーオキシドアニオンは、酸素分子が一電子還元されたもので、活性酸素の前駆物質であり、酸化の連鎖反応を媒介します。
このような酸素のフリーラジカルは、細胞膜の脂質、タンパク質の受容体、酵素、DNAを攻撃し、ミトコンドリアを破壊します。
ですが、フリーラジカルには身体に良いものもあり、細胞が適切に機能するためには必要なものです。問題となるのは、フリーラジカルが大量に産生される場合です。これは、多くの人に起こっていることで、様々な病気、特にガンの原因となります。考えられる解決策は2つです。抗酸化物質を増やして、ミトコンドリア内に産生されるフリーラジカルを減らすことです。
ミトコンドリア内に産生されるフリーラジカルを減らすには、過剰な栄養を、不要なタイミング、つまり睡眠前に摂らないことです。
寝る前に栄養を摂ると、必要のない時に燃料が余った状態になります。これが、大量の電子が酸素と結びついてフリーラジカルとなり、DNAを傷つけてガンのリスクを増加させてしまうのです。
私は、こういう訳で、寝る前の3時間、時には5-6時間前は何も食べません。
加工食品をやめてリアルフードを食べましょう。食事法の落とし穴や、減量を難しくする色々な条件から解放されるにはこれが一番の方法かもしれません。さらに、脂肪、炭水化物、タンパク質の割合を個人の状況に合わせて変えてみましょう。精製糖と加工フルクトースを、健康に良い油脂に変えましょう。インスリン耐性やレプチン耐性が最適化されます。
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