Dr. Mercolaより
心臓が悪いということは、心臓から送り出される血液が足りず、酸素が十分に行き渡らない場合が多いです。心臓が弱いとも言えます。
ウォーキングや買い物袋を運ぶような日常の何気ない動作もつらく、疲れ、息が上がる、むくみ、咳なども伴います。
心臓病はむくみとも切り離せませんので、通常は減塩食が勧められます。塩分の摂り過ぎは、体内の水分量を増加させ、従来の考え方では、心臓病を起こすとされるむくみにつながります。
これを解消するには食事療法しかないという考え方が主流なのですが、だからといって疑いなく減塩食というのは考え直して下さい。減塩食が、死亡リスクを高めるとする研究結果が出ています。
シカゴ、ラッシュ大学メディカルセンターの研究チームは800人以上の被験者に対し、平均3年間の追跡調査を実施しました。調査で分析されたのは、健康状態と塩分の摂取量です。
減塩食療法をおこなう心臓病患者は、減塩をしていない心臓病患者に比べて、心臓病で死亡するリスク、入院するリスクが85%高いことが判明しました。
研究期間中に心臓病で入院/死亡した患者は、塩分の摂取を控えた患者では42%に対し、減塩しなかった患者では26%でした。
研究者グループは、「慢性心臓病の兆候がある患者では、減塩は有害な結果をもたらす可能性がある。」と結論づけています。減塩によって体液の量が変わり、効果が裏目に出てしまうのです。筆頭著者のRami Doukky博士はMedical Xpressに次の様に答えています。
「減塩すると体内の水分が不足します。その結果、水分を維持しようとするホルモンが放出され、心臓病を引き起こす原因となる可能性があるのです。」
心臓病に対する減塩の有効性が問われ出したのはごく最近のことではありません。2011年に実施された6,500人分のデータに対するシステマティック・レビューで、減塩が有効であるとする根拠に欠けることが判明しています。
高血圧または正常血圧の人において、減塩によって全体的な死亡率や心臓病による死亡率に有益な変化は見られませんでした。
鬱血性心不全の場合は、しかし、減塩によって死亡率が上がっています。
このレビューの2014年の更新では、高血圧または正常血圧の人において、減塩が心臓病の死亡率に臨床的に有用な影響があると確証を得るには作用が不十分であることが判明しました。
別のメタアナリシスでは、減塩を実施した心臓病患者では、減塩していない患者に比べて死亡リスクが160%であることがわかりました。
高血圧の人には減塩の効果がそれなりに見られる 場合もあるとする研究報告もありますが、他の場合には効果があるという事例がありません。これはどういうことでしょうか。
まずお伝えしたい大きな差、それは、天然塩と加工食品に使用され、塩の容器にはいっているご家庭やレストランでもおなじみの精製塩は違うと言うことです。前者は、健康に欠かせませんが、後者は口にしてはいけません。
ウェストンA.プライス記念財団の理事長をつとめるSally Fallon氏は次の様に述べています。
「1991年に実施された研究によると、人は一日にティースプーン1-1.5杯の塩分が必要であることが示されています。 この量より少ないと、老廃物から塩分を取り戻そうとする様々なホルモンが放出されます。これらのホルモンには、心臓病や腎臓の諸症状を起こりやすくする作用もあるのです。これは、生化学上証明されている事実です。
「1991年に実施された研究によると、人は一日にティースプーン1-1.5杯の塩分が必要であることが示されています。
この量より少ないと、老廃物から塩分を取り戻そうとする様々なホルモンが放出されます。これらのホルモンには、心臓病や腎臓の諸症状を起こりやすくする作用もあるのです。これは、生化学上証明されている事実です。
米国食品医薬品局(FDA)、米国農務省食品安全検査局(FSIS)は、塩分の摂取は一日あたり2,300 mg以下が望ましいと推奨しています。
51歳以上、アフリカ系アメリカ人、高血圧、糖尿病、慢性の腎臓病などがある場合は、さらに低い1,500 mg(ティースプーン1/2杯強)が推奨値です(アメリカ人の約半分に該当します)。
しかし、塩分が少なすぎると多くの危険を伴います。塩分の制限を人口全体に推奨してしまうと、様々な病気の 増加を招きかねないのです。
例えば、ある研究では、減塩食で、2型糖尿病のリスク要因であるインスリン抵抗性が生じると言う結果が出ました。この結果が出るのにかかった時間はたったの7日間です。
JAMA誌に掲載された研究によると、塩分の量が一日3,000 mg以下の食事では、心臓病で死亡するリスクを増加させることがわかりました。
減塩食は、LDLコレステロール値、血糖値を増加させることもわかっています。 また、糖尿病患者では死亡率が上昇します(減塩食を勧められることの多い層)。
体内の塩分が不足すると、低ナトリウム血症の心配もあります。体内の水分が増加し、細胞浮腫の状態です。低ナトリウム血症は高齢者やスポーツ選手に多く見られます(発汗や水分の摂り過ぎでナトリウム量が不足する)。
浮腫により、中程度から重度のものまで様々な症状が現れます。最悪の場合、低ナトリウム血症は、脳浮腫、昏睡などの命にも関わる重症を招いたり、死亡する例もあります。
軽症から中等症の低ナトリウム血症は、医療関係者でも気づかないこともある、次のような目立たない症状となります。
塩分が身体機能を助けるか害になるかを決める重要な要因として、食事から摂るナトリウムとカリウムの比率があります。
体液のpHを一定に保ち、血圧を調整するには、 カリウム が必要です。カリウム不足は高血圧(心臓病のリスク要因)の原因となりますが、その作用はナトリウムの摂り過ぎよりも大きいとされています。
ナトリウム対カリウムのバランスが崩れると高血圧につながります。高血圧になりたければ、高ナトリウム低カリウムであることが良く知られている加工食品を食べるとあっという間です。
加工食品には、高血圧やほぼ全ての慢性病の元である フルクトースも多く含んでいます。このことは、塩分の多い食事に影響を受けやすい人とそうでない人がいる理由となりえます。
2011年の連邦政府による、ナトリウムとカリウムの摂取についての調査によると、心血管系疾患のリスクが最も高い人は、 ナトリウムは過剰摂取し 、 カリウムは不足していることがわかりました。
研究の筆頭著者の1人であるElena Kuklina博士はカリウムにより、塩分による心臓への害が中和されると発表しています。ナトリウムを多く摂ってカリウムを摂らない場合は、バランス良く摂った場合に比べて、心臓病で死亡するリスクが2倍に達しました。
カリウムはアメリカ人の食生活で良く食べられる食品にも多く含まれています。果物、野菜、乳製品、サーモン、イワシ、ナッツ類などですが、一日の成人の推奨量である4,700 mgを満たしている人はわずか2%です。 ナトリウム対カリウム比を 崩したければ 、高ナトリウム低カリウムであることが良く知られている加工食品を食べるとあっという間です。
米国食品医薬品局(FDA)の発表によると、アメリカ人の摂取するナトリウムの77%は加工食品や外食によるものです。加工食品を減らせば、精製塩の摂取も減らすことが可能です。
加工食品 が多く、野菜が少ないと、ナトリウム対カリウム比はアンバランスになりがちです。ご自分の状態を知りたければ、My Fitness Palのような無料アプリがお勧めです。食べたものを記録すると比率を計算してくれますよ。
一般的には、ナトリウム1に対してカリウム5が良いとされています。アメリカ人の多くはナトリウム2に対してカリウム1と言う比率です。バランスが獲れていない場合は次の項目に注意しましょう。
食事で十分な量のカリウムを摂ることが難しい場合は、野菜の量を増やしましょう。青野菜の ジュース なら、健康のために必要な栄養素をしっかり摂ることができますし、カリウムが1杯あたり300-400 mg 含まれています。他にも、カリウムが豊富な食品があります。
また、カリウムが豊富果物や野菜には次のようなものがあります。
いくつになっても、心臓を病気から守る方法はたくさんあります。 心臓発作の前兆 や心臓病が起こってしまい、手遅れになる前に何か対策をして下さい。今後の人生を左右する問題ですから今すぐ対処しましょう。
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