ココナッツオイルvs植物油

料理用油

早分かり -

  • キャノーラ油、コーン油、大豆油などの多価不飽和植物油は、動脈に酸化コレステロールを発生させ、冠動脈疾患のリスク要因となる。
  • 比較的健康に良いとされるオリーブオイルも、加熱による酸化は避けられず調理には向かない。
  • 飽和脂肪酸は悪者扱いされてきたが、実は心臓病の原因というわけではない。
  • オーガニックのココナッツオイルは、様々な用途に適している。熱を加えても変性しない飽和脂肪酸で非常に健康に良い。
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Dr. Mercolaより

食品を調理するということは、常に熱による影響のリスクがあるということです。調理に使う油は、高温で熱しても変性しない安定したものでないと、健康を害するリスクを伴います。植物油が及ぼす害の一つは善玉コレステロールを酸化させて悪玉コレステロールに変性させてしまうことです。

多価不飽和植物油(キャノーラ油、コーン油、大豆油など)で調理すると酸化コレステロールが体内に入ることになります。油は加熱され、酸素に触れると劣化します。劣化した油とは酸化した油です。口に入れると血管疾患の直接の原因となります。

トランス脂肪酸は水素を付加して作られ、乳ガン、心臓病などの慢性病のリスクを高めます。また、問題はこれだけにとどまりません。

植物油の多くは(少なくともアメリカでは)遺伝子組み換え作物を原料とし、さらに加工されたものです。多価不飽和脂肪酸が酸化されるだけでなく、グリフォセート、遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆に含まれるBt毒素など他の毒素も含んでいます。

グリフォセートは広スペクトル殺虫剤であるRoundup(ラウンドアップ)の有効成分で、植物油の原料となる作物に多く使用されています。植物油の使用を控えた方が良い理由はたくさんありますが、中でも、酸化されていると言うことが一番の理由です。

その他の重要な要因は植物油の多くがオメガ-6脂肪酸を豊富に含んでいると言う点です。病気の発症にはオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸の割合が強く関わっています。植物油の摂取量が多いと、この割合が変わってしまい、慢性変性疾患のリスクを高めてしまいます。

ココナッツオイル—加熱しても大丈夫な唯一の油

この世にある油の中で、ココナッツオイルは調理に適しています。ほぼ完全な飽和脂肪酸、つまり、熱の影響をほとんど受けない油です。ココナッツオイルは唯一身体に良い油です。

メディアのほとんどがオリーブオイルが「最も健康に良い油」であることを報道していますが、調理する場合はそうではありません。オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸で、二重結合を一つ持つ分子構造です。

本来、一価不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸より安定しているのですが、オリーブオイルに含まれる過剰なオレイン酸により乳ガンや心臓病などのリスク増加に関連しているとされています。

それでも、オリーブオイルは、ドレッシングなど加熱しないで食事に取り入れると良い油です。バージンオリーブオイルを95-120 ºCに加熱すると、油が酸化し、身体のためになるどころか害になってしまいます。オリーブオイルの酸化は、アスタキサンチンを一滴たらすことで防ぐことができると、業界に詳しいRudi Moerck氏は述べています。

ココナッツオイルは食用油のなかで飽和脂肪酸を最も多く含んでいます。「飽和脂肪酸」と聞いて怖がらないでくださいね。飽和脂肪酸は心臓病の原因だと聞いたことがあるとしたらそれは違います。お料理に油を使うときは良質なココナッツオイルが他の油よりお勧めです。どんな料理にも合いますよ。

ココナッツの種類、製法によって様々なココナッツオイルが存在します。健康への影響も様々です。市販のココナッツオイルはほとんど精製、漂白、脱臭(RBD)されており、加工時の化学物質を含みます。

オーガニック認定のココナッツオイルにしましょう。遺伝子組み換え原料を使用していない、漂白、脱臭、精製、水素付加していないものです。

油の種類 一価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 飽和脂肪酸
キャノーラ油 58.9 29.6 7.1
ココナッツオイル 5.8 1.8 86.5
コーン油 12.7 58.7 24.2
フラックスシードオイル 22 74 4
グレープシードオイル 16.1 69.9 8.1
オリーブオイル 77 8.4 13.5
パーム油 37 9.3 49.3
パーム核油 11.4 1.6 81.5
ピーナッツ油 46.2 32 16.9
ベニバナ油 12.6 73.4 9.6
ごま油 39.7 41.7 14.2
大豆油 23.3 57.9 14.4
+ 出典および参考資料