Dr. Mercolaより
英国では、痛風が急激に増加しておいり、1997年から2012年までの上昇率は64%に達しました。毎年4%ずつ上昇しつづけ、現在では40人に1人の割合に達しています。
残念ながら、この話題を取り上げたメディアの多くが、薬剤が効果的に使用されていないことが問題であり、尿酸降下剤を服用している人は「最適以下」にとどまったとする研究報告にのみ注目してしまっています。
痛風の症状は生活にかなりの影響が出ますが、かかってしまっても(ますますその数は増えています)、必ずしも薬を服用する必要は無いと言うことを知っていただきたいと思います。
尿酸値が上昇してしまう根本原因に、効果の高い天然の方法で働きかけることが可能です。結局の所、痛風 は生活習慣病なのです。
尿酸は、健康な身体の血中に存在する老廃物です。強い関節痛や炎症を伴う痛風ですが、尿酸値の上昇と関連が深いと考えられており、症例の約半数で足の親指に症状が現れます。
高血圧、肥満、腎臓病のある人も尿酸値が高くなる傾向にあることがわかっています。
尿酸は細胞内では、抗酸化物質と酸化促進物質の両方の機能を持ちます。尿酸値が下がりすぎると、抗酸化作用が失われるということです。尿酸値が高すぎる場合は、酸化促進物質としての有害な作用が働くようになります。
代謝機能に問題があり、血中の尿酸値をコントロールできなくなると痛風を発症します。関節に尿酸結晶が形成されると、こわばりや腫れが出てきます。結晶に対する炎症反応として痛みが現れるのです。
痛風の症状は、生活にかなり支障をきたします。その痛みは、様々な関節炎と比較にならないほど強いと言われているほどです。多くの症例で痛風の痛みは足の親指から現れます。その痛みは、炎で焼かれるよう、焼き串で刺されているようなどと表現されます。
痛風の症状 は、通常10日ほどで治まります。次に症状が出るのは、数ヶ月から数年後だったり、全く出ない場合もあります。しかし、多くの場合、痛風は一生付き合わなければならない場合が多く、発作の回数は増え、痛みも増していきます。尿酸値を下げるための対策をしないままでいれば、やがて、関節や周辺組織の損傷は修復不能になります。
痛風の処置に通常使用される薬剤には次のような物があります。
ここに紹介した薬剤は短期的には効果がありますが、長期的には非常に重篤な副作用が発生します。痛風は、生涯続く場合が多く、薬剤の長期連用により、健康を害する可能性が高くなってしまいます。
炎症を抑える必要がある場合、一番に改善が必要なのは食生活だということを忘れないでください。肉類やプリン体を多く含む食品は尿酸値を増加させるので、食生活の改善は痛風に欠かせません。さらに、尿酸値が上昇する一番の原因が、フルクトース(果糖)の摂りすぎであることも忘れてはなりません。
尿酸は フルクトースの代謝副産物です。フルクトースには、摂取後数分で尿酸を増加させる特徴があります。 フルクトース が尿酸値に与える破壊的な影響について私が知り得たのは、 Richard Johnson博士とのインタビューの時でした。
Johnson博士の研究では、アメリカ人の食生活の主要なカロリー源であるフルクトースが、肥満、糖尿病をはじめ、次に示すよく知られた病気の原因となることを示しています。
このような病気の主な要素として 尿酸値の上昇が挙げられ、尿酸値を上昇させる唯一の糖がフルクトースであることが最新の研究で示されています。
フルクトースは、グルコースなど他の糖とは異なる経路で代謝されます。代謝経路で尿酸が発生するのです。Johnson博士の研究では、尿酸が1 dlあたり5.5 mgを越えると健康に悪影響を及ぼすことがわかっています。
尿酸値がこの濃度に達すると、高血圧、糖尿病、肥満、腎臓病のリスクが増加します。尿酸の適正値は、1 dlあたり3-5.5 mgです。フルクトースの摂取と尿酸値の上昇の相関性は非常に高く、血液中の尿酸値が、フルクトースの毒性度マーカーとなります。
血液検査では尿酸値も測定するようにしてほしいものです。
興味深くも一般的には知られていないのですが、意図的に栄養的 ケトーシス 状態にする炭水化物制限ダイエットでも、尿酸値が上昇する傾向にあります。炭水化物制限ダイエットによる尿酸値の上昇が、フルクトースの過剰摂取による尿酸値上昇と同様の損傷につながるかどうかはわかっていません。私自身も経験があったので、Johnson博士にお尋ねしたのですが、炭水化物制限ダイエットによる尿酸値の上昇は無害であると判断しました。
フルクトースの摂取で 痛風のリスクが増加すると思えない方、2010年の JAMA の研究について読んでみてください。この分析では、炭酸飲料を一日に2缶以上飲んだ女性は、ほとんど炭酸飲料を飲まない女性に比べて痛風のリスクが2倍高いことがわかりました。 オレンジジュースを一日に350 ml飲んだ場合も同様です。さらに、CNNは、次のように報じています。
「一日に 炭酸飲料を一杯 飲んだ女性は 74 % 、オレンジジュースを180 ml飲んだ女性は41 %、あまり飲まない女性に比べてリスクが高いことがわかっています。その原因はフルクトースであると、研究の筆頭著者でボストン大学医学部教授のHyon Choi医学博士は述べています。
男性に行った同様の研究では、糖分入りのソフトドリンクを一日に2本以上飲んだ場合、一月に1本以下しか飲まない場合と比べて痛風のリスクが 85 % 高いことがわかりました。一週間に、糖分入りのソフトドリンクを5-6本飲む男性ではリスクはさらに上昇しました。果汁では、特にオレンジやアップルなど、フルクトースを多く含む果物でリスクが増加します。
健康のための一般的なルールとして、フルクトースの摂取量を、果物からの摂取を含めて一日平均25 g程度にすることをお勧めします。インスリン耐性が高い、心臓病、ガン、高血圧、尿酸値が高いなどの場合は、一日平均15 g以下にしましょう。
Johnson博士は、フルクトースへの感受性が高い人が尿酸値を調整するためのプログラムを作成しました。このプログラムでは、尿酸値が3-5.5 mg/dlという適正範囲に達するまで フルクトースを完全に除去します。
Johnson博士の著書「 The Sugar Fix」より、一般的な食品に含まれるフルクトース量を示す表をご紹介します。食事で摂取するフルクトースの量を減らす際の目安としてください。
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痛風の発作の予防とコントロールのためには、食事に含まれるフルクトース量を制限することが重要です。こちらに、簡単にできる 栄養摂取プログラムをご紹介します。
フルクトースの過剰摂取の主な原因である、炭酸飲料、果汁、甘味料を使用した飲み物をまず制限するようにしましょう。代わりに、水を十分に飲むと体内の尿酸を排出することができます。他にも、こちらの方法をお試しください。
フダンソウ(1カップに含まれるカリウムは960 mg)
アボカド(1カップ中874 mg)
ホウレンソウ(1カップ中838 mg)
マッシュルーム(150 g中635 mg)
ブロッコリー(1カップ中505 mg)
芽キャベツ(1カップ中494 mg)
セロリー(1カップ中344 mg)
ロメインレタス(2カップ中324 mg)
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