Dr. Mercolaより
オメガ-3脂肪酸といえば、長年の私のお気に入りはクリルオイルです。天然のアラスカ紅鮭、カタクチイワシ、イワシなどの魚をあまり食べる機会のない人には重宝しますね。何を隠そう、私は、オメガ-3脂肪酸の供給源としてクリル(オキアミ)を提唱しはじめた人物の一人です。
何かと比較されることが多いクリルオイルとフィッシュオイルですが、クリルオイルが優れているとされる理由は何でしょうか。私が健康にも環境にもフィッシュオイルよりも優れているのはクリルオイルであるとみなさんにご紹介し始めた当初は、批判もかなりありました。
時間と共に、クリル(オキアミ)は研究者の注目を集めるようになり、クリルオイルに関する研究報告が発表されるようになると、フィッシュオイルを上回る効能の数々に両者の差は歴然となりました。
被験者にフィッシュオイルまたはクリルオイル由来のEPA/DHAを与える実験では、クリルオイルの量をフィッシュオイルの63%以下であったにも関わらず、EPA/DHA血中濃度は同等であったことからクリルオイルの効能が高いことが判明しました。
独立機関による評価では、クリルオイルの活性酸素吸収能力(ORAC値) は、アスタキサンチンのおかげで、ビタミンA、ビタミンEの300倍、ルテインの47倍、コエンザイムQ10の34倍の抗酸化能力を持つとされています。
この研究では、クリルオイルを与えたマウスと、フィッシュオイルを与えたマウスの肝臓における遺伝子の発現の違いを調査しました。フィッシュオイルにもクリルオイルにもオメガ3脂肪酸が含まれますが、代謝をコントロールする遺伝子へ与える効果は大きく異なっていました。クリルオイルの場合。
つまり、クリルオイルはトリグリセリドおよびコレステロール値を下げ、エネルギー産生を促進するのに対し、フィッシュオイルにはその効果はないということです。 昨年行われたイタリアの研究では、クリルオイルは、脂質、グルコースの代謝を促進、ミトコンドリアの機能を向上させ、食生活の乱れ(健康に良くない脂質が多い食事など)が原因となる脂肪肝を予防する働きがあることが確認されました。
クリルオイルは、脂肪酸および呼吸鎖複合体、そしてクレプス回路などのミトコンドリア代謝経路を刺激し、健康的なミトコンドリアエネルギー代謝を回復させます。
クリルオイルに含まれるオメガ-3脂肪酸は、スタチン系薬剤と運動の組み合わせよりも、コレステロール値を下げる効果が高いとする研究報告がなされている。 ある研究では、6週間のクリルオイルの補充でコレステロール値が33%減少したと報告されている。 一方、数ヶ月間スタチン系薬剤を服用、低脂肪食と毎日運動をした場合のコレステロール値の減少は平均20%であった。
先述のとおり、オキアミの生息数は、Commision for the Concervation of Antartoc Marine Living Resources(南極海海洋生物資源保存委員会、CCAMLR)という25カ国からなる国際機関の管理下にあります。オキアミ漁の持続性の管理、オキアミの生息数の維持活動を行っています。CCAMLRは、体系化された組織であり、大規模な研究プログラムを進め、南極海の環境維持に努めています。
さらに、オキアミ漁の解禁期間中の生息数の変動への対策など、季節ごとの細かい管理も行っています。また、MSCは、オキアミ漁船が環境持続基準に従って漁を行うことを指導しています。Aker BioMarine社の南極クリルは2010年にMSCの認定を受けています。
Aker BioMarine社は、科学期間に財政支援を行っており、独立機関の科学者を、自社の漁船に無料で招いて研究に協力しています。また、年間5日間、独立機関の科学者の立ち会いのもと、複数箇所で行われるオキアミを主なエサとする捕食生物への影響を調査に協力しています。
昨年度、Aker BioMarineは、Antarctic Wildlife Research Fund (南極野生生物調査基金、AWR)を共同設立しました。この団体は、科学者と企業の協力によって設立され、Mercola.comのほか、主要な環境団体が参加しています。
オキアミの南極海の生態系における役割についての研究資金を集めることを目的としています。AWR議長のMark Epstein氏によると、「AWRの設立は南極海におけるオキアミの生息数についての知識を深めるために重要である。」と述べています。私自身、南極海の保護のためのこの取り組みに参加できて非常に嬉しく思っております。
AWRに資金提供を受けた科学者の研究状況は、究極の科学者のページでご確認下さい。極寒の美しい海で研究に励む研究者の様子を下のビデオでご覧下さい。
私は、栄養はなるべく食事から摂ることをお勧めしていますが、サプリメントをうまく利用した方が良い場合もあります。動物性のオメガ-3脂肪酸はその良い例です。ほとんどの魚が汚染され、安全性に不安があるためです。(天然のアラスカ紅鮭、カタクチイワシ、イワシなどの小魚は除く。)
間違いなく、動物性オメガ-3脂肪酸は、健康のために必要であり、多くのアメリカ人に不足している栄養素です。悪いことに、多くの人が、植物油や加工食品に多く含まれる、質の悪いオメガ-6脂肪酸を多く摂り過ぎています。
2009年に発表された研究によると、オメガ-3脂肪酸の不足により、年間96,000人の若年死が発生していると報告されています。EPA/DHAの濃度が低いと、 あらゆる死因のリスクを増加させ、認知力の低下にもつながります。うつ状態にある人は、そうでない人と比べて、オメガ-3脂肪酸の血中濃度が低いことがわかっています。
年齢や性別に関係なく、クリルオイルに代表される良質な動物性のオメガ-3脂肪酸サプリメントを日々の食生活に加えることで、簡単で効果的に健康を守ることができるのです。妊娠中の女性には特に気を付けていただきたいと思います。なぜなら、ほとんどの女性は、オメガ-3脂肪酸が大きく不足しているので、赤ちゃんに影響が出る可能性があるからです。
人体は、自分でオメガ-3脂肪酸を作り出すことはできません。胎児はこのオメガ-3脂肪酸を母親の食事からしか得ることはできません。母親の食事から得られる血中のDHAの濃度は、直接、成長中の胎児のDHAに反映され、胎児の脳の発達や眼の健康にも影響するのです。 同様に、母乳育児の乳幼児もオメガ-3脂肪酸を母乳に頼っているので、この時期の母親は、母子に必要なオメガ-3脂肪酸を摂取する必要があります。
クリルオイルが様々な点で通常のフィッシュオイルより優れていることがおわかりいただけたでしょうか。まず、少ない量で同等の結果が得られます。また、動物性のオメガ-3脂肪酸は、全身の健康に必要であり、特にクリルオイルに含まれるオメガ-3脂肪酸は、脂質濃度を正常に保ち、心臓の健康維持のために高い効果を示します。
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