リグナンは、命を守ります

リグナンを豊富に含む亜麻仁

早分かり -

  • リグナンにはエストロゲンの効果を制限する能力があるので、ホルモンに関連するガン(乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん)のリスクを減らします。
  • 閉経後の女性で、食用リグナンをたくさん摂取した場合、あまり摂らない女性に比べて、乳がんのリスクが15%低下します。
  • 植物リグナンを多く含む食事は、心臓病のリスク低下と関係している可能性があります。
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Dr. Mercolaより

リグナンは、ポリフェノールとして知られる植物化合物の一種です。リグナン前駆体は、亜麻仁に最も豊富に含まれていますが、他の種(ゴマ)、ベリー類、果物、野菜、全粒穀物(玄米など)にも含まれます。

リグナン前駆体を食べると、腸内のバクテリアが「植物」リグナンを「ヒト」リグナンに変換します。「ヒト」リグナンとは、エンテロジオールやエンテロラクトンなどで、弱いエストロゲン様作用を持っています。

このことは、女性の健康にとってメリットがあります。なぜなら、あなたの自然エストロゲンレベルが高いと、リグナン由来の弱い「エストロゲン」がエストロゲン受容体部位に結合し、エストロゲン全体の作用を 低下させる からです。Christine Horner博士は、認定された一般・形成外科医ですが、自然な方法で乳がんから身を守り、いかに闘うかに関する書物を著し受賞した実績がありますが、次のように説明しています。

エストロゲン作用には、とても多くの力の違いがあります。例えば、エストラジオールは最強で、最も豊富な形態ですが、それがエストロゲン受容体に結合すると、1,000個の細胞分裂を引き起こす場合があります。

しかし、一つの植物エストロゲンが結合すると、一つの細胞分裂だけです。従って、体内にこれらの植物エストロゲンが満ちあふれると、まるで、椅子取りゲームのような状態になります。

受容体の数は限られているので、受容体に到達したものがそれに結合するのです。こうして強いエストロゲンが結合するのを防ぐので、抑制効果が生じるわけです。」

一方で、あなたのエストロゲンレベルが低い場合は、リグナンがレベルを上げるのに役立ち、より最適なバランスをもたらします。ホルモンバランスへの効果は、この植物化合物が健康に対してメリットを示す一例です。

リグナンは、ガンとの闘いを支援します

リグナンが持つエストロゲンを制限する作用(即ち、一定の組織でエストロゲンの作用を抑制する能力)は、ホルモンに関連するガン(乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん)のリスクを潜在的に減らすことができます。次は、臨床検査科学のクリティカルレビュー誌に掲載されたレビューです。

「動物実験は、亜麻仁または純粋リグナンが多くの種類のガンで、明白な抗発がん性効果を示しました。」

閉経後の女性で、食用リグナンをたくさん摂取した場合、あまり摂らない女性に比べて、乳がんのリスクが15%低下したという研究もあります。

21の研究のメタ分析は同様の発見をし、閉経後の女性において、リグナンを多く摂ることと乳がんリスクの低下が関連していること、また、数千名のカナダ人女性の研究は、リグナンが豊富な亜麻仁の摂取が乳がんリスクの低下に関連していることを明らかにしました。

ゴマのリグナンと亜麻仁のリグナンについて、マウスを使ったヒトの乳房の腫瘍に対する効果を比較する研究は、ゴマのリグナンは、触診可能な腫瘍を対照群に対して23%小さくし、また、アポトーシス(プログラムされた細胞死)も増加させました。

両方のリグナンとも、腫瘍の増殖を減らしたのですが、全体的に、ゴマリグナンの方が、乳房の腫瘍の成長を抑える上で、亜麻仁リグナンより効果がありました。

リグナンが豊富な亜麻仁は、ガンを予防するのでしょうか

研究によると、亜麻仁(リグナン前駆体が最も豊富な食物)とガンとの関係は、有望です。メリーランド大学医療センターは次のように報告しています。

「…閉経後の女性で、初めて乳がんと診断された患者が、40日間毎日、25gの食用亜麻仁を含むマフィンを食べた。その研究結果によると、食事に亜麻仁を加えた場合、乳がんの女性で腫瘍の成長を抑える見込みがある。

動物実験によると、リグナンが結腸腫瘍細胞の成長を遅らせることができる。集団調査は、亜麻仁が異常な細胞の成長を抑えることができる。異常な細胞は、結腸癌の初期マーカーである。」

さらに、Horner博士は、数百の研究が、亜麻が乳がんから患者を守るだけでなく、私たちが知っているどんな食べ物よりも効果的に乳房腫瘍を小さくすることもできると示しているそうです。

Horner博士はまた、亜麻仁とエストロゲンが関連する腫瘍の研究を多く実施してきたトロント大学のLilian Thompson博士の研究を引用しています。Thompson博士はある研究で、エストロゲンが関連する乳房腫瘍が、亜麻仁を3週間与えた女性すべてで小さくなったことを発見しました。

「私は、このことについて個人的な経験をしました。」と、Horner博士は述べています。「私のビジネスマネージャーの母親が乳がんを発症しました。

私は、一日小さじ3杯分の亜麻仁プラス強力な抗酸化ハーブで彼女の治療を始めました。彼女の腫瘍は、レントゲン写真で1.5cmでした。3週間後の手術時には、腫瘍が0.5cmまで縮んでいたのです。

こうした抗ガン作用があるので、驚くべきことではありませんが、体内のリグナンレベルが最高の女性たちは、乳がんリスクが最も小さいことが、研究により分かっています。

亜麻仁には、他のどんな植物源より100倍以上のリグナンが含まれています。また、亜麻仁は、乳がんリスクを下げるために食べることできる最も強力な食べ物の一つなのです。

この議論を理解するカギは次の通りです。植物エストロゲンは、あなたの身体が作るエストロゲンや、ホルモン補充治療で使う合成エストロゲンとは同じではありません。

それらは全く異なるのです。植物エストロゲンの多くは、実際には選択的エストロゲンモジュレーター(=SERMS:医薬品のタモキシフェンはSERM)と同様に振る舞い、また、アリミデックスのようなアロマターゼ阻害薬として機能します。 植物エストロゲンは、とても多くの複雑な振る舞いをするので、私たちはそれらすべてを理解できないでしょう。」

Thompson博士やその他の研究者の研究は、亜麻リグナンが乳がんに効果があることを示しています。その効き方の例は、次の通りです。


エストロゲンの全般的な生成を抑える
乳房組織にくっついて環境にあるエストロゲンを阻止する
「善玉」タイプのエストロゲンをより多く作り出す 環境にある毒素の有害な影響から乳房組織を守る
乳がんの成長に関係する3つの成長因子を減らす 医薬品アリミデックスと類似の方法で、アロマターゼ酵素を阻止する
月経サイクルを伸ばす 医薬品タモキシフェンと類似の方法で、エストロゲン受容体を阻止する

リグナンは心臓病にメリットがあります

ガンは別にして、植物リグナンを多く含む食事は、心臓病のリスク低下と関連している可能性があります。植物リグナンの摂取マーカーであるエンテロラクトンのレベルが高い約2,000名の男性を研究した結果、レベルが低い人たちに比べて、冠状動脈性心臓病で亡くなる可能性が著しく小さいことが分かっています。

研究はまた、食事に亜麻仁を加えると、コレステロールレベルに効き目があることが分かりました。ただし、現時点では、それがリグナンによるものか、亜麻仁に含まれるその他の心臓の健康に良い栄養素または植物化学物質(例えば、植物性オメガ3または繊維質)によるかは未知です。

亜麻仁リグナンとゴマリグナンを比べた研究では、ゴマリグナンは、TBARS(チオバルビツール酸反応性物質)濃度を低下させ、ビタミンEを増加させる一方、亜麻仁リグナンは、そうした効果はないことが分かっています。TBARSレベルが高まることは、アテローム性動脈硬化症、心臓病、糖尿病、肝臓障害、炎症性リウマチ性疾患などの疾病と関連しています。

潜在的な骨の健康と抗酸化作用                        

骨の中の植物エストロゲンのエストロゲン作用が骨密度の維持に役立つ可能性があることが知られています。例えば、骨粗しょう症の場合、エンテロラクトン排出(食物からリグナンを摂取していることのマーカー)が、閉経後の女性の背骨と股関節の骨ミネラル密度と正の相関があることを示唆しました。ただし、この分野の研究はもっと必要です。

また、リグナン前駆体は、エストロゲン受容体との相互作用には関連しないが、有利な作用があると示唆されています。有利な効果には、潜在的な抗酸化作用が含まれています。Linus Pauling研究所によれば、

「リグナンは、試験管内では抗酸化物質として作用するが、人体での抗酸化活動の意味はまだ不明である。なぜなら、リグナンは、急速かつ広範に代謝されるからだ。一つの横断的研究は、酸化による損傷のバイオマーカーは、男性の血清エンテロラクトンレベルと逆相関があることを発見したが、この作用が、エントロラクトンあるいは、リグナンが豊富な食物に存在するその他の抗酸化物質に関連しているかは不明である。」

リグナンの源として最良の食物は何でしょうか

種類(亜麻、カボチャ、ひまわり、ケシ、ゴマ)、ベリー類、野菜は、リグナンの最良の摂取源です。亜麻仁は、最も豊かな食物での源で、それを砕くことは、リグナンの生物学的利用性を改善するでしょう。しかし、亜麻仁がとても腐りやすく、急速に悪臭を放つようになるので、(あらかじめすりつぶしたものではなく)有機的なホールシードを購入し、使用前に自分ですりつぶす必要があるでしょう。亜麻仁  は、リグナンを普通含んでいません。

リグナンのような植物エストロゲンの消費は、米国では少ない。植物エストロゲンについて、閉経後の女性の平均摂取量は、一日1ミリグラム未満と考えられています(その80%がリグナン)。エントロラクトンをメリットがあるレベルまで引き上げるためには、一日当たり50~100mgを消費する必要があります。その量は、未精製のすりつぶした亜麻仁小さじ3~4杯に等しいものです。サプリメントとして有効なリグナンも利用可能です。食事からの摂取を増やしたいならば、以下のチャート(Linus Pauling研究所による)がいろいろな食物に含まれる合計リグナン量を示しています。

食物に含まれるリグナン合計量
食物 量(形態) リグナン合計(mg)
亜麻仁 1 oz(28.3g) 85.5
ゴマ 1 oz(28.3g) 11.2
ケールキャベツ ½ カップ、みじん切り 0.8
ブロッコリー ½ カップ、みじん切り 0.6
アプリコット ½ カップ、スライス 0.4
キャベツ ½ カップ、みじん切り 0.3
芽キャベツ ½ カップ、みじん切り 0.3
イチゴ ½ カップ 0.2