年齢は健康を予測するうえでベストとは言えません。


生物学的年齢と健康

早分かり -

  • 健康状態のリスクの一部は、暦年齢に基づくかもしれませんが、生物学的年齢に影響を与えて潜在的なリスクを変えることができます
  • あなたの健康は、多くの要因と結びついています。例えば、似ている色の背景のコントラストを見る能力、心理学的幸福感、運動性などです
  • あなたはテロメアの長さに影響する選択を毎日しています。それは、生物学的老化における要因の一つです正しいライフスタイルを選択することで、長く、健康的な生活の可能性を増加させることができます
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Dr. Mercolaより

一般論として、年齢によって健康状態のリスクは高くなります。例えば、70才以上になると骨粗しょう症のリスクが増します。また、40代の女性の場合は、胆石のリスクが増えます。

もちろん、一般論がすべての人に当てはまるわけではありません。70才代でボディビル競技に出場している人もいれば、心臓病や関節炎に悩む40才代もいます。

年齢が健康全般の要因になる一方で、それは唯一の要因とはならず、ときには最も重要な要因にもならないのです。研究者は現在、生物学的年齢と暦年齢との違いを調べています。

年齢と健康

シカゴ大学の研究によれば、暦年齢は、老齢者の健康やウエルネスの違いを説明するとき役立たないそうです。この研究は、57才から85才までの3,000人を5年にわたって調査し、データを収集しました。

同様の研究で使用される伝統的な生物医学的マーカーには、心臓病、ガン、高血圧、高コレステロールレベルなどの健康状態が含まれます。
シカゴ大学の研究では、その他のマーカーも使用しました。例えば、心理的な幸福感、運動性、視力、骨折の履歴、その他50の健康変数です。

最近まで、ほとんどの医学専門家は、健康状態をもとに健康と寿命のランク付けをしてきました。例えば、糖尿病、骨粗しょう症、ガンです。しかし、こうした病気と治療に個人は、全般的な健康状態や遺伝特性、ライフスタイルなどにもとづき、それぞれ違った反応をすることは明らかになっています。

そうした違いにより、人はそれぞれ独自の道筋をたどり、寿命を予測することが難しくなります。この研究では、最も健康的とランク付けされた人々は、身長に対する正常な体重よりも重いことが多く、高い血圧を持っていました。

中程度の健康状態にランク付けされた人々は、正常な体重の範囲が多く、心臓病や糖尿病はありませんでしたが、貧血などの深刻ではない健康問題を抱えていました。

健康状態が最も低いとみなされたグループの人々や、早期死亡のリスクが最も高い人々は、治療していない糖尿病にかかっており、相対的に運動しない人々でした。研究チームのリーダーであるMartha McClintock医学博士は、シカゴ大学の心理学および比較人間発達学の教授ですが、次のようにのべています。

「私たちは、年齢を私たちが進む一つの線路であるという考えを改めて、エージングにはいろいろな経路があるということをもっと突き詰めようとしています。それは、河川の三角州により近いものです。私たちは、いろいろな経路を通って旅の終わりに到着したのです。」

健康という認識への挑戦

この大きな研究の成果は、健康を測る伝統的方法に疑問を投げかけています。今までは、経験した否定的な状態の数で健康を測定していたのですが、この研究では、生涯での肯定的な状態が、健康問題とその後の治療にいかに適切に反応するかという点で、いかに大切な役割を果たすかを示唆しています。

病気がないことという健康の定義の問題は、健康と長寿に影響を与える別の大切な状態を見逃しを招いています。

この研究によれば、伝統的基準で健康と分類される米国民の25%全体が、その他の要因を考慮したとき、今後5年間に死亡するか、病気で活動できなくなる何らかのリスクを抱えています。

この研究の執筆者たちは、健康とエージングの包括的モデルとして54の異なる健康要因を定義しました。参加者を評価する上で考慮したその他の要因には、心拍数、神経免疫機能、感覚能力が含まれます。

研究者たちは、潜在的な健康カテゴリーについて6つの異なるレベルを明確にしました。例えば、上記の3つです。糖尿病は複雑な要因ですそれは、早期死亡のリスクを増やす場合もあれば、そうでない場合もあります。

たいていは、体重が余分に増えれば、関節の損傷、心臓病、その他の免疫介在性の健康状態のリスクが増します。

しかし、研究者たちは、体重が健康モデルに含まれるその他の要因に影響を与えなかったグループも発見しました。このグループは、丈夫な肥満と分類されました。なぜなら、体重のせいで運動性が減ったり、糖尿病や心臓病との現在的な関連がなかったからです。

実際、このグループの個人は、最も健康的で、今後5年で死亡したり、病気で活動できなくなる可能性が最も小さい人々でした。

骨折と身体障害または5年以内の死亡との相関

この研究が集めたデータによると、7人に1人の割合で、中年または中年以後に骨折を経験します。45才以後に骨折し、平均的な健康状態だった人々は、その後の5年間に身体障害になるか死亡する可能性がより高いと、研究は指摘してます。

研究者たちによると、高年齢での骨折部位は、寛骨(骨盤を構成する)ではなく、折れても治りやすい骨ということです。この骨折は、個人を活動できなくすることは全くありませんでした。McClintock博士は言います。

「これは、人生末期の骨盤にかかわる骨折ではありませんでした。これは、治癒する骨折でした。骨折した個人は、今でも活動的であり、骨折で活動できなくなるということはありませんでした。それでも、今後5年以内に活動できなくなる可能性はより高いのです。

そのわけは、もろさや事故と関係しています。もろさとは、筋肉の強度、神経系の機能、バランス感覚などの低下、並びに、近所を歩き回ることが困難になることと関係しています。」

研究チームは、こうした状況での骨折は、神経的異常、筋肉異常の早期兆候であり、活動できなくなるリスクを高めるものであると感じています。

生物学的マーカー

血圧 コレステロールレベル 心臓病
肥満度指数(BMI) 肺機能 骨格量
筋力    

これらのマーカーはそれぞれ、暦年齢とともに低下することが多いものです。しかし、あらゆる年齢グループの水泳の達人たちは、こうしたカテゴリーすべてでより良い測定値を示しています。研究者たちは、エージングのマーカーは、若いスイマーだけではなく、年齢が高いカテゴリーのスイマーでもより肯定的であることを見つかました。

また、暦年齢マーカーと生物学的年齢マーカーの間の違いを明確にするために、同じ方法を用いている研究もあります。生物学的エージングを明らかにするマーカーの研究は、個々人について独自の肉体的測定値を与えることができるので、プロトコル(治療手順)に身体が耐えられることを前提に具体的な治療をすることができます。

こうしたガイドラインを追跡することにより、食事での変化や運動やライフスタイルの選択が、低下傾向を助長しているかどうかを見極めることができます。

生物学的年齢を決定する方法

専門家は、信頼できる生物学的マーカーを使って生物学的年齢を決定することは、暦年齢よりも寿命についてより良く示すことができると同意しています。

しかし、これらの生物学的マーカーは、単純な血液検査やアンケートでは測れないかもしれません。2010年に実施されたある研究において、研究者たちは、4,000名以上の女性の医療記録を解析しました。似ている色の背景(白の背景に薄い影のイメージ)の中でコントラストを見分ける能力が、将来の死亡率において重大な予測要因になると、研究者たちは発見しました。

さらに別の予測要因としては、被験者が10秒間に低い台を使って何回昇降できるか、というものでした。その研究では、老年婦人の健康なエージングが臨床的にどのように現れるかを特徴づける13の要因が発見されました。9 McClintock博士は次のように警告しています。

「私たちは、健康なエージングを予測するうえで、これらの測定値が、臓器系よりも重要ではないにしても、同じくらいは大切であることを示しました。従って、それらを、医療行為や健康施策に含めることは、とても大切なことです。」

別のキーワード、テロメア

科学は、染色体の一つ一つがテロメアと呼ばれる複合末端構造を持っていることを明らかしました。テロメアは、DNAらせんの端にキャップをかぶせ、DNAを守っています。まるで、靴ひもの端にあるプラスチックがひもがバラバラにならないように守っているかのうようです。

テロメアは生体の情報を守るDNAらせんの中で。細胞は、複製や再生を通じて、若返ります。再生ごとに、DNAらせんの端を保護するテロメアは、短くなります。そして、最終的にテロメアは、短くなりすぎて正しく働かなくなります。

テロメアが短くなると、免疫力が衰え、生物学的エージングが進み、骨ミネラル濃度が低下します。これらの要因それぞれが、機能的かつ臨床的な年齢のレベルを示すものです。テロメアの長さと変化に影響を与える要因には、ストレス、社会的なサポート、食事、運動などが含まれます。

生物学的年齢を改善するためにできること?

1. 食物

あなたは、何を食べるかよって決まります。あなたの 身体は食物を使って燃料にしたり、健康な細胞を成長させたりします。あなたが健康であるために、あなたの細胞も健康でなければなりません。あなたの細胞が健康であるために、栄養素とエネルギーをいっぱい含んだ本物の食べ物を取らなければなりません。

2. 水分補給

平均として身体の60%は水分です。身体の部分には、水分率がさらに大きいところもあります。例えば、脳と心臓は73%、肺は83%が水分です。水分が十分であると細胞のストレスは減ります。これは、エージングを遅らせる一つの手段です。

尿の色で水分レベルを判定してください。十分な水を飲めば、尿の色は薄い黄色か薄い麦わら色です。一日に4から7回排尿します。

3. 運動

運動は、健康と一日を乗り切る体力にとって大切です。しかし、テロメアの長さにとっても大切です。約6,500名の被験者から集めたデータにおいて、40から65才までの被験者で継続的かつ頻繁に運動する人々は、テロメアの長さにおいて最も影響を受けていました。即ち、生物学的年齢に影響を受けていたのです。

被験者の運動の量とテロメアの長さには明確な関連がありました。別の研究によると、一週間に約1,000から3,500カロリーを消費する運動を適度に行う被験者と、長いテロメアには連関があると示されました。

4.バランス

脳と筋骨格系の間のコミュニケーションを維持することは、転倒するリスクを減らすのに大切です。バランスを取り、柔軟であり、体幹を強く保つ能力は全部、転倒や骨折のリスクを減らします。目標は、綱渡りの綱を歩くではなく、バランスを崩したとき十分立て直すことができることにあります。

バランス運動は、シニア世代だけのものではありません。バランスを取るために何かにつかまらずに30秒以上立っていられない場合、次を始める時期なのです、これらの運動を日常に取り入れること。2、3週間でも目に見える違いが現れます。

5. 精神的健康

精神的および認知的健康は、いくつかの身体的要因によって影響されます。例えば、水分補給、運動、食事などです。しかし、良好な精神的健康を満喫し、認知能力を維持するためには、対処すべき他の要因もあります。そうした要因に含まれるのは次の通りです。

そうした要因に含まれるのは次の通りです。社会的サポート。友人や家族のサポートサークルは、ストレスレベルを引き下げ、人生の見通しを改善します。 ストレス管理。ストレスは、コルチゾールの分泌を促進し、他の身体的系統に影響を与え、細胞レベルで身体にストレスを与えます。
楽観主義または幸せでいること。100才まで生きた人々は、幸せでいることや肯定的な態度を持つことが長寿にとって大切だったと言います。 精神的エクササイズ: 「使わないと、なくなってしまう」という表現を聞いたことがあると思います。同じことが認知能力についても言えます。脳は、身体と同様にエクササイズを必要としています。
睡眠: 脳の解毒に必要、身体も脳も休息、良質の睡眠を毎晩必要としています。 信頼感。それは、何か見えないものを信じること。信頼感や霊的であることは、精神的健康やうつ病の防止にとって大切なものです。

6. 化学品への暴露

あなたの身体は、食べ物、呼吸する空気、腰かける家具などに含まれる毒素や化学品によって攻撃を受けています。あなたの身体は、できるだけ解毒しようと懸命ですが、その任務は圧倒的です。従って、次のヒントを参考に、できるだけそうしたものに身をさらさないようにすることが大切です。

喫煙を止めるまた、間接喫煙も避け 毒素ない製品を使いましょう。例えば、ホワイトビネガーや重曹を使って、家を掃除します 芳香剤、香料入りキャンドル、その他の香料製品は使わないようにしましょう
脱臭剤なしのごみ袋を使いましょう 不必要な市販薬や処方箋薬の使用を制限しましょう 環境にやさしい選択洗剤を使いましょう
有機園芸を活用しましょう    

+ 出典および参考資料