Dr. Mercolaより
ハーブやスパイスには数多くの抗酸化物質、ミネラル、ビタミンが含まれており、食事の栄養価を高めてくれます。食事にハーブやスパイスを使うことで、文字どおり食事がアップグレードするのです。しかもカロリーが増えることはありません。
事実、新鮮な(乾燥させていない)ハーブ1グラムから得られる抗酸化効果は、果物や野菜よりはるかに高く、抗酸化物質が豊富に含まれることは良く知られています。多くのスパイスがそれぞれ医薬効果を持つことも様々な研究で報告されています。
複数の大学の研究者グループが、ハーブやスパイスの本来の効果を評価する目的で、調理に通常使われる量を被験者に摂取してもらう実験をおこないました。上述のビデオ制作を手がけたMichael Greger 医学博士は次の様に述べています。
「食事の前後で血中の抗酸化物質量を測定して比較するという簡単な方法も想定されたが、生体可用性の高さを考慮すると、血中で抗酸化物質が検出されるかどうかは不明であることが懸念されました。
想定しているよりも多い量が体内に吸収されるにもかかわらず、タンパク質や細胞と結合するため、検査では抗酸化物質が検出されない可能性があるのです。これを踏まえ、研究者グループは血中の生理学的変化の測定を試みました。
吸収された化合物が、酸化や炎症による損傷から白血球を保護できるのか、ハーブやスパイスの摂取により、フリーラジカルの攻撃からDNAを守ることができるのかという点について調べようとしたのです。
全13グループに分けた被験者うち、各グループの10-12人が、特定のスパイスを毎日少量ずつ1週間にわたり摂取しました。例えば、オレガノのグループは、毎日ティースプーン1杯分のオレガノを1週間食べ続けたと言うことになります。血液サンプルは、実験開始前と実験終了時に採取されました。
検査は被験者の血液の抗酸化能力を調べるもので、研究者グループにより、白血球の炎症反応の発生をどの程度抑えることができるのかが分析されました。
調査方法は、酸化コレステロール(揚げ物に多く含まれる)によって損傷を受けた白血球と被験者の血液を接触させるものでした。これにより、「日常使い」の量であっても、炎症反応を抑える効果が非常に高いスパイスが4つ見つかりました。
特集記事では次の様に述べられています。「この研究により、錠剤などによる大量摂取ではなく、日常的に食事から摂取できる量のスパイスの成分が血中に循環した場合の反応がどのようなものであるかが示されました。スパゲティソースや、パンプキンパイ、カレーソースなど、おいしくいただける量です。
Journal of Medicinal Foods 誌に掲載された過去の研究では、スパイスやハーブのエキスに含まれるフェノールという抗酸化物質が糖化を阻害し、AGE(最終糖化産物)の形成を妨げる作用をもつため、心臓病や早老を防ぐことが判明しました。
この研究でも、一般的に家庭で使われる24種類のハーブやスパイスの中で最も効果が高いとされたのはクローブでした。全体では、抗炎症効果の高いハーブやスパイスの上位10種類は次のとおりです。
慢性的な炎症は、全部とは言わないまでも多くの病気の引き金となります。その病気とは、ガン、肥満、心臓病など、アメリカ人の主な死因ばかりです。
炎症は、体内に侵入してきた菌やウィルスから身体を守るための白血球による正常な反応です。問題となるのは、この炎症が悪化してしまう場合です。このような身体の反応において食事の果たす役割は大きいです。
ハーブやスパイスの抗炎症効果が高いことは間違いありませんが、他にも抗炎症効果のある食品はあります。慢性病の予防には、できるだけ多くの種類の抗炎症効果の高い食品を定期的に摂取することが最も効果的です。
次に紹介する食品、栄養素は、炎症反応を抑える効果が非常に高いものばかりです。
1.動物性のオメガ-3脂肪酸
動物性のオメガ-3脂肪酸は、 天然のアラスカ紅鮭 など脂肪の多い魚や、フィッシュオイル、クリルオイルなどに含まれ、全身の炎症を抑えます。特に、脳の健康に欠かせません。2012年に発行されたScandinavian Journal of Gastroenterology誌に掲載された研究では、クリルオイルを食事に補充すると炎症や酸化ストレスを軽減する効果が見られたことがわかっています。
2.葉野菜
ケール、ホウレン草、コラード、フダンソウなどの濃い緑色の葉野菜は、抗酸化物質、フラボノイド、カロテノイド、ビタミンCを豊富に含んでおり、細胞を損傷から守ります。地元で栽培されたオーガニックの野菜を旬の時期にいただくのが理想です。また、できるだけ多くを生で食べるようにしてみてください。野菜をしっかり摂るためには、野菜ジュース がお勧めです。
3.ブルーベリー
ブルーベリーは他の果物や野菜と比べてはるかに抗酸化作用が高い品目です。他の果物より糖分が低いのも良い点です。
4.お茶
抹茶は、緑茶の中で最も栄養価が高く、石で挽かれた粉状で無発酵のお茶です。最も品質の良い抹茶は日本製で天然のブルーベリーの最大17倍、ダークチョコレートの7倍の抗酸化物質を含んでいます。
トゥルシーもまた、抗炎症効果の高い抗酸化物質、その他の微量栄養素を多く含むお茶で、免疫機能や心臓の健康をサポートしています。
5.発酵野菜や古来の培養食品
免疫機能を正常に保つには、腸内フローラを整えることが重要です。これにより、慢性的な炎症を予防することができます。事実、炎症による病気のほとんどが、腸内のマイクロバイオームの乱れが原因です。ケフィア、納豆、キムチ、味噌、テンペ、ピクルス、ザワークラウト、オリーブなどの発酵食品やその他の発酵野菜を食べると、腸内に善玉菌を供給し続けることができます。
発酵食品は、体内から、重金属や 殺虫剤など、炎症野本となる有害な毒素が排出されるのを助ける効果もあります。
6.しいたけ
しいたけには、酸化ストレスを防ぐエルゴチオネインをはじめとする、強力な抗炎症機能を持つ天然成分が含まれています。
また、日常の食生活では摂取しづらい独特な栄養素も多く含んでいます。銅がそうです。アミノ酸や脂肪酸と共に効果を発揮する数少ない金属で人体の健康に必須の元素です。銅を体内で合成することはできないため、定期的に食事で補う必要があります。銅の不足は心血管系の病気の原因となります。
7.にんにく
にんにくは、その医薬効果が世紀を超えて重宝されてきました。数多くの研究がなされている食用となる植物でもあります。170以上の研究で、150ものさまざまな症状に効果があることが示されています。にんにくには、抗菌、抗ウィルス、抗真菌、抗酸化作用などの多様な効果があります。
にんにくの 医薬品的効能は、アリシンなどの硫黄を含む成分による物です。ある研究では、アリシンが体内で消化される時に、危険なフリーラジカルにいち早く反応を示すスルフェン酸が発生することが明らかになりました。
肥満、糖尿病、心臓病からガンに至るまで、様々な健康上のトラブルの共通点は、慢性の炎症です。慢性的な炎症を軽減するにはまず食生活を変えましょう。ハーブやスパイスをどんどん取り入れてみてください。簡単に食事の質を高めることができます。お財布にも優しい「秘密兵器」として誰にでもできる方法です。加工食品を摂りすぎていませんか。食事にスパイスを使うだけではまだ十分とは言えません。
食事が炎症を予防もすれば、原因 となることもあるのです。加工食品は後者にあたります。炎症を起こしやすい原材料である、フルクトース、コーンシロップ、大豆、加工植物油(トランス脂肪酸)食品添加物を含んでいます。抗炎症効果の高い食品を取り入れるだけでなく、次に紹介する、炎症につながりやすい食品を避ける必要があります。
• 精製糖、加工フルクトース、穀物など。空腹時インスリン値が3μU/mL以上の場合は、穀物や糖分をかなり減らしてインスリンの量を調整する必要があります。インスリン抵抗性は、慢性の炎症を起こす大きな原因となります。
一般的なガイドラインとして、フルクトースの摂取量を一日25グラムまでに抑えることをお勧めします。インスリン抵抗性やレプチン抵抗性(高血圧、高コレステロール、心臓病、肥満体などの場合)がある場合は、一日15gまで減らしてインスリン/レプチン抵抗性が正常値になるまで続けてください。
• 酸化コレステロール (加熱しすぎた食品やスクランブルエッグのような悪臭のあるコレステロール)
• 高温調理された食品、特に植物油脂を使っている場合(ピーナッツ由、コーン油、大豆油など)
• トランス脂肪酸
加工食品を、ホールフード(理想的にはオーガニックのもの)に替えると、ほぼ自動的にこれらの問題を解決することができます。食品の大部分を生で食するとなお効果的です。また、これと同時に、定期的に腸内に善玉菌を供給し続けることも重要です。
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