Dr. Mercolaより
ジムでのワークアウトは、腹筋、殿筋、二頭筋など注目が集まりそうな部位に偏っているのではないでしょうか。一部の男性は「見せ筋作り」と解釈しているようです。
しかし、フィットネス・トレーナーや、指圧療法師などの専門家の方に言わせると、怪我、まっすぐな姿勢、腰痛に対処するには、強靱な上体と背筋を作ることが最大の防御なのです。ここ5年間ほどで、あらたな背中や腰のトラブルが出てきています。長時間スマートフォンを操作することが原因です。
「テキストネック」(スマホ首)は、メールをするだけでなく、コンピュータ操作時、ゲームをしている時などの姿勢が原因となります。「画面を見る時間」の増加による首のトラブルは比較的新しい傾向ですが、背中の上部の痛みは新しいものではありません。
背中が丸まり、肩が前傾になると、背中の上部の筋肉が引き伸ばされ、胸の筋肉が凝ります。
これが悪循環となって、正しい姿勢で座ることが難しくなります。上体と背中のワークアウトをおこなうと、姿勢を保つための筋肉が強化され、背中や胸の筋肉が際立たせることができます。
上体と背中の筋肉を鍛えると、筋肉のしなやかさが増し、筋肉量も増加し、じっとしていてもカロリーを消費できる肉体へと導きます。
筋肉トレーニングは、コンパウンド種目とアイソレーション種目があります。アイソレートリフトや、等尺性収縮では、一つの筋肉、または一つの関節のみを動かして鍛えます。
ボディビルの世界では、ワークアウトのバランスを良くすると考えられていますが、筋肉は本来、単独で動くものではありません。他方、コンパウンド種目では、最低2つの関節(中間に主要筋群が位置する)を動かします。
四頭筋を例に考えてみてください。四頭筋は太ももの前面にある4つの大きな筋肉です。これらの筋肉を完全に動かすには、膝と股関節を動かさなければなりません。
この動きは複合(コンパウンド)的な動きです。スクワットでは、臀筋、腹筋、ハムストリング、ふくらはぎの筋肉を動かします。
コンパウンド種目を筋肉トレーニングに取り入れると燃焼カロリーが増加し、日常生活での運動量も増します。ワークアウトがより包括的な内容になり、コーディネーションやバランスが向上し、関節が安定します。
コンパウンド種目を正しくおこなうと、怪我のリスクも減少し、心血管系トレーニングとしても有効な心拍数を保つことができます。
ウェイトを上げる時の速さが、トレーニングの結果を早く得られるかどうかを左右することをご存じでしょうか。実は、スーパースロートレーニングが筋肉量のアップと怪我の予防に最適なのです。さらに、結果が出るのが早いという特徴があります。
スーパースロートレーニングでは、筋肉を激しく疲れさせます。これにより、細胞レベルで代謝を高める筋肉が疲労に反応して筋肉を成長させます。
細胞レベルで、筋肉を動かすタンパク質のフィラメントの全てに働きかけるのです。ワークアウトの間、より多くの筋肉を使い、より大きな利益を得ているということです。
筋力トレーニングでは、安全が最優先です。フリーウェイトのトレーニングに慣れていない場合、パーソナルトレーナーの指導を受けるか、ウェイトマシンを使いましょう。こちらがスーパースロートレーニングの手順です。
ワークアウトにしっかりと集中でき、体勢を崩さないように気をつける必要もありません。
チェストプレスの場合だと、ウェイトを押し切るまでに7-10秒かけることになります。押し切ったら、反対に、7-10秒かけてウェイトを胸の位置に戻していきます。
ゆっくりとした動作により筋肉に継続的な負荷を与え、急速に疲労がたまります。怪我の予防のためにも、ウェイトを動かすことよりも、筋肉を収縮させることが大切です。
筋力トレーニングのスピードをここまで遅くすると、高強度トレーニングとして有効です。
上体と背筋を鍛える効果が高いエクササイズは、プルアップ(懸垂)とベンチプレスです。プルアップ(懸垂)が難しい場合は、マシンを使ってラテラルプルダウンをすると同様の効果が得られます。他のエクササイズも数種類つけ加えると、上体や背筋を全体的に鍛えることが可能です。
1. プルアップ(懸垂)
(解説は英語のみ)
プルアップ(懸垂)は、体操の動作としての難易度は中程度ですが、多くの人にとって難しい動作です。時間をかけてトレーニングすれば、プルアップバーの使い方にも慣れて、強靱な胸筋と背筋を作り上げることができます。
プルアップとチンアップの違いについては諸説ありますが、目指す効果は同じです。一点だけ違いっている所は、リバースグリップ(手のひらが自分に向ける)でバーを持ち、二頭筋および大胸筋を動かすのがチンアップと考えられています。
バーからぶら下がって腕と肩の力だけで全体重を持ち上げると考えるだけでも難しそうです。プルアップができるようになるまでは、マシンを使ってラテラルプルダウンをしましょう。次いて、方法をご紹介します。プルアップ(懸垂)をワークアウトのルーティンに加えるためのプログラムです。
ラテラルプルダウンのマシンで筋力をつけながら、ぶら下がる時間を段々と長くしていきましょう。ぶら下がる時のフォームにも気をつけてください。
プルアップ(懸垂)ができたら、次に示す筋肉に変化があらわれているはずです。
2. ラテラルプルダウン
ラテラルプルダウンは、ウェイトマシンを使うエクササイズで、前述の表で紹介した筋肉を強化します。プルアップ(懸垂)の練習として最適で、スーパースロートレーニング法を用いておこないます。ラテラルプルダウンの方が合っているという方は、プルアップ(懸垂)にこだわらなくてもかまいません。
両手の間隔を肩幅より広くすると楽です。肩幅と同じくらい(中くらい)、肩幅より狭いの3段階です。
3. ベンチプレス
ベンチプレスは定番の筋肉トレーニングで、主に、大胸筋と三頭筋に効果があります。関連して、三角筋(後部)、回旋筋腱板、菱形筋なども鍛えられます。ベンチプレスで正しい効果を得るためには体勢が重要です。体勢が悪いと怪我につながります。腕の位置によって、効き目のある筋肉が変わります。
バーベルのベンチプレスで、肘が身体の近くに置くと、大胸筋よりも三頭筋に負荷がかかります。肘を身体から離しすぎると、肩関節に負荷がかかりすぎます。肘を45度に曲げると、運動効果が高く、肩にも負担がありません。
ベンチプレスマシンを使うと、肘を正しい位置に保つことが可能になり、怪我のリスクが少なくなります。
注意:
4. ダンベルロウ
ダンベルロウは、姿勢や背筋を支える役割を持つ、広背筋、僧帽筋、菱形筋に効果があります。背中の筋肉は前かがみの姿勢で引っ張られているので、強化することで背中の上部の痛みを軽減し、筋肉を際立たせる効果があります。
5. プランク
肩、背中、体幹の筋肉に効果のある簡単なエクササイズです。プランクは、背筋群の柔軟性を増し、姿勢を正しく保つ筋肉を鍛えます。
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