普通の野菜がスーパーフードになる方法


発酵野菜

早分かり -

  • 腸は、膨大な数の善玉菌、悪玉菌の両方の住みかである。体内の菌の数は、細胞の数より遙かに多く、その比率は10対1である。善玉菌と悪玉菌のバランスを保つことが、肉体的、精神的、情緒的な健康の基本である。
  • 発酵野菜などの発酵食品は腸の健康維持にふさわしい食品である。カップ1/4-1/2の発酵野菜を一日に1-3回食べると、毒素や重金属などの解毒作用をはじめとする劇的な変化が現れる。
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Dr. Mercolaより

Nutritional Therapy Practitioner (NTP、栄養療法士)のCaroline Barringer氏は、Natasha Campbell-McBride医師の著書、Gut and Psychology Syndrome(GAPS、腸と心の症候群)に掲載されている栄養プログラムに含まれる料理の専門家です。

私が初めてCarolineさんにお目にかかったのは、2011年11月に開催されたThe Weston A. Price Foundation (ウェストンA.プライス基金)が開催するWise Traditionsというイベントでした。

私はすぐに、自分の食生活にメニューを取り入れました。そして6週間後には、長い間悩まされてきた歯垢がかなり少なくなったことに気がついたのですが、それは非常に嬉しい驚きでした。

発酵野菜のおどろくべき健康増進効果

どの民族にも長い歴史を持つ発酵食品が存在し、その健康増進効果は広く認められてきました。

発酵の過程では、人体に有効な微生物が作られます。これらの菌は、腸内フローラを整える効果があり、さらに免疫力を増進させます。さらに、腸は第二 の脳とも呼ばれます。人の気分をよくする神経伝達物質であるセロトニンを脳よりも多く生成するためです。この事からも、腸内の健康を維持することで、心身 ともに良い効果があるのです。

発酵食品は、キレート剤や解毒剤としても効果的です。重金属をはじめとする様々な毒素を体内から排出させる作用を持ちます。これは、McBride 医師が提唱するGAPS栄養法の効果の一面です。この栄養法では、発酵食品を自己治癒工程に取り入れ、体が本来持っている解毒作用を回復させます。大量に 食べる必要もありません。

Carolineさんは、1/4-1/2カップ(60-120 g)の発酵野菜、ヨーグルトなどの発酵食品を一日1-3食食べることを推奨しています。解毒効果が高いため、急にたくさん摂り過ぎると、解毒の反応が「好 転反応」として現れる事があります。Caroline さんは、少量から初めて段々と1/4-1/2カップに近づけて行くことを勧めています。こうすることで、腸内の細菌叢が調整されていきます。

「大量に、急激に摂り過ぎると、ダイオフ反応により、不快な症状が現れるかもしれません。これは、一番大変なポイントです。体内菌のバラン スが崩れると、体は本能的に、発酵食品を多く求めます。そのせいで、発酵野菜を一瓶まるごと食べてしまうのです。そこに好転反応が現れると、もう発酵食品 は食べたくないと思い込んでしまうのです。」と、Carolineさんは述べています。

「段々と始めましょう。そうすれば、頭痛や、発疹に悩まされることはありません。悪玉菌を自然に排除し、便通も快適に、形も良くなり、良い ことずくめになります。本能にまかせましょう。何かしっくりこないことがあっても、「あまり良くなかった、不快な症状が出て、自分には合わなかった。」 と、すぐに発酵食品をやめてしまわないで下さい。体の声を聞きましょう。やめるのではなく、「ペースを緩めて」ください。

発酵食品のバリエーション

理想的には、様々な種類の発酵食品やドリンクを取り入れてほしいものです。食品が異なれば、その分多くの種類の微生物が取り入れられます。自宅でも簡単に作ることができる発酵食品をご紹介します。

  • 発酵野菜(離乳食など)
  • チャツネ
  • 調味料類(サルサ、マヨネーズなど)
  • 発酵乳製品(ヨーグルト、ケフィア、サワークリームなど)
  • 魚類(サバやサーモンのグラブラックスなど)

自分で簡単に作れる発酵野菜

Crock-Potなどのスロークッカーでも良いのですが、Caroline さんのお勧めは、野菜を直接メイソンジャーに入れていく方法です。スロークッカーを買わずに済みますし、火加減の調節の手間もありません。一度に作る量も 少なくて済みますし、スロークッカーで心配な、野生酵母の増殖がありません。これらの酵母が増殖すると、チーズのような味になり、とても食用にはむかない 物になってしまいます。

ご自宅で手軽にできる、発酵野菜レシピをCarolineさんにご紹介いただきました。

  1. 野菜を細かく切っていきます。
  2. セロリを絞ります。天然の塩分を含んでいるため、野菜が空気に触れないよう漬け込み液として使います。病原菌の発生を抑える目的の食塩を加える必要はありません。野菜、セロリの汁と菌(培養スターター、ケフィア株や、ホエイ、Complete Probioticsなど市販の粉末スターターで野菜人使える物)を、900 g入りの広口瓶に投入します。空気が入らない様に、のし棒などでしっかりと野菜を押し込めて下さい。
  3. キャベツの葉を上に置いて、端を押し込んでいきます。野菜が、セロリの汁に完全に浸かるようにして下さい。また、セロリの汁は瓶の入り口ぎりぎりまで達して、空気が瓶に入らないようにしてください。
  4. 蓋をして、暖かく、少し湿気のある所で24-96時間(中身による)発酵させて下さい。理想的な温度は20度から24度です。暑すぎる場所は菌が死んでしまうので注意しましょう。
  5. できあがったら、発酵が進まない様に冷蔵庫に保管してください。

Carolineさんお勧めの、発酵が上手くいくための瓶の保管方法をご紹介します。(暑い場所は向いていません。22度くらいが最適です。)

「瓶をクーラーボックスに入れ、床に直接クーラーボックスを置かないようにしましょう(床は放熱するため冷たい場合が多い)。瓶はタオ ルにくるんで、クーラーボックスに温水の入った瓶と一緒に入れて保温しましょう。思い出したら、温水の瓶を交換しましょう。気にしすぎなくても大丈夫で す。

キャセロールやオーブン皿に入れてタオルでくるみ、オーブンに入れておく。オーブンは使わないが、庫内灯を浸けておきましょう。庫内灯の熱が野菜の温度を保ちます。

もう一つの方法をご紹介しましょう。できるだけ多くの瓶を低めの温度で乾燥機にかける事です(一度に入るのは数瓶と思われますが)。作業が 大変なので、一度にできるだけ多く漬けたほうが楽でしょう。個人的には、クーラーボックスを使うのか、オーブン発酵のどちらかが好きです。失敗することが ありません。」

一つ大事な注意点があります。瓶から直接食べないで下さい。口内の菌が瓶の中に入ってしまいます。食べる野菜を出すときは、清潔なスプーンでとりわけ、瓶の中の野菜がきちんと汁に浸かっていることを確認し、蓋を閉めましょう。

おいしい発酵野菜を作るコツ

  1. キャベツを全体の8割ほど使いましょう。ニンジン、サツマイモ、ビート、カブなどの固い根菜は、発酵野菜のベースとなりえますが、金額的に根がはります。
  2. 中くらいのサイズのキャベツ5-6個で、約900 gの発酵野菜ができます。
  3. 紫キャベツでも普通のキャベツでもかまいませんが、固くて重みがあり葉が詰まっているものを選びましょう。軽くて葉が多い種類のキャベツは、水っぽくなり、上手く発酵しません。
  4. 他にも、赤、黄色、オレンジなどのカラフルなピーマン、カボチャ、ディル、パセリ、ケール、コラード、赤や黄のビートなど、お好みで野菜を追加しましょう。ピーマンは、味が強いので、適度に使いましょう。12-14本の瓶にピーマン1つが適量です。
  5. オーガニックの野菜にしましょう。
  6. 皮は苦くなることが多いので、むいておきましょう。
  7. タマネギやニンニク、ショウガなど、香りの強い食品を入れる場合は、気を付けましょう。発酵で匂いが増幅します。やり過ぎないこと!中サイズのクローブ数個で、12本の瓶の味付けに十分だと思います
  8. タマネギは少量でも非常に強い香りがします。ですから、Carolineは、タマネギを使うメニューは入れていません。
  9. ハーブを使う時は、新鮮なオーガニックのハーブを少量使います。一緒に使うと美味しいのは、バジル、セージ、ローズマリー、タイム、オレガノなどです。
  10. ミネラル分、ビタミンや食物繊維を補強するために、海藻を入れましょう。ダルスを1枚で、またはフレークで入れても良いでしょう。わかめやシーパームなどの磯の香りが強くない海藻は、まず、真水にさらししてこまかく切ってください。アラメやひじきは、磯の香りがします。
  11. 夏の期間は、12-14瓶に対して、スターターカルチャーを2袋使いましょう。冬は3袋です。
  12. 夏の時期には、野菜は3-4日で発酵終了します。冬は、7日ほどかかるかもしれません。でき具合を確かめるには、蓋を開けて味見してください。丁度良い味なら、瓶を冷蔵庫に入れます。

必要な道具類

目的に合った道具は仕事を楽にします。何でもかんでも必要なわけではありません。広口瓶と、野菜をスライスしたり細かく切ったりするためのフードプロセッサー

広口瓶は、地域の金物屋やスーパーにもあります。Amazon.comをはじめ、多くの方がネットでお買い物するようになりました。900 g入りの瓶は丁度良い大きさですが、用途に応じて、小さい瓶も大きい瓶もあります。作業がしやすいので、なるべく広口の瓶にしましょう。手が瓶の中に届く ので、空気が入り込まないように、しっかり野菜を瓶の中に詰めていきましょう。

Carolineさんは、次のように説明しています。

「酸素が入らない様にしてください。瓶の中身が何であれ、空気に触れないようにしましょう。空気に触れないため には、漬け込み液にしっかり浸かっている必要があります。広口の瓶なら、中身をしっかり押し込んでいく事ができます。クラウトパウンダーも便利です。見た 目は野球のバットを小さくしたようです。krautpounder.comで、購入できます。このpounderで、野菜をしっかり瓶に詰めていきましょ う。これで、蓋をすると、発酵に適した、完全に空気のない環境ができるわけです。

Carolineさんは、パワーと性能の面で、次のメーカーのフードプロセッサーをお勧めしています。

  • クイジナート、エリートシリーズこちらは、一般的な家庭用タイプで、Amazon.comで購入可能です。とても信頼性の高い、パワーのある機種で、大容量の14カップなので、何度も何度も付け替える必要がありません。
  • Waringの業務用シュート付きフードプロセッサーヘビーデューティで高品質なこのプロセッサーは、発酵野菜を今後、一度にたくさん作ってみたい方にお勧めします。買ってみる価値あり($599以上)。こちら製品は、まだAmazon.comでご購入いただけません。