科学が証明するパパイヤの11の効能


パパイヤの効能

早分かり -

  • 北米のスーパーマーケットで入手可能なパパイヤは、主にハワイ産の遺伝子組み換え作物である。オーガニックのパパイヤをお勧めする。
  • パパイヤには、ガン予防、鎮痛作用、心血管系疾患の予防などから、糖尿病患者の血糖値を下げる効能がある。
  • 用途も広く味も良いため朝食にも夕食にも、サラダやデザートとして取り入れることが可能。
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Dr. Mercolaより

メキシコ南部や中央アメリカにのみ生息しているイメージがあるパパイヤですが、現在、熱帯、亜熱帯地方の多くの国々に生息しています。

成木になり実を付けるためには限られた気候条件が求められるものの、温度や湿度の管理ができれば、プランターでも栽培可能です。

パパイヤは短命ですが成長は速く、一年目で3-3.5mにまで成長します。パパイヤは木のように見えますが、空洞になった緑色または濃い紫色の茎で、株元にいくほど色が濃い大きな草と言えます。

商業的な面での主要産地はハワイ、アフリカの熱帯地方、フィリピン、インド、オーストラリアなどがあります。

ハワイ産と、メキシコ産の2種類に分類されます。よくスーパーなどで売られているのはハワイ産のものです。ハワイ産の方が背丈が低く、実のサイズも小さいので収穫がしやすいためだと思われます。

メキシコ産のパパイヤの実は、重さは4.5 kg、長さは40 cmほどになります。実も種も食べられます。パパイヤはジューシーで甘みがあり、味はスイカにも似ています。種は黒コショウのようなスパイシーな味わいです。

家庭で栽培する場合は、実の甘さを保つために、4年毎に植え替えが必要になります。ハワイ産パパイヤ、中国産パパイヤのほとんどが遺伝子組み換え作物(GE)です。遺伝子組み換え食品(GMO)を避けたい場合は、オーガニックのパパイヤを購入することが大切です。

パパイヤの効能

パパイヤは想像を超える健康効果を持つ非常に機能性の高い果物です。しかし、農薬や、殺菌剤を散布されたパパイヤは、健康効果を上回る健康被害があるかもしれません。健康の害にならないように、オーガニックのパパイヤを選びましょう。

  1. ビタミンCA

    パパイヤの実はオレンジよりもビタミンCが豊富です。1カップで、一日の推奨量の約1.45倍にもおよぶビタミンCが含まれています。

    ビタミンCは、心血管系疾患、脳卒中、乳ガン、胃ガン、アルツハイマー病、白内障、痛風などの予防効果のほか、免疫系の機能をサポートします。

    一日の推奨量の31%におよぶビタミンAを含んでおり、これは、遺伝子の発現、妊娠中や産後の経過、赤血球の生成のほか、皮膚ガン、乳ガン、肝臓ガン、前立腺ガンなどの予防効果があります。
  2. 関節炎の痛みを軽減

    パパイヤに含まれるパパインやキモパパインは、抗炎症効果をもたらしています。この抗炎症作用により、関節の痛みを抑えることが可能です。

    さらに、「Annals of Rheumatic Diseases」に掲載された研究報告では、ビタミンCの不足が関節炎のリスクを高めるとする説について議論がなされています。

    ビタミンCとパパインを豊富に含むパパイヤは、関節炎を予防したり、痛みや炎症を和らげたりする効果があります。
  3. 生理痛を軽減

    パパインには、生理痛を和らげたり、生理中の血流をよくすると言われています。
  4. 心血管系疾患の予防

    パパイヤはスーパーで購入できる食品の中で最も多く葉酸を含んでいます。葉酸はホモシステイン値を低下させる重要な働きを持っています。

    ホモシステインとは心血管系疾患リスクの増加と関係があると言われているアミノ酸です。さらに、葉酸は、胎児における神経管障害を予防する重要な働きを持っています。
  5. DNAの損傷を防ぐ

    パパイヤには、細胞中のDNAの損傷を防ぐ効果のある抗酸化物質が含まれています。ガンの予防効果や皮膚の老化を抑えることができるのはこのためだと考えられます。
  6. 糖尿病患者の血糖値を下げる

    発酵パパイヤは、糖尿病患者の血糖値を下げるとされています。場合によっては、低血糖症になる可能性があります。食事に取り入れる前に、血糖値の管理について医師に相談して下さい。

    低血糖が起こるのは、発酵パパイヤの効果です。フルクトースをかなり多く含むため、糖尿病を患っている場合は、そのままのパパイヤを適量食べる様にしましょう。
  7. 黄斑変性症を防ぐ

    パパイヤは、ビタミンAが豊富に含まれています。これは、黄斑変性症やその他の目の病気を予防する効果があります。
  8. アルツハイマー病における抗酸化作用

    代謝の過程で体内にフリーラジカルが産生されます。これは、ストレス、偏った食生活、環境汚染物質などによるものです。他の様々な反応や化学物質と同じく、フリーラジカルもバランスが整った状態でも存在しています。

    食べたものが引き金となってフリーラジカルが過剰に生成されると、体内で酸化ストレスが発生します。脳内のフリーラジカルが増えると、アルツハイマー病が進む原因となると言われています。

    ある研究では、発酵パパイヤを6ヶ月間食べたグループでは、DNAの酸化ストレスによる損傷、老化、ガンの進行を示すバイオマーカーが40%減少したことがわかりました。
  9. 前立腺ガン

    抗酸化物質とビタミンCを豊富に含むパパイヤは、特定のガンに対する予防効果が高いことがわかっています。ある研究では緑茶とリコピンに前立腺ガンを予防する効果があることがわかりました。そしてパパイヤにはリコピンが豊富に含まれています。
  10. 消化促進

    パパインはタンパク質の消化を助ける消化酵素です。熱帯に住む人々は便秘や、過敏性腸症候群の治療に古くからパパイヤを用いてきました。パパイヤは消化が良く繊維分も豊富で腸の調子を整える効果があります。
  11. 種、果肉の持つ抗ガン作用

    実は美味しいだけでなく、種と一緒に周囲のどろどろした部分も食べられます。ある研究では、種や周囲の部分に含まれるベンジルグルコシノレートと言う成分には、ガンを抑える作用があることがわかりました。

    この研究では、種の周囲の部分に含まれるベンジルグルコシノレートは、成熟前に多くなり、種に含まれる量はどの時期でも一定であることがわかりました。

良いパパイヤの選び方

パパイヤは、収穫後、自宅で熟する果物です。まだ少し緑色か黄色の若いパパイヤを選びましょう。買った後は、2-3日冷蔵庫に入れずに熟されます。

完熟したパパイヤは、明るい黄色で触ると果肉が柔らかくなったのがわかります。店にある時点で柔らかすぎたり、傷があるものは避けましょう。

家に持ち帰って、完熟させたら、ビニール袋に入れて冷蔵庫で7日間まで保管できます。柔らかくなりすぎる前にいただきましょう。熟させる方法として、紙袋(茶色)に入れておくこともできます。熟する過程で放出されるエチレンガスを袋に閉じ込めて成熟を促す方法です。

中の果物が腐らないように、袋は冷暗所に保管して下さい。前述のとおり、オーガニックのパパイヤを購入しましょう。農薬が残留したものや、遺伝子組み換えのパパイヤがたくさん流通しています。

パパイヤの食べ方

熟したパパイヤはそのままで食べるのが一般的です。皮と種を取り除いて、スイカと同じようにV字型に切ると良いでしょう。ぴりっとした味わいを添えるために、種を残しておくこともあります。果肉をサイコロ切りにしてフルーツサラダやフルーツカップ、サルサなどにしても良いでしょう。固い場合は、野菜のように味付けをして焼いて食べることもできます。完熟していれば、ピューレにして、デザートのソースとして楽しめます。

実を半分に切り、種と周囲のドロドロの部分を取り除いて、真ん中のくぼみにレーズン、イチゴ、くるみ、牧草牛のヨーグルトをかければ、ヘルシーなデザートの完成です(フルクトースの摂りすぎにならないようにほどほどの量にしましょう)。スムージーや、サラダのトッピングにも向いています。熱帯のエネルギーたっぷりの果物を色んな方法で楽しんで下さい。

毒性とアレルギー

1960年代以降、生殖能力(男性、女性とも)や妊娠期間中に与えるパパイヤの影響を評価する研究がなされてきました。動物実験では、熟す前の果肉に多く含まれるラテックスが早産を誘発することを示す結果が出ています。果肉にも、実験動物の月経周期に影響を与える結果が出ました。これらの実験結果は、もちろん人間では実証されていません。

パパイヤによるアレルギーの臨床報告はほとんどありません。あったとしても、口内のかゆみやはれ、鼻水などが代表的な例です。パパイヤにはキチナーゼという酵素が含まれており、これがラテックス(または含有食品)にアレルギーがあると相乗効果を示す可能性があります。

パパイヤの実に健康に良い効果がたくさんあるのはわかっていただけたと思いますが、結局の所、病気の予防や健康のためには、食生活そのものが総じて健康である必要があります。私の考えた理想の栄養プランなら、みなさんの食生活を変え、生涯の健康や理想的な栄養状態を維持するためのお役に立てると思います。

+ 出典および参考資料