不安を抑える効果のあるフレーズ

不安

早分かり -

  • 「わくわくする。」と大きな声で言うだけで、不安な気持ちをわくわく感に変えることができる。
  • 不安とわくわく感がもたらす身体への影響は非常に似ているため、不安というネガティブな気持ちも、わくわく感という肯定的な気持ちに置き換えることができる。
  • スピーチの前にわくわくすると述べた演者は、リラックスし、長い時間、説得力があり内容の濃いスピーチを発表することができた。
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Dr. Mercolaより

不安な気持ちになった時、自分で落ち着いてリラックスするように促してみたことがあると思います。それも一つの方法ですが、効果抜群とは行かなかったのではないでしょうか。

スピーチの前など、不安や緊張を伴うような状況下では、心臓がどきどきして、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。つまり、極度の緊張状態と、リラックスした状態という、あまりにもかけ離れすぎた心身の状態に気持ちを整えることは非常に難しいことです。

より効果の高い選択肢として、ハーバード・ビジネス・スクールのAlison Wood Brooks教授は、真反対の提案をしています。それは、「わくわくしている。」と思い込む方法です。

不安を抑える効果のあるフレーズ。「わくわくする。」

興奮と不安は全く異なる感情ではありません。興奮はプラスの感情であるのに対し、不安はマイナスの感情であるところが異なります。しかし、これらの感情によって起こる身体的な影響については区別しがたいのです。

そのため、不安というネガティブな気持ちを、わくわく感という肯定的な気持ちに置き換えることは難しいことではありません。ただの噂ではない本当の話です。

Brooks教授は、2014年に、不安を興奮に置き換えて考える方法についての一連の実験を行いました。Journal of Experimental Psychology誌に次の様に報告しています。

「落ち着こうと試みた人と比べて、不安を興奮に置き換えることができた人は、気持ちの高まりを利用してパフォーマンスが良くなります。

自分に言い聞かせたり(大きな声で「わくわくする。」と言う。)、声をかけてもらったり(「さあ気持ちを高めて。」など)することで気持ちが高まり、チャンスを生かす姿勢(恐怖心とは反対の態度)に気持ちを固めることでパフォーマンスが向上するのです。」

感情を置き換えることでより良いパフォーマンスを

Brooks教授の実験では、被験者に、スピーチをする、数学の難しい問題に回答する、カラオケを歌うという、緊張を伴う状況を体験してもらいました。被験者は、自分への声かけの仕方や心の持ち方を変えただけで、パフォーマンスを向上させることができました。結果は次のとおりです。

スピーチ

被験者には、聞き手を説得する内容のスピーチをしてもらうこと、その様子は録音され、審査員による審査が行われることを伝えた。被験者は、スピーチの前に、「わくわくする。」「落ち着いて。」のいずれかの言葉を発声した。

スピーチの前にわくわくすると発声した演者は、リラックスし、より長い時間、説得力があり内容の濃いスピーチを発表することができた。

数学の問題

被験者は、「わくわくしていこう。」「落ち着いていこう。」のいずれかの言葉を読んだあとに、数学の問題を解いた。「わくわくしていこう。」という言葉を事前に読んだグループは、「落ち着いていこう。」と書かれていたグループや、事前に何も読まなかったコントロール群と比較して、正答率が平均8%高かった。

同様に、2010年に行われた研究では、不安をポジティブな気持ちに置き換えると(こうすることでパフォーマンスが向上することも伝えた)、GRE標準テストでの正答率が向上した。

カラオケ

課題曲は、Journeyの「Don’t Stop Believin」で、被験者は、歌う前に、「不安」「落ち着いている」「怒っている」「悲しい」と発声した。American Psychological Association(アメリカ心理学会)は、次の様に報告しています。

「歌う前に、『わくわくする。』と発声した被験者は、カラオケシステムの判定の結果、音程、リズム、音量など平均80%の正確さで歌うことができた。

『落ち着いている』『怒っている』悲しい』と発声したグループでは平均は69、『不安』と発生したグループの平均は53であった。『わくわくする。』と発声したグループは、より気持ちが高まって、自信を持って歌うことができたと感想を述べている。」

Brooks教授によると、不安な気持ちがさらに、悪い結果などの否定的なことを思い巡らせる原因になると述べています。

「わくわくする。」と発声して、良い結果が出ることに気持ちを向けることで、良い効果が得られるのです。「はじめは、なかなか信じられない事ですが、「『わくわくする。』と実際に口にすることで、本当にわくわくする気持ちがわいてきます。」と教授は述べます。

慢性の不安は内的要因によるもの

不安な気持ちが起こる際は、スピーチをするといった外的要因があります。また、慢性的な不安は内的要因によるもので、脳に影響を与える可能性があります。

怒鳴り声や、暴言の多い環境で育つと、脳は、いやな出来事や不安の感情に警戒するようになります。

不安に慣れてしまった人が多いため、それが問題であることに気づいてさえおらず、知らず知らず苦しんでいるのです。不安感が大きくなりすぎると、社会的な孤立、身体症状、うつをはじめとする精神面の問題を起こす可能性があります。

不安は、一般的な感情です。不安は、ストレス同様、闘争・逃走反応を引き起こします。心拍数、血液の循環、反射が高まり、闘争(または逃走)に備えます。

不安はストレスに対する正常な反応であり、制御不能になることも

不安はストレスに対する正常な反応ですが、対処不能なほどに影響を受けてしまい、日常生活に支障が出てしまう人もいます。これには、脳も大きく関与しています。National Institute of Mental Health(国立精神衛生研究所)は次の様に説明しています。

「脳内に恐怖や不安を生じさせる部位が存在します。科学者は、扁桃体や海馬が多くの不安障害に大きく関わっていることを発見しました。

扁桃体は脳の奥にあるアーモンド状の部位で、外界からの刺激による感覚信号を処理する部位とこれらの信号を処理する部位の中枢として機能します。

脅威の存在を脳の他の部位に伝え、恐怖や不安の反応を起こします。扁桃体の中心に蓄積された情動の記憶が、犬、くも、飛行機など特有のものへ恐怖心を示す不安障害に関与している可能性があります。

海馬は恐怖の出来事を記憶する部位です。

EFTで効果的に不安を和らげる

不安がある場合は、感情解放テクニック(EFT)のようなエネルギー心理学ツールを試すと良いでしょう。EFTでは、体の各所にある様々な経穴を指先でタッピングして刺激しながら、自分で決めたフレーズを発声していきます。

EFTは、希望や喜びといったポジティブな感情をもたらし、不安のようなネガティブな感情を少なくします。

物事が脅威であるかどうかを決定づける脳の部位である扁桃体や海馬に働きかけるため、ストレスや不安を解消する効果が高いとされています。EFT によって、コルチゾール(ストレス下や不安を感じる時に増加するホルモン)が低下することもわかっています。

EFTは自宅で誰にでもできる方法ですが、不安症状が継続している場合など、深刻な症状の自己治療にはお勧めできません。

深刻な症状や複雑な問題の場合は、EFTの専門家の指導を受けましょう。不安のような根の深い問題を癒やすためのタッピングを習得するには時間がかかります。タッピングは、実践することで上達していきます。

不安を和らげる自然な方法

不安障害を抱える人のうち、治療を受けているのはたったの1/3と言われ、治療を受けている人の多くが薬を処方されています。Valium、Ativan、Xanaxなど、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の処方は、1996年から2013年までに3倍に増加しています。

過剰摂取による死亡例も、この期間に5倍に増加しています。しかし、治療法は必ずしも薬だけではありません。薬を試す前にライフスタイルを変えてみませんか。失うものはありません、得るものばかりです。試してみると自然な方法で不安を解消できることに驚くでしょう。不安を感じたり、パニックの発作が起こる場合は、次の項目を試して見て下さい。

運動

運動により、鎮静効果のある神経伝達物質、GABAを分泌する新しいニューロンが作られます。また、セロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリンのような強力な脳化学物質の濃度が上昇し、ストレスに対抗する効果があります。体を活発に動かすと、「ランナーズハイ」としても知られる、幸福感をもたらします。

心拍が上がり、体を動かす感覚には、一度経験すると忘れられない良い意味での中毒性があります。

腸内フローラを整える

腸と脳は、互いに影響し合いながら、協調して機能します。このため、腸の健康と精神面の健康は深く関わり合っています。つまり、食事が精神面の健康に密接に関わっていると言えます。

これまでの研究によると、プロバイオティクスであるラクトバチルス・ラムノサスは、脳のある部位でのGABAの量に影響をおよぼし、ストレスに誘発されて発生するコルチコステロンというホルモンを減少させ、不安やうつに関連する行動を抑制する効果があることがわかりました。ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC3001というプロバイオティクスは、伝染性大腸炎のマウスに見られる不安による挙動を抑える効果があることがわかっています。

このため、善玉菌で腸内フローラを整えることが非常に有効であると言えます。腸内フローラを整えるには、糖分の多い食品や加工食品を控えて、野菜はデンプン質の少ないものを摂り、加工植物油を避け、健康に良い油分を用いることをお勧めします。さらに、発酵野菜を多く摂り、効能の高いプロバイオティクスを摂ることが腸内フローラを整えるのに有効です。

オメガ3脂肪酸

イワシ、カタクチイワシ、天然のアラスカ紅鮭などから、高品質で動物性のオメガ3脂肪酸(クリルオイルなど)を摂りましょう。オメガ脂肪酸のEPAやDHAは、感情面の健康に重要な役割を持っています。ある研究では、オメガ3脂肪酸を摂った学生で、不安が20%減少したことがわかっています。