ハイビスカスのエキスが、肥満を解消し、肝臓を保護する

ハイビスカスティー

早分かり -

  • ハイビスカスエキスは、代謝を整え肝臓を保護する効果があることは良く知られている。
  • ハイビスカスエキスを摂取した肥満体の被験者において、体重、BMI、体脂肪、ウエスト・ヒップ比が減ったとする研究結果が報告されている。
  • ハイビスカスエキスにより、血中の遊離脂肪酸(肥満や未管理の糖尿病では濃度が高くなる)が減少した。
  • ハイビスカスエキスを摂取した被験者で脂肪肝の改善が見られ、研究者グループは、ハイビスカスエキスに含まれるポリフェノールの効果が高いと結論づけた。
  • ハイビスカスティーもまた、血圧、血中脂肪の組成、代謝異常などを整え、健康に良い効能があることがわかった。
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Dr. Mercolaより

アメリカでは、ハイビスカスは綺麗な花として有名ですが、世界的には、古代から利用されてきた健康に良い特徴があります。

私もたくさん植えていましたが、食べやすい果物やベリー類に植え替えてしまいました。それでも、簡単に利用できるハイビスカスティーを習慣的に飲んで、エキスを楽しんでいます。

ハイビスカスの花びらが落ちると、深紅のガク(カップの様な形状)が、つぼみのようなさやに成長します。この赤いガクがハイビスカスエキスや、真っ赤な(美味しい)ハイビスカスティー(サワーティーとも呼ばれる)の原料となります。

古代エジプトのファラオは、体温の調節のためにハイビスカスティーを飲んでいたそうです。イランでは、ハイビスカスティーは、焦燥感や睡眠障害を和らげるのに使われています。

他にも、心臓の調子(血圧など)や、呼吸器系の調子を整えるためにも古くから用いられてきました。現代では、代謝にもたらすハイビスカスティーの効能について研究がなされ、体重の維持やその他の効果があることが示唆されています。

ハイビスカスエキスは、今の所、アメリカではあまり有名ではありません。研究が進み、ポリフェノールによる新たな効能が解明されればすぐに多くの人の知るところとなるでしょう。

ハイビスカスのエキスは、肥満、お腹の脂肪、脂肪肝に効果がある

ハイビスカスエキスは、代謝を整え、肝臓を保護する効果があることが良く知られています。2014年2月に発表された研究報告によると、18-65歳の肥満体の被験者に12週間ハイビスカスエキスを投与したところ、興味深い結果が得られました。

体重、BMI、体脂肪、ウエスト・ヒップ比が減少したのです。さらに、ハイビスカスエキスにより、血中の遊離脂肪酸(肥満や未管理の糖尿病では濃度が高くなる)も減少していました。

ハイビスカスエキスを摂取した被験者で脂肪肝の改善が見られ、研究者グループは、ハイビスカスエキスに含まれるポリフェノールの効果が高いと結論づけました。研究グループは、次のように報告しています。「ハイビスカスエキスは、肥満や非アルコール性脂肪肝の予防効果があります。」

ハイビスカスの肥満を抑制する効果について立証しているのは、ごく最近の研究です。2007年の研究では、ハイビスカスエキスにより、肥満状態にあるマウスで著しい体重減少が見られたことがわかっています。

ハイビスカスエキスの5つの効能

ポリフェノールは、植物に含まれる成分で、病気予防効果、抗酸化作用、老化防止作用があることが知られており、ハイビスカスエキスに多く含まれています。研究によると、ハイビスカスエキスが原住民の間で高血圧、肥満、肝臓の不調を治すために広く使われていたことがわかりました。現在では、複数の研究で、ハイビスカスエキスの素晴らしい効果が明らかになっています。

  • 抗ガン作用。研究によると、ポリフェノールを多く含むハイビスカスエキスが、胃ガン細胞の細胞死を促したことがわかりました。ハイビスカスエキスは、白血病細胞の細胞死を促すこともわかっています。
  • 抗酸化作用。研究によると、ハイビスカスエキスを摂取すると、抗酸化作用が全身に行き渡り、酸化ストレスを減少させたことがわかっています。また、同じ研究で、体内に吸収されたハイビスカスエキスが、生体内分解性が高く、生物利用可能性にも優れた成分であることがわかりました。
  • 腎臓結石、肝臓の保護。ある研究によると、ハイビスカスエキスには、尿路結石を防ぐ効果があり、腎臓結石の形成を抑える可能性があることがわかりました。化学物質によって汚染された魚から肝臓を保護する効果があることもわかりました。
  • 糖尿病。ハイビスカスエキスは、糖尿病患者の血圧、血中脂肪の組成を改善させる高い効果があることがわかっています。
  • 代謝異常。ハイビスカスエキスは、代謝異常の予防や治療に高い効果があることがわかっています。ある研究では、ハイビスカスエキスを毎日摂取すると1ヶ月で血糖値、コレステロール値、中性脂肪の値が改善し、代謝異常症候群患者のインスリン耐性の改善効果があることを発表しています。

紅茶より優れているハイビスカスティーの効果

ある研究機関の発表によると、紅茶が持つ多くの健康増進効果のほとんどが、ポリフェノールによるとしています。しかし、緑茶や紅茶の健康増進効果の方が注目を浴びています。実際は、ポリフェノールの量に応じて、どのお茶にもそれぞれの特性があります。ハイビスカスティーは、ポリフェノールについては、紅茶に勝ることを示唆する証拠も存在します。

例えば、ある研究では、糖尿病の患者に紅茶かハイビスカスティーを一日2回1ヶ月間飲ませる実験を行いました。ハイビスカスティーを飲んだグループでは、血中脂肪の組成に、紅茶のグループでは見られなかった大きな改善が見られました。

同様の研究でも、中程度の高血圧を伴う糖尿病の患者がハイビスカスティーを飲むと血圧が下がり、紅茶の場合は上昇したことがわかりました。お茶が好きなら、色々な種類のお茶(オーガニックが望ましい)を試すと良いでしょう、例えばハイビスカスティー(紅茶と違い、カフェインが入っていない)はお勧めです。血圧やコレステロール値の調子を整える他にも、ポリフェノールには次のような効果があります。

  • 体重管理を助ける。
  • 記憶や集中力を助ける。
  • 心臓の調子を整える。
  • 免疫機能を助ける。
  • 抗酸化回路におけるビタミンCの働きを強める。

体重の管理に苦労していませんか?肥満を解消するコツという記事を読んでみて下さい。しかし、誰にとっても一番簡単な方法は、糖分の入った飲み物を水に替えること、そして、時には肥満を抑える効果のあるハイビスカスティーなどの健康的な飲み物を飲むようにすることです。