Dr. Mercolaより
30歳に達すると10年ごとに10-20%ずつ白髪が増えていく可能性が高くなっていきます。これは、どうしようもない事実で、いつかは誰しも白髪になります。
髪に色をつけるのはメラニンという色素の働きです。髪の一本一本に、黒いメラニン(ユーメラニン)と明るい色のメラニン(フェオメラニン)が含まれています。これらのメラニンが相互に働いて様々な髪の色が生まれます。
若い時は、メラノサイトという色素幹細胞により、ケラチンを含む細胞内に色素が転送されます。
ケラチンは髪を構成するタンパク質で髪の色にも関係しています。年齢と共にメラニンは減少し、段々と灰色になって、最終的には真っ白な髪(メラニンが残っていない状態)になります。
メラニンが減り、髪色が薄くなる具体的な原因は最近まで不明のままでした。ある国際研究チームが、白髪の原因とされる初の遺伝子を発見しました。
この研究では、6,000人以上のラテンアメリカ人を対象に、頭髪やひげの白髪、はげ、ひげの濃さ、一本眉、眉の濃さなどについてゲノム全体の関連調査をおこないました。
これまで、ヨーロッパ民族のブロンドの髪を決定づけるとされてきた遺伝子が、白髪にも関連しており、被験者における白髪の約30%がこの遺伝子の影響を受けていることが判明しました。
70%は老化、環境要因、ストレスやその他の原因によるものです。研究者達は、この遺伝子の経路を操作して白髪を防ぐ方法(薬剤も含まれますが、髪の毛の色のために薬を使うことはお勧めしません)を探っています。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのポストドクター研究員であるKaustubh Adhikari博士はTIME誌に次の様に話しました。
「毛包のメラニンの量を左右して髪の内部の構造を変えてしまうタンパク質の働きを止める薬剤が完成するかもしれません。伸びてくる髪が思いのままになるので、ヘアダイの必要はなくなるでしょう。」
イギリス、ブラッドフォード大学の細胞生物学教授Desmond Tobin博士は、毛包の働きは、メラニン細胞の働きを抑える「メラニン生成時計」に制御されると述べています。さらに、米国議会図書館は次の様に発表しています。
「Tobin博士は、白髪は、老化と遺伝によるもので、毛包ごとに色素の量が遺伝的に決まっていることを示唆している。 つまり、白髪の進行の度合いは、毛包ごとに異なる。進行が速い人もいれば、何十年もかけてゆっくり進行する人もいるということである。
「Tobin博士は、白髪は、老化と遺伝によるもので、毛包ごとに色素の量が遺伝的に決まっていることを示唆している。
つまり、白髪の進行の度合いは、毛包ごとに異なる。進行が速い人もいれば、何十年もかけてゆっくり進行する人もいるということである。
例えば、白人では30代中頃で白髪になり始めるが、アジア人では30代後半が多いことが知られています。アフリカ系アメリカ人は、一般的に40代中頃まで白髪にはなりません。
白髪の原因はほかにもあります。
若白髪は病気のサイン?
若白髪の一番の原因は遺伝であるとされています。つまり、家族に若白髪の人がいれば、貴方にもその可能性があるということです。
肥満と若白髪の関連も指摘されています。また、若白髪は、病気のサインである可能性も示唆されています。例えば、若白髪は、骨減少症の重要なサインかもしれません。
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(臨床内分泌学&代謝学誌)に発表された研究によると、若白髪のほかに病気のリスクがない人は、白髪がない人に比べて、骨減少症の発症が4.4倍でした。これについて、研究者グループは、次のことを示唆しています。
「若白髪と骨量の低下のつながりは、最大骨量や骨のターンオーバーを制御する遺伝子と関係している可能性がある。」 甲状腺の疾患、貧血、白斑のほか、若白髪は、若い喫煙者における冠状動脈疾患(CAD)のリスク増加との関連も指摘されています。これについて、研究者グループは次のように述べています。 「若白髪は、特に若い喫煙者においては、若年性冠状動脈疾患の診断時に予備的証拠として利用できる。」
「若白髪と骨量の低下のつながりは、最大骨量や骨のターンオーバーを制御する遺伝子と関係している可能性がある。」
甲状腺の疾患、貧血、白斑のほか、若白髪は、若い喫煙者における冠状動脈疾患(CAD)のリスク増加との関連も指摘されています。これについて、研究者グループは次のように述べています。
「若白髪は、特に若い喫煙者においては、若年性冠状動脈疾患の診断時に予備的証拠として利用できる。」
一般的に、白髪はストレスによってできると信じられています(思春期の子を持つ親、任期中に白髪になった前大統領などが良い例でしょう)。
このことについて科学的に証明しているのは、2011年Nature誌に発表されたノーベール賞受賞者のRobert Lefkowitz博士の研究のみです。
この研究では、ストレスによる闘争・逃走反応がDNAを傷つけ、老化、ガン、神経精神病、流産などの原因となり、髪の色素を制御する遺伝子にも影響を与えることがわかりました。
研究者グループは、まもなく白髪を治す方法が見つかると考えています。ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターの研究者グループは、メラニン細胞と別の幹細胞間で色素の沈着を調整する、Wntタンパク質の分離に成功しました。
黒いマウスでWnt経路を阻害すると、マウスの毛が灰色になりました。Wntタンパク質をヘアケア製品やサプリメントに使うことで、白髪を治すことができると考えています。
一方、白髪と過酸化水素の蓄積の関連性を調べた最初の研究では、紫外線B波によって活性化させたPC-KUSが過酸化水素の蓄積を妨げ、白髪を治すことができることを明らかにしました。
この治療は、白斑がある肌の治療にも用いられます。FASEB誌の編集長である、Gerald Weissmann 博士は、Medical News Todayに次のように話しています。
「何世代もの間、白髪を隠すための多くの方法が考えられてきました。今度こそ、根本的な治療法が初めて開発されたのです。」
白髪を治す方法を探しているということは、白髪は解決したいトラブルなのですよね。しかし、白髪は本来、体に悪い訳ではありません。事実、健康面でいうと、毒性のあるヘアダイを使うより、白髪になった方がましです。
シルバーの髪を楽しんでみようかなと思っているなら今がチャンスです。いわゆる、「おばあちゃんヘア」が、今流行しています。お金を払って髪をグレーにしているのです。貴方のグレーの髪は天然ですから、ただで流行のヘアが手に入ります。ニューヨークのヘアスタイリストのJan-Marie Artecaはロイターに次のように話しています。
「おばあちゃんヘアは基本的にはグレーの髪で、色々な色調があります。スチールグレー、シルバーグレー、紫や銀色がうっすら入った白などが流行しています。」
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