ヨガの利点 — 一般的な健康問題への利用に関する研究者の意見

ヨガ

早分かり -

  • 近年の研究により、心房細動の人(不整脈)はヨガをすることで恩恵が得られることが分かっています。
  • 定期的にヨガ教室に3カ月通うと、心臓の不安定な動きの発現が50パーセント低下すると言われています。平均心拍数も、ヨガの後は、1分間67回から1分間に61から62回に落ちていました。参加者は、不安感や気持ちの落ち込みも少なくなったと報告していました。
  • ヨガの心の健康面での効果について考察している100点以上の研究をよく調べてみると、ヨガには気分の落ち込み、睡眠の問題、統合失調症、注意欠陥多動障害(ADHD)によい影響を与えるという証拠が見い出せます。
  • 昨年発行されたある研究では、ヨガがエネルギー摂取とエネルギー消費の調節に重要な役割を担うホルモンである、レプチンに有益な影響があることが分かっています。
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Dr. Mercolaより

正しいライフスタイルへと変えるために行動を開始すれば、皆さまの心身は着実に変わっていかなければならない のです。ヨガは、それにふさわしい注目を近年浴びています。

近年の2つの研究から、定期的なヨガ教室が心房細動(不整脈)や一般的な精神系疾患を好転するのに役立つことが分かります。

最適な健康のためには、エアロビクス運動(高強度間欠的運動)を組み入れる必要もあるとは思いますが、ヨガが包括的な運動プログラムにおける重要な要素であることは疑いようがありません。

ヨガは特に体の柔軟性や中心的な筋肉を増進するのに役立ち、背痛にお悩みの場合は、有益であることが証明されています。こちらの記事で後ほどお分かりになると思いますが、もし激しい動きのある運動へ取り組むには体重が重すぎる、というような場合にもヨガは健康を好転させるのに役立つはずです。

理想的には、有酸素運動、無酸素運動およびウエイトトレーニングも入った包括的なフィットネスプログラムに加えて、柔軟運動およびヨガのような中心的構築運動がお望みだというところでしょう。あるいは基盤トレーニング(Eric Goodman博士考案)は、 ヨガの理念を多く取り入れていますが、かなりの時間を着座に費やしているためほとんどのアメリカ人が損傷する恐れのある筋群に焦点をおくよう加減されています。

心拍数が不規則ですか?ヨガが役立つかもしれません...

最初の特集研究には平均5年間で、心房細動(AF)と診断されたことのある49名の患者が含まれています。AFは、心臓の上心房が不規則に震える症状です。

これらは、通常、症状を緩和する目的でβブロッカーのような薬剤を処方されますが、これらの薬はすべての患者に効くわけではなく、かつ多くの副作用を伴います。

βブロッカーは、通常心臓を刺激する効果のあるアドレナリンホルモンを「遮断」することにより作用します。これらの薬は、心拍数を遅くし、無理をした時に心臓が必要とする酸素量を低減させますが、つまり心臓がそれほど懸命に動かなくて済むようになるということです。

これらの薬剤は、高血圧の治療に30年以上用いられてきており、米国ならびに国際的な健康ガイドラインの両方で防御の第一線として推奨されています。

大抵の場合において効果的でないことはさておき、これらの薬剤はいくつか名前を挙げるだけでも心臓発作、卒中、2型糖尿病ならびに性機能不全などの深刻な副作用を勢ぞろいさせる原因となることで知られています。

薬パラダイムの危険性を考慮すると、これは、確かにより安全な代替や付加を見当するのが道理に叶い、かつ、ヨガはかなりの救済をもたらす可能性があります。

調査の最初の3か月間は、患者の心臓の症状、血圧、心拍数、不安や落ち込みの度合、一般的な生活の質について評価と追跡を行いました。第二相では、患者は最低週に2回3か月間にわたり、ヨガ教室に通い、その一方で患者の症状を追跡しました。

研究の終わりの頃には、報告された患者の心臓の震えの回数(ハートモニターで確認)は、半分まで落ちました。これらの患者の平均心拍数についても、最初の3か月間平均1分間67回だったものがヨガの後には、1分間に61から62回に下がりました。参加者は、不安感や気持ちの落ち込みを感じることも少なくなったと報告していました。不安スコアは、平均34(尺度は、20~80)から平均25に落ちています。

著者によると:

「ヨガの前後では、心拍数、収縮期と拡張期血圧に顕著な減少があり...発作性AFの患者は、ヨガによって症状、不整脈の負担、心拍数、血圧、不安感や不安スコア、および生活の質におけるいくつかの領域で改善されます。」

心の健康面におけるヨガの影響

関連するニュースでは、デューク大学の研究者が近年心の健康に対するヨガの効果について考察している100以上の研究への評論を発行しました。デューク大学のメディカルセンターでである精神医学と医学の教授である、著者のP. Murali Doraiswamy博士は、Time誌で以下のように語りました:

「ほとんどの個人がヨガが何かしらの鎮静効果を算出することをすでに知っています。個々では、人は身体運動をした後は気分が良くなります。精神的には、気分が落ち着き、すっきりして、満足感があることでしょう。今、「文献」をすべて一緒にまとめることができるかどうかやってみる時がきたとしましょう...個々の人たちが認めた利点が精神疾患の人に役立てるために使えるという十分な証拠があるかどうかを見るのです。」

これらの所見によると、ヨガは明らかに以下について良い効果があるようです。

  • 軽症うつ病
  • 睡眠問題
  • 統合失調症(薬物治療を受けている患者より)
  • ADHD(注意欠陥多動障害)(薬物治療を受けている患者中)

研究の中には、神経伝達物質に影響を及ぼし、セロトニンを増大することによって、ヨガが抗うつ薬や精神療法と同様の効果がある可能性があると示唆しています。ヨガは、また、炎症、酸化ストレス、血液脂質および増殖因子のレベルを低減することも分かっています。Time誌による報告:

「ヨガを精神疾患の補完処置として支援することは、まれです。ヨガは、米国全土に渡る多くのベテランセンターの特色であり、復員軍人手当部により創設された研究により後援を受けています。ハフィントンポストは、多数の軍隊がヨガをPTSD(心的外傷後ストレス症候群)の治療の一環として用いており、例えば、Warriors at Easeのように軍関係向けに特別に提供されるヨガ技術のトレーニングをインストラクターに行う企業と行っています。今月初旬に出版された研究では、70の現役部隊で日課的なヨガで不安感の解消や睡眠改善がされたことが分かっています。
この研究者は、心の健康に対するヨガの効果における大がかりな研究を行う正当な理由となる十分な証拠があるとし、より多くの障害治療の一環としてとらえることができるはずだと語っています。

「我々が言いたいのは、精神疾患のある人にとってヨガが治療の第一線に代わると結論づける前に、大規模な研究で、より詳細を調べる必要がまだあるということです。」Doraiswamy氏は語りました。プロザックを捨てて、ヨガにしろと言っているのではないということです。ヨガが有望であり、可能性があると言いたいのです。もし、より大規模な国家研究が行われれば、ヨガが単に良いという結果でなく、まだ対処されていないニーズのある人にとって安価な代替となる可能性があるのです。」

その一方で、彼は患者がいずれの潜在的利益をも授与できるように既存の治療にヨガを加えても、差し障りはないと言っています。」

運動はうつ病にとって一番の「薬」でしょうか?

心理心理学者の中には、運動がうつ病治療不安感およびその他の気分障害の第一次形式として信じている人もいます。研究者は、エアロビクス運動養生法を受けている患者のうつ状態に改善、つまり、薬物治療を受けた場合と比較しての改善が見られたことを繰り返し示しています。この結果は、運動が実質的に無料で、多数のそのほかの健康上の利点を提供してくれると捉える場合に実に印象的です。

運動は、うつ症状を緩和するだけでなく、再発の防止にもなると思われます。例えば、1990年代後半にデューク大学で実施されたある研究では、うつ病患者を3つのグループに分けました。

  • 運動のみ
  • 運動と抗うつ剤
  • 抗うつ剤のみ

6週間後、抗うつ剤のみのグループはその他の2つのグループよりわずかに良くなりました。しかしながら、10か月後の事後点検で、一番緩解および良好率が高かったのは、運動のみのグループでした。別の調査では、軽度から中程度のうつ病と診断された20歳から45歳の80人の成人が参加したもので、研究者は運動単独で状態の治療および所見について検討しています。

  • 低強度の運動を週に3から5日行った人は、症状が30パーセント低減しました。
  • ストレッチ柔軟性運動を1週間に3日、15分から20分行った参加者は、平均して29パーセント低下していました。

体重減少と健康維持のためのヨガ

興味深いことに、昨年発行されたある研究では、ヨガがエネルギー摂取とエネルギー消費の調節に重要な役割を担うホルモンである、レプチンに有益な影響があることが分かっています。この著者によると、ヨガ初心者は、熟練者と比較してレプチンのレベルが36パーセント高く、定期的なヨガ運動がレプチンやアディポネクチンの生産量を変えることにより、健康に寄与する可能性があると理論を立てるに至ったそうです。

「こちらでは、ヨガ初心者と熟練者のアディポネクチンおよびレプチンのデータを比較しました。レプチンは炎症促進性役割があり、アディポネクチンは、抗炎症作用の機能があります。レプチンの値は、熟練者と比べて初心者では、36パーセント高かったのでした。熟練者のアディポネクチン対レプチンの平均比率は、初心者のもののほぼ2倍でした。」

インシュリンとレプチン抵抗性の両方が肥満と関連しており、受容体への情報伝送機能の障害は、ほとんどの慢性変性疾患の真の基礎コアです。

レプチンは、脳に空腹かどうか、食べてもっと太らせるか、再生すべきか、もしくは(部分的にはインシュリンによって制御を受ける)維持および修理にかかるかどうかを伝えます。手短に言うと、レプチンは、皆さまの脂肪が脳にどの位のエネルギーが利用可能なのか、非常に重要なのは、それをどうするかを伝える手段だということです。

よって、レプチンは代謝に重要な食物連鎖の頂点にある場合があり、レプチンの信号が適切に作動している場合は、病気と関連しています。

脂肪が「満杯」に蓄積されている場合、これは、余剰な脂肪がレプチンレベルの上昇を引き起こし、脳に空腹感を停止させる信号を送り、食べるのをやめさせて、脂肪の蓄積を停止し、余剰の脂肪の燃焼を開始します。空腹感の制御は、レプチンがエネルギー補充を制御する主要(であるが、これに限らない)な方法です。空腹は非常に強烈で、古来からの根強い原動力であり、長時間刺激されると、食べてエネルギーをもっと貯蔵しようとします。

長時間にわたり、空腹になることなく少量食する唯一の方法は、空腹を調整するホルモンの、主要なものであるレプチンを制御するこの方法しかありません。

包括的フィットネスプログラムを目指す

ヨガやその他の修復運動は、身体の調子を変化させて強化し、循環や酸素の流れを改善して、日中は活気を与え、晩にはくつろがせてくれます。しかし、近年の研究で、ヨガを心房細動や一般的な精神疾患(柔軟性や中心的筋肉を促進したり、背痛を緩和するなどの多くの健康上利点もさながら)の改善に利用することを支持している一方で、わたしは、あらゆる運動を最適な健康状態のために日常的に盛り込むことが重要であると考えます。

理想的には有酸素運動、無酸素運動およびウエイトトレーニングも入った包括的なフィットネスプログラムに加えて、柔軟運動およびヨガのような中心的構築運動がお望みだというところでしょう。

Eric Goodman博士考案の、基盤トレーニングは、特に背痛のある人やヨガをするには虚弱すぎる人にとって、有用となりうる簡素でエレガントなアプローチです。基盤トレーニングは、皆さまのコアのすべてです。Goodman博士は、コアが骨盤に繋がるすべてであり、それより上になるのか下になるのか、そしてこれが膝腱、臀筋そして内転筋を構成しています。基盤トレーニングは、これらの筋肉が統合された動きの連鎖により一緒に動き、これが体を動かす構造的な設計法であることを教えてくれます。また、これによって構造的な呼吸方法が分かるようになり、特に座った時の姿勢を改善できるようにしてくれます。