筋肉は付けにくく減りやすい

ウェイトトレーニング。

早分かり -

  • 年齢とともに、筋肉の健康を保つのはどんどん難しくなります。筋肉はやせて弱くなり、転びやすくなったり骨折しやすくなったりします。最新の研究では、筋肉が衰える理由や対処法が報告されています。
  • 年を取ると、若い人と比べて食事から筋肉を作るスピードが遅くなるという研究結果が出ています。
  • また、年齢と共に、筋肉の分解を抑制する機能も低下することが分かっています。年を取った人では筋肉が減り続けることの説明がつきます。食べても筋肉が作られないだけでなく、食間や夜間に起こる筋肉の分解をインスリンにより抑制できていないのです。
  • ウェイトトレーニングは、筋肉中の血流を若返らせ、高齢層の方の筋肉量の維持に役立つ可能性があります。
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Dr. Mercolaより

これらの発見は、常識的に知られているとおり、「使わなければ衰える」という表現と同じ考え方です。年齢を重ねるほどに、運動はますます健康と長生きのために重要な要素となります。

筋肉の分解を防ぎ、取り戻すには

この研究では、シニア世代に差し掛かっていくに連れて、筋肉の分解を引き起こす生物学的プロセスについて説明しています。

すでにご存じだと思いますが、タンパク質は筋肉の成長と維持に欠かせません。この研究では、しかし、年齢と共に、食事から取り入れたタンパク質を使って筋肉を作る力が大幅に衰えると報告されています。

さらに、若い被験者に比べて、インスリンの効果が落ちていることも分かりました、高齢層では、食間や夜間に起こる筋肉の分解がインスリンによって抑制されないのです。

さらに悪いことに、高齢層になるほど座っていることが多くなります。血液の循環も悪いため、栄養素やホルモンが筋肉にしっかり届いていないことも重要な原因です。

血液の循環によい自然療法は運動ですが、研究チームによると、週に3回のウェイトトレーニングを20週間継続すると、四肢への血流が若い人と変わらない程度にまで若返り効果が見られたそうです。
素晴らしい効果ですね。

筋肉の回復を不能にする薬剤とは?

次の話題に進む前に、お伝えしておきたいことがあります。座ることが多いライフスタイルの他にも筋肉の分解の原因となるのは、スタチン製剤です。

スタチン製剤はコレステロール値を下げる目的で処方され、世界的にも多く処方される薬です。

様々な副作用があるのですが、その中に横紋筋融解症という筋組織が変性する重度の症状があります。生命の危険もある症状です(心臓も筋肉なのでこの薬剤の影響を受けるため)。

Lipitor、Zocor、Pavacol、Mevacorなどのスタチン製剤は、HMG-CoA還元酵素(コレステロールの合成をおこなう)を阻害してコレステロール値を下げます。しかし、これらの製剤は、Atrogin-1遺伝子を活性化し、筋肉の萎縮の原因となります。

最新の研究では、これらの薬剤は、少ない量でもAtrogin-1遺伝子に起因する筋肉の損傷が見られたと報告されています。使用量が多いほど、損傷も大きくなります。

健康な身体に導くためのウェイトトレーニングの重要性

残念なことに、エクササイズのプランに筋肉トレーニングを盛り込む人は多くありません。筋肉を付けたくはないので必要ないと思っているのです。

抵抗トレーニングによる筋力強化は、減量目的の場合は特に、あらゆる包括的なフィットネスプログラムにおいて欠かせない要素となっています。

しかし、ウェイトトレーニングは美容のためではありません。

抵抗トレーニングの強度により、分子レベル、酵素、ホルモン、化学物質など体内に有益な変化をもたらし、運動不足になりがちな生活習慣が原因で起こる病気の進行を抑え(消えることも多い)ます。

このような理由から、糖尿病や心臓病、骨の劣化(骨粗鬆症)、可動域の制限、あらゆる痛みを予防したい人、そして年齢と共に進んでいく筋肉の分解を防ぐために、ウェイトトレーニングは欠かせないのです。

ウェイトトレーニングで心臓病や糖尿病のリスクを減らす

体内には2種類の脂肪があります。皮下脂肪と内臓脂肪です。

  • 皮下脂肪は皮膚の下にあり、でこぼこやセルライトの原因となります。
  • 内臓脂肪は、反対に、お腹の周りや肝臓、心臓、筋肉などの重要臓器の周囲につきます。内臓脂肪は、心臓病、糖尿病、脳卒中、その他の様々な慢性疾患など、深刻な健康問題との関連が示唆されています。

心臓病(その他の慢性病)のリスクを減らすための対策は、炎症の悪化を抑え、同時に内臓脂肪を増やさないようにすることです。

心臓病のリスクを減らすには、運動も重要です。運動もまた、炎症を抑え、内臓脂肪の蓄積を抑えます。例えば、ある研究では、運動をしない人は8ヶ月後に8.6%内臓脂肪が増えていたのに対し、運動をした人では、同期間に8%体脂肪が減っていたことが分かりました。

これは、筋肉が多いほど、消費カロリーが高く、一日中、運動していないときや睡眠中にもカロリーが消費されるためです。筋肉を付けるほど、一日の消費カロリーは自然に増加するため、脂肪が蓄積されにくいのです。

炎症を抑える効果については、炎症時に上昇するC反応性蛋白(CRP)の血中濃度が運動によって自然に下がります。

CRPの血中濃度が高いと、平均以上の心血管系疾患のリスクがあるとされており、コレステロール値よりも信憑性があるとの意見もあります。

筋肉トレーニングで骨粗鬆症を予防

ウェイトトレーニングは、骨粗鬆症に最も効果が高い方法だとされています。

骨密度を高める薬の利用は最終手段にしてください。間違いなく利益よりも長期にわたる害の方が大きいです。

骨は非常に多孔性で柔らかい組織です。年齢と共に密度が減り、もろくなります。運動をしない場合は特にそうです。

抵抗トレーニングは骨が弱くなるのを防ぐことができます。筋肉に負荷をかけるため骨にも負荷がかかり、これに反応して常に新しい骨が作られる様になるからです。

さらに、筋肉量が増えたり、筋肉が鍛えられると、骨にはさらに継続して圧をかけることができます。

日常的にできる加重エクササイズ(今の体力にもよりますが)は、ウォーキングランジです。ウェイトを持たなくてもできて、股関節の骨密度を高める良い方法です

活動的に過ごしましょう!

健康は、活動的な生活習慣にかかっています。新鮮なホールフードの食事を摂り、加工食品はできるだけ避けましょう。ストレスへの対処も重要です。

このような、建康に必要な基本項目をおろそかにすると、建康を害したり、様々な病気に発展してしまいます。さあ、身体を動かしましょう。年齢なんて関係ありません。

いつもの運動に、必ず筋肉トレーニングを取り入れてください。いくつになってもしなやかで、若く、独立した生活を保つための第一の秘訣です。