最新研究報告「喘息は自然な方法で治す」

喘息

早分かり -

  • 喘息は大人にも子供にも、ますます大きな問題となってきている。実際、喘息の患者数はこの20年で300%以上も増えている。
  • しかし残念なことに、ほとんどの医師がビタミンDを喘息の治療に用いるという考えを知らない。
  • もし本当にビタミンDの欠乏が喘息の主な根本原因ならば(事実であると考えます)、多くの人が不必要にこの命にも関わる病気にかかっているということになる。というのもビタミンDの欠乏というのは簡単に治すことが可能である。
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Dr. Mercolaより

喘息は大人にも子供にも、ますます大きな問題となってきています。実際、喘息の患者数はこの20年で300%以上も増えています。

この重い病気に効果のある簡単で、かつ信じられないくらい安価な治療法を試してみたいと思いませんか?

残念なことに、ほとんどの医師はビタミンDを喘息の治療に用いる方法をご存知ないようですが、このサイトを読んでくださっているみなさんには、科学的かつ安全で安価でしかも自然な治療法による様々な症状への対処法をご紹介します。
それが私達の専門領域なのですから。

もし本当にビタミンDの欠乏が喘息の主な根本原因ならば(事実であると考えます)、多くの人が不必要にこの命にも関わる病気にかかっているということになります。というのもビタミンDの欠乏というのは簡単に治せるからです。

さらに、多くの人が一般的な喘息治療薬が本来持っている危険性に不必要に身をさらしているということは言うまでもありません。

例えばアドベア(Advair)は、長時間作用性β2刺激薬(LABA)であるサルメテロールを含んでいます。2006年の研究によると、LABAを定期的に使用すると喘息の発作が悪化する可能性があると報告されています。米国でのサルメテロールによる喘息関連の年間死亡者数は5,000例は下らないだろうと研究者らは推測しています。

また、従来の喘息治療は心臓病および骨粗しょう症のリスクを高める他、様々な副作用をあります。

非常に効果の高い何百倍も安全な喘息の治療法を知りたいと思いませんか?

ビタミンD欠損症が喘息の根本原因である可能性

上記研究の研究主任は次のように報告しています。

「喘息を持っているアフリカ系アメリカ人の子供には、ビタミンDテストを行うことと、適量のビタミンDを摂取するようにすることを基本のプライマリ・ケアとする必要があります。」

そうなのです!
これはアフリカ系アメリカ人の子供達に限ったことではありません。USA Todayによると、米国小児科学会の定める一日のビタミンD摂取量の基準である400IUをクリアしているのは、アメリカ全土の子供のうち、なんとたった5-37パーセントだと報告されています!

この基準量はくる病予防には効果が現れていますが、より深刻な病気であるガン、心臓病、感染症、そして喘息を防ぐには至りません。

小児科の勧める1日の摂取量は、ほとんどの子供にとって不十分な量で、健康増進効果を得るには、なんと、その10倍の量が必要であると、過去の研究でも報告されています。

さらに、お腹の中にいる時からお子さんの健康のための準備は始まっているということを忘れてはいけません。

2007 年の研究では、出生後の子供自身によるビタミン D の摂取とは無関係に、妊娠中の貧しい食生活やビタミンDの欠乏が、お腹の子供が喘息になるかどうかの決定要因であるということが発見されました。

その他、複数の研究で、ビタミンDが肺の健康に効果があると発表しています。

ビタミン D によって発現が増加する 3,000 の遺伝子の中には、抗菌ペプチドを生成する遺伝子が 200 あり、その中には、薬効範囲が広い抗生物質のような働きを持つものもある。

子供における 25 (OH) ビタミンD値と下部呼吸器感染症の発症率は反比例の関係にあることを示す研究の一部をご紹介します。これはつまり、お子さんの血中ビタミンD濃度が高ければ高いほど、呼吸器感染のリスクが低くなるということです。

  1. 2009年 、上部呼吸器感染症(URI)を発症した新生児におけるビタミンD欠乏の研究。新生児と母親の血中ビタミンD濃度に強い相関関係が見られることが確認された。これらの新生児の87%以上、および母親では67%以上において、血中ビタミン D 濃度が 20 ng/ml 以下であり、これは深刻なビタミン D 欠乏状態にあると言える。

    ビタミンDが欠乏状態にある新生児ほどURIのリスクが高いようである。また子供と母親の血中ビタミンD濃度は強い相関関係にあるので、母親は妊娠期間中、特に冬の間はビタミン D の摂取を進んで行い赤ちゃんの健康を守るように、と研究者らは勧めている。
  2. インドで実施された類似の研究(2004年に発表)でも、乳幼児期のビタミン D 欠乏が重度のURIを発症する確率を高めると報告された。
  3. 2009年の第3回全国健康栄養診断調査(Third National Health and Nutrition Examination Survey)では最近上部呼吸器感染(URI)にかかった12歳以上の人19,000人以上を対象に、血中ビタミンD濃度との関連性を調査した。

    血中ビタミンD濃度が低いとURIのリスクは高くなるという関連性の他、喘息患者や慢性閉塞性肺疾患の患者では、この関連性がより強かった
  4. また別の2009年発行の『小児科研究 (Pediatric Research) 』に掲載された論文によると、乳幼児や子供はビタミン D が欠乏しているとバクテリアよりもウイルスに感染しやすくなると報告されている。また、これまでの例が示すように、子供の健康において、ビタミン D、感染症、免疫機能はお互いに強く関連しあっているので、小児医療において、ビタミンDの摂取が非常に有益な治療となるだろう、ということも述べている。

そうなのです。喘息治療においては免疫機能を高めることは欠かせない要素であり、ビタミン D は驚異的な免疫調整機能を持っているのです。あなたのお子さんの血中ビタミンD濃度を高めることが重要である理由です。

我が子の血中ビタミン D 濃度を高めるために

忘れないでください。一日の推奨摂取量は400IUですが、それ以上の量を摂る必要があります。治療的な効果のある量を摂取させる必要があります。理想的には、子供に安全な範囲で日光浴をさせてビタミン D を生成するのが理想です。大人よりは屋外で過ごす時間が長い子供の方が多いですが、それでも十分に日光浴をしているとは言えません。日焼け止めを塗っている場合は特にそうです。

日焼け止めを付けずにお子さんに日光浴をさせてください。ひどい日焼けにならないように十分な配慮が必要です。肌が明るいピンクになるくらいで十分です。それ以上日光を浴びてもビタミンDは生成されず、肌を傷めるだけになってしまいます。

もしお子さんが定期的に日光を浴びられない場合は、経口サプリメントをお勧めします。錠剤を飲み込めないくらい小さなお子さんの場合はビタミンDドロップ(液状)でも大丈夫です。

最新の研究によると、推奨される摂取量は体重 1 ポンドあたり35 IU(1kgあたりおよそ77 IU)です。ここで注意しておかなければならないのですが、経口サプリを摂取し始めたらお子さんの血中ビタミンD濃度を検査してもらって、治療効果のある 50-70 ng/ml に収まっているかどうか確認してください。

正しい検査を適切な機関で受けるようにしてください。米国の場合ですとLabCorpをお勧めします。お子さんの血中濃度が 60 ng/m l程度を保ちながら、さらに運動を取り入れ、以下に紹介するようなオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを上手にとった場合は特に、喘息の症状はストップするでしょう。

その他の安全で有効な喘息治療法

喘息は深刻な病気ですが、安全に治療することは難しいことではありません。お子さんの血中ビタミン D 濃度を高めるのがまず第一歩ですが、もう一つ、この病気の根源と向き合う、非常に基本的でシンプルな治療法もあります。
私の経験から申し上げても、これから紹介する方法は喘息の治療にとても効果があります。

  • 動物由来のオメガ3脂肪酸を多く摂取させる。お子さんの食生活に良質の動物由来のオメガ3脂肪を取り入れることを強くお勧めします。

    もちろん、植物由来のオメガ3脂肪酸も必要なのですが、植物由来のオメガ3脂肪酸に含まれる ALA を素早く代謝して、よりハイランクのDHAやEPAに変換するメカニズムをほとんどの人は持っていないのです。ちなみにこのDHAやEPAは抗炎症作用のある成分です。
    私は魚油をお勧めする場合もありますが、多くの人にとって、オメガ3脂肪酸の供給源としてはクリルオイルが適しています。
  • オメガ6脂肪酸の摂取を減らす。お子さんの食生活にオメガ3脂肪を取り入れることに加えて、オメガ6脂肪酸の摂取を減らしてください。オメガ6脂肪酸を減らしましょう。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が非常に大切です。

    気がついていないかもしれませんが、約100年前に人々が摂取していた植物由来のオメガ6脂肪酸は年間にわずか 450-900 g でした。ところが今日、私達は年間に平均34-36 kgの植物油(コーン油、大豆油、ベニバナ油)を摂取しているのです。
  • 衛生仮説について考える。現代文化の中では、得に子供に関して、清潔さに神経質すぎる傾向があるようです。健康のためだったはずが、健康に良いとは言えない状況です。子供の時に一般的なバクテリアやウイルスにさらされることは、喘息を自然に防ぐ免疫システムを刺激するのに役立つと見られています。
  • 定期的な運動を運動(喘息の傾向がある場合には特に屋外の新鮮な空気の中で)すると、インシュリンレベルの調整に役立つので重要です。運動によりインシュリン受容体の感受性が増し、その結果、インシュリンの分泌量は減り、適正な状態となります。

アレルギーテストを用いて免疫システムを強化するのも良い方法の一つです。しかし、私の経験から申し上げると、従来的な検査はあまり効果がなくリスクも高めです。より良い方法として紹介できるのは、皮内皮膚試験である誘発中和法です。

自然な治療としてはセイヨウフキPetasites hybridusが使えます。この多年生の植物は古代から様々な症状の治療に用いられてきました。すでに17世紀には、セイヨウフキは咳、喘息、皮膚の傷の治療に使われていたのです。

その後研究によって、セイヨウフキに含まれる化合物には、喘息の症状を悪化させるロイコトリエンやヒスタミンを阻害する効果があることが明らかになりました。

また、低温殺菌された乳製品も喘息を悪化させる原因として有名だということも心に留めておいてください。

結論

この様に、ビタミン D の欠乏は数多くの病気や体の不調の原因となっています。そしてビタミンDの摂取ほど安全で簡単な治療法は他にないのです!

これまでにご紹介した様な簡単な方法で、気管支拡張薬やステロイドのような薬が実質不要になりますし、なによりご自身とご家族の健康をきちんと管理できるのです。