Dr. Mercolaより
鳥インフルエンザ、豚インフルエンザからエボラに至るまで、ここ数年は、ウィルスの話題が世の中を賑わしましたが、実被害はさほどないまま、現れては消えていったのが現状です。
そして今年は、 Zika ウィルスです。ブラジルで多数報告されている小頭症の原因と言われています。出生時の頭囲が異常に小さい乳児が生まれる症例なのですが、 2015 年 10 月以来、例年の平均約150例から 4,780 例以上にまで急増したと言われています。
ブラジル政府は、小頭症の判定基準があまりにも厳格だったため、報告例が増加してしまったことを認めています。
Zika ウィルスの影響が出ている地域で小頭症の症例の増加が確認されたとき、ブラジル政府は安全を期すために、頭囲が33センチメートル以下の乳児の症例を報告するよう指示しました。
偽陽性が予測されましたが、報告された乳児のほとんどが健康で正常であることが判明し、12 月には閾値は 32 センチメートルに下げられました。その後さらに基準は下げられ、男児は31.9センチメートル、女児は31.5センチメートルとなりました。
The NewYork Timesの報告は次のとおりです。
「これまでに調査された症例では、 404 例が小頭症であると診断されました。 Zika ウィルスの陽性反応を示したのは、そのうちわずか17例です。 さらに709人の乳児が、小頭症の疑いから除外されました(偽陽性の危険度を強調しすぎたために流行の規模が実際より大きく見える結果となった)。残りの3,670例については調査中です。」
「これまでに調査された症例では、 404 例が小頭症であると診断されました。 Zika ウィルスの陽性反応を示したのは、そのうちわずか17例です。
さらに709人の乳児が、小頭症の疑いから除外されました(偽陽性の危険度を強調しすぎたために流行の規模が実際より大きく見える結果となった)。残りの3,670例については調査中です。」
[太字は Mercola による]
The New York Times も報じているとおり、 Zika ウィルスと小頭症の因果関係を示す証拠はほとんどありません。
Zika ウィルスは、1947年ウガンダで初めて発見されました。発見当初はアカゲザルに限定されたウィルスでした。アルボウイルス(蚊、ダニ、ノミを介して感染する)の一種です。
ATCC によると、 Zika ウィルス(ATCCでは$500で販売)により、麻痺や死亡に至る場合もあります。ATCCは、「標準参照微生物の獲得、認証、製造、保存、開発および頒布を任務とし、グローバルに生物資材を提供する組織」です。
Zika ウィルスに人が感染した場合の症状は軽いインフルエンザ程度で、先天性欠損症を引き起こす可能性を示す証拠はありません。
また、 Zika に密接に関連がある他のウィルス(例えば黄熱およびデング熱)は、通常、胎盤を通過して胎児の脳に損傷を与えることはありません。
可能性が全くないわけではありませんが、ブラジルの一地域で小頭症が多く発生した理由として可能性が高い、または合理的な要因が、 Zika ウィルスを保持した蚊の他に多く存在しています
まず第一に、「大発生」は、貧困のはびこる農村エリアで起こっています。このような地域では、先天性欠損症をはじめとする健康被害を起こすため使用禁止になっている農薬が大量に使われています。
これらの要因の他にも衛生状態の悪さやビタミンA、亜鉛の欠乏など、疾患の発生につながる状況が揃っています。そこにさらに環境汚染が加われば、小頭症が起こっても不思議ではありません。
ビタミンAと亜鉛の欠乏はブラジルの風土病と考えられ、これらの栄養素が不足すると、免疫が低下することはよく知られています。
さらに重要なことに、ビタミンAの欠乏は特に小頭症のリスクを高めるとされており、亜鉛は脳の構造や機能にとって重要な役割を果たすこともよく知られています。
アトラジンという農薬も原因となっている可能性があります。2011年に発表された調査結果によると、頭囲の減少は、胎内でのアトラジンへの曝露の副作用とされています。
アトラジンは雑草が生える前にも後にも使用できる除草剤で、 Roundup に続き多く利用されている。
2014 年 10 月、ブラジル政府は、妊婦の Tdap ワクチン(破傷風、ジフテリア、百日咳)の接種を義務化し、2015年に施行されました。
先天性欠損症が2015年の後半にかけて増加し始めたという事実は、 Zika による感染よりも、ワクチンの義務化の方が原因として疑わしい印象を与えます。また幼児の脳の損傷とワクチンの関連性が指摘された過去を考慮すると、Tdapを妊娠中の女性に投与するのが安全だとはいえない状況です。
2015 年夏、 Kathryn Edwards 博士(Vanderbiltワクチンリサーチプログラム)は、 Bill & Melinda Gates Foundation より、$307,000の補助金を取得し、該当ワクチンを接種した妊婦の免疫反応について調査を始めました。研究結果が待ち望まれます。
しかし、過去の多くの研究で、妊婦の免疫システムを刺激して良い結果は得られないことがすでに証明されています。なぜ妊婦にTdapワクチンを義務化したのに、ビタミンAと亜鉛の補充をおこなわないのでしょうか。母胎の免疫系が刺激されたことで起こる悪影響に関する研究結果の一例をご紹介します。
興味深いことに、 Gates Foundation は、遺伝子操作された蚊の開発に資金提供しています。開発をおこなったのは、Oxitecというバイオ企業で、デング熱や Zika の対抗策として進められた研究なのですが、結果的に Zika の大発生を招いてしまったのではないかと考える意見もあります。
これらの遺伝子操作された蚊は、繁殖期に達する死滅してしまう、いわゆる「自殺遺伝子」を組み込まれているのに、どのようにして Zika を広めることができるのでしょうか。できるわけがありません。意図的にではありませんが、同様の意見を持つ人も多いはずです。
潜在的な問題がいくつかあるのは事実です。遺伝子に組み込まれた「自殺スイッチ」が抗生物資のオテトラサイクリンによって機能しなくなるのです。ブラジルは、食品および食肉の製造における抗生物質の使用が世界3位です。 2009 年の分析では、家畜に投与されるテトラサイクリンの約75パーセントが最終的に排出されることになります。
堆肥や下水を肥料として使うため、環境中に抗生物質が浸透していきます。(テトラサイクリンの環境への影響はよくわかっていません。ブラジル人の研究家グループによると、飲料水にもこのような薬物が含まれているため、細菌の抵抗性が増しており警戒すべき状況であると報告されています。
Oxitec 社の資料によると、テトラサイクリンの存在により、遺伝子操作された蚊の子孫の生存率が 15% ほどだとされています。しかし、計画ほど効率よく蚊を壊滅できないとしても、遺伝子操作された蚊遺伝子操作された蚊が Zika ウィルスのキャリアであることを示唆する証拠はありません。
そうとはいえ、遺伝子操作された蚊がオス(人を刺すことはない)ばかりで、メスの蚊が生き延びた場合、操作された遺伝子を宿主に移すことが可能となりますし、その結果がどうなるのかもはっきりしていません。
Oxitec社は、初の遺伝子操作された蚊であるAedes aegypti種を、2009年にケイマン諸島で放ちました。翌年2010年にはマレーシアでも放たれました。2012年の7月には、遺伝子操作された蚊の大規模な農場をブラジルに設置しました。
遺伝子操作された蚊は、2015年の夏に、ブラジルのジュアゼイロで自然に放たれました。そしてその少し後には、 Oxitec 社が、デング熱、チクングニア熱、 Zika ウィルスの原因となるAedes aegypti種の蚊を 90% 減少させることができたと発表しました。
PLOS Neglected Tropical Diseases に発表された研究の結果によると、あるブラジル郊外の町では、繁殖力のない種を放ったおかげで蚊の数が 95% 減少したと報告しています。病気を媒介する昆虫を劇的に壊滅できたにも関わらず、ブラジルのDilma Rousseff 大統領は、「政府の職員は全力を挙げて蚊とその繁殖を食い止めるために戦わなければならない」との声明を出しました。
何千人もの軍人や、政府の職員が蚊の根絶のために蚊のいそうなあらゆる場所に配備されています。「国民を守るためにあらゆることをします。」と、Rousseff 大統領はブラジルの母達、未来の母達に向けてスピーチで語ります。その一方で、裏では、女性や子供達を有害な化学物質にさらさせる命令を出しているのです。悲しすぎる皮肉な話です。
Manhattan Institute など、蚊の問題を解決するためにDDT4の復活を求める団体もあります。 DDT は胎盤通過性が高いため、成長中の胎児の身体や脳に直接影響を与えるという事実にもかかわらずです。
DDT は、高血圧、不妊、早産、成人における糖尿病、アルツハイマーとの関連性も指摘されています。いったいどうすれば、DDTのような神経毒が、神経系の先天的欠損症の解決につながるのでしょう(小頭症が本当に Zika ウィルスによるものであるならなおのこと)。
STAT Newsは次の様に報じています。
「アメリカでは 1972 年にDDTの使用が禁止された。環境中での残留性が高く、食物連鎖によって生物の体内に蓄積され、ワシ、ペリカン、他の野生動物の死亡例が見られたためである。農薬の禁止は世界規模には至っていない。 2001 年、ストックホルムで開催された外交会議において、DDTなどの汚染物質の利用削減が求められたにも関わらず、アフリカをはじめ各国で、マラリアを媒介する蚊の対策としていまだに DDT が使用されている(化学物質への耐性を獲得する結果となった)。 DDT に関して懸念されるのは、蚊が耐性を獲得する可能性がある点である(突然変異で生まれたDDTに対抗する個体が増殖し、耐性のない個体より遙かに多い数に達する)。耐性を獲得した個体は安全性の高い殺虫剤に対しても耐性を獲得してしまう。 カリフォルニア大学サンフランシスコ校疫学博士の Brenda Eskenazi 氏は、 DDT の人体への影響へ関心を高める目的で実施された2009年の研究で、ブラジルなど、 Zika が広まりつつ国々ではDDTの効果はない可能性について賛同している。『ウィルスの制御のために効果のあるものを使うべきだが、安全性への配慮は必要である』。 『女性や子供達が保護服を全く身につけていない中、作業員だけは防護服を着て農薬を散布している光景は見るに堪えない』と同氏は述べた。」
「アメリカでは 1972 年にDDTの使用が禁止された。環境中での残留性が高く、食物連鎖によって生物の体内に蓄積され、ワシ、ペリカン、他の野生動物の死亡例が見られたためである。農薬の禁止は世界規模には至っていない。 2001 年、ストックホルムで開催された外交会議において、DDTなどの汚染物質の利用削減が求められたにも関わらず、アフリカをはじめ各国で、マラリアを媒介する蚊の対策としていまだに DDT が使用されている(化学物質への耐性を獲得する結果となった)。
DDT に関して懸念されるのは、蚊が耐性を獲得する可能性がある点である(突然変異で生まれたDDTに対抗する個体が増殖し、耐性のない個体より遙かに多い数に達する)。耐性を獲得した個体は安全性の高い殺虫剤に対しても耐性を獲得してしまう。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校疫学博士の Brenda Eskenazi 氏は、 DDT の人体への影響へ関心を高める目的で実施された2009年の研究で、ブラジルなど、 Zika が広まりつつ国々ではDDTの効果はない可能性について賛同している。『ウィルスの制御のために効果のあるものを使うべきだが、安全性への配慮は必要である』。
『女性や子供達が保護服を全く身につけていない中、作業員だけは防護服を着て農薬を散布している光景は見るに堪えない』と同氏は述べた。」
人間の考えの浅さには驚かされます。しかし、パニックというのはそういうもので、立ち止まって考えるということができなくなってしまいます。噴霧剤やスプレー剤を使うことは百害あって一利なしです。問題となっている種である、 Aedes aegyptiには全く効果がありません。
白黒模様のこの小さな蚊は、飛行距離が短く、行動範囲はわずか90 cmから2 m弱ほどです。空中にいる所を捉えるのは困難なため、殺虫スプレーや噴霧剤による制御は難しいのです。蚊の吸血行動は夜間ではなく(噴霧車の稼働時間は夜であることが多い)日中におこなわれます。
蚊の生殖機能を抑制するための策として、X線やガンマ線の利用なども考慮されていますが、効果は疑問視されています。ロイターは次のように報じています。
「研究所で作られたオスの蚊が、自然界でメスと交配し、孵化しない卵を産めば、問題となっている地域で、生き物を殺さず化学物質も利用せずに蚊の個体数を減らすことが可能となる」
医薬品やワクチンを製造する企業には、非常事態宣言を利用した暴利獲得のシナリオがあります。今年は、化学系やバイオテクノロジー企業も参入してきています。人々を定期的に怯えさせて莫大な利益を得ることがこのような企業のシナリオです。
予測どおり、 Zika ワクチンの開発は進んでおり、各社が一番に市場に製品を投入すべく競争しています。多くの人命が救われることも確かですが、開発段階での試験が不足していたり危険性も否めません。しかし、世界的な流行病に対するワクチンは、損傷や死亡に対する責任を追わないことも覚えておかなければなりません。現在、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルクなどが Zika ワクチンの開発を進めています。
インドの企業で、Bharat Biotechも、有利なスタートを切り、 2014 年に2種類の Zika ワクチンの開発に着手しました。この企業もGates Foundationと関連していると聞いたら驚くでしょうか。マラリアワクチンの研究や人体実験の費用として、 Bill and Melinda Gates Foundation より5000万ドルの資金援助を受けているのです。
メルク、シンジェンタ、バイエルもGates Foundationのパートナー企業です。化学メーカーでは、モンサント、デュポンなどが挙げられます。この邪悪な提携こそ、私がBill Gates氏の慈善事業を信用できない理由です。
このウェブサイトの閲覧を続けとクッキーの使用、改訂個人情報保護方針、サービスの提供条件に同意したものとみなされます。
同意する