Dr. Mercolaより
痔というと、楽しい話題ではないですし、相手がお医者さんであっても話しづらいですよね。ですが、痔は男女問わず多いトラブルなのです。
典型的な西洋型の食生活と、ストレスが多く運動不足になりがちなライフスタイルを考えると不思議ではありません。痔は、現代的な西欧の国々だけの問題ではありませんが、より原始的で、より工業化の進んでいない文化圏ではあまり見られません。
痔は、肛門や直腸壁の静脈が、よじれる、腫れ、炎症を起こした状態です。肛門の内部たまは外部に発生し、痔核ができると痛みや出血を伴います。
痔が、肛門内部の直腸との境目より上部にある場合は、内痔核です。痔が、直腸と肛門の境目より下部にある場合は、外痔核です。内痔核、外痔核ともに肛門内に収まっている場合と、外に飛び出してしまう場合があります。
痔の多くは、腹圧の上昇によって、つまり、排便時にいきむことでできます。痔は、慢性消化障害、特に便秘のある人に多く見られます。年輩の方、妊娠中にも多く起こります。妊娠中は、胎児の成長と共に子宮が圧迫され痔に発展しやすいです。出産によって悪化することもありますが、妊娠がきっかけになっている痔は、出産を終えれば治ってしまう場合が多いです。
よくある原因のもう一つは、肥満です。体重が増えすぎると、腸内をとおる便を排出するための力が不足することが多いです。
痔は症状出る場合と出ない場合があります。適切なケアでほとんどの場合数日で改善します。
内痔核の場合、鮮血が特徴です。トイレットペーパーに付いたり、便器に落ちたりします。内部痔は肛門の外に飛び出してしまうことがあります。その場合の痛みはさほど感じられません。
外痔核の場合、腫れがあったり血栓が肛門の周辺にできたりします。血栓性外痔核と呼ばれ、激しい痛みを伴います。
日頃の排便習慣が、不快症状、出血、かゆみなどのトラブルを悪化させてしまします(出血のせいでかゆみが起こることがあるため)。痔になってしまったら、排便時にいきみすぎないようにしてください。清潔にしようとして、強く拭くと刺激となって症状を悪化させます。
痔核と似ている症状の出る病気は、肛門周囲膿瘍、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門掻痒症(肛門周囲にかゆみを生じさせる様々な病気)などがあります。
排便時に出血があっても、痔かなと思う方が多いと思います。出血がはじめてと言う場合は専門家に相談することをお勧めします。直腸からの出血は、結腸直腸癌などのさらに深刻な病気によるものである可能性もあります。特に中年以降の世代の方は注意が必要です。 前述のとおり、鮮血が出るのがよくある痔の徴候ですが、はじめて、または突然の出血は年齢に関係なく診察を受けましょう。
興味深いことですが、ビタミンDは結腸癌のリスクを減らすことができる最も効果のある方法の一つです。体内のビタミンD量を最適に保つと80パーセントもリスクを減らすことができます。
体内のビタミンD量を測定して、通年で60ng/ml前後を維持するようにしてください。大変大きな予防効果があります。
痔の原因は、多くの場合、便秘のせいで排便時にいきんでしまうことです。
便秘の原因は、食生活の乱れ、運動不足、水分不足、ストレスなどがあります。他にも、下剤の乱用、過敏性大腸症候群、甲状腺機能低下なども関係しています。便秘を予防する簡単な方法をご紹介しましょう。
ほとんどの人が気づいていない方法は、和式の(しゃがむ)トイレです。昨年インドに行ったのですが、興味深いことに、床に穴があるタイプがほとんどで、洋式のトイレがなかったのです。しゃがむタイプのトイレでは、便意を催したときに最も適した体勢がとれるのです。
洋式のトイレの場合、排泄するときに必要な力が入りにくい体勢になっています。トイレに穴を掘るようにお勧めしているわけではありません。しゃがむ体勢を再現できるようにトイレで使用し、排便を楽にする道具があります。
症状がひどい場合、外科手術や内視鏡手術が必要となる場合があります。ただし、これは最後の手段です。
痔に対する医療措置は、次のようなものがあります。
このような痔の治療が必要な状態にならないように努めましょう。痛みや炎症を伴う様々なトラブルと同様、痔も、食事、水分の補給、運動、感情面のストレス、その他の生活習慣に注意を向けるように、体が発しているシグナルなのです。
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