Dr. Mercolaより
チャリティ団体Cancer Research UK(英国がん研究)の最新データによると、50歳未満の女性で乳がんと診断される数は記録的なものだそうです。
英国では、50歳未満の女性乳がん患者が初めて1万人を超えました。これは、5人に1人が乳がんに罹っていることになります。
今年始めにJAMA誌で発表された研究の後に同じような発表があり、進行性乳がんと診断されるアメリカの若い女性(25~39歳)が増えていることも分かりました。
通常、がんは高齢者の間で発症リスクが高くなります。非営利団体BreastCancer.orgも次のように述べています。
「…老化のプロセスが乳がんの最も大きなリスク因子です。高齢になるほど、体内の遺伝的損傷(変異)のリスクが高まります。また、遺伝子のダメージを修復する力が落ちてきます」
はっきりしたことは分かりませんが、複数の要因があり、その多くは環境的なものであると言えるでしょう。Cancer Research UKは、高齢出産、少子化、あるいは避妊薬使用といった環境要因を指摘しています。
この指摘は納得がいくものです。2002年、ホルモン補充療法に関する大規模、優良デザイン研究の一つが中止になりました。というのは、こうした合成ホルモンを摂取する女性に乳がん(さらに、心臓発作、卒中、血液凝固)リスクの増加が認められ、これ以上研究を続けるのは非倫理的であると判断されたからです。
このニュースは大きく報道されました。それは、すでに数100万人の女性がこうした合成ホルモンを使用していましたが、幸いなことに多くの女性がすぐに使用を中止したからです。多くの女性がホルモン補充療法を止めた1年後、どうなったと思いますか。乳がんの発症率が7%も減少したのです!
避妊薬とはどう関係するのでしょうか?避妊薬には、逆の効果を調べる研究で用いられるエストロゲンやプロゲスチンといった合成ホルモンのSAME型が含まれています。
避妊薬を服用しない女性でも近年、合成ホルモンの摂取がみられ、これは拡大しています。
例えばパラベンは、乳がんに関連するホルモンのエストロゲンに似た特性を持つ化学物質です。パラベンは、シャンプー、ローション、デオドラント、シェービングジェル、化粧品など幅広いパーソナルケア製品に含まれています。
乳がん組織からはこういう物質が検出されており、そのエストロゲン(エストラジオール)濃度は通常の乳房組織にみられる自然な濃度の最大100万倍に達しているといわれます。特に、高濃度のプロピルパラベンが腋の下(腋窩)から見つかっていますが、これはわきが用のデオドラントが多用され、乳がんが発症する危険性が非常に高くなっています。
日常的に広い範囲で使用されていることから、こうした化学物質は高濃度で蓄積されていると考えられます。また、子宮への影響も推測されますが、その健康被害ははっきりしていません。
乳がんの主な原因には、栄養欠乏、環境毒への曝露、炎症、エストロゲン優位性、そして結果として起こる遺伝的健全性や免疫監視機構の崩壊があり、乳がんは50歳以上の女性に多く見られる疾患として挙げられています。しかし、有毒物質によるダメージは若い世代にも広がっており、健康への有害影響を受けやすくなっています。
例えば、研究によると、小児がん治療で胸部に放射線を浴びた女子は、若年で乳がんを発症するリスクが高くなります。低線量の放射線治療でも、後に乳がんに罹るリスクが高くなると、研究者は述べています。
さらに米国では、40歳になったらマンモグラフィーを毎年受けるよう奨励されていますが、マンモグラフィーは電離放射線であり、これががんの発症リスクを増大する主な要因だといわれます。2010年の研究によると、40~80歳の女性を対象にしたデジタルまたはスクリーンフィルムマンモグラフィー定期検診は、誘発性がん発生と致死的乳がん率(20~25例/100,000)に関連するそうです。つまり、年1回のマンモグラフィー検診により、検査を受ける女性100,000人あたり20~25人が致死性がんに罹るということなのです。さらに、「最新の高度技術」の3Dトモシンセシスマンモグラフィーにより、女性はさらに放射線を浴びることになります。
高濃度乳腺があるかどうか、多くの女性は気づきません(40~50%)。マンモグラフィーでも判読できないのです。高濃度乳腺と乳がんはどちらもX線撮影では白く写り、がんがどうかの判断が放射線医でも難しいところです。画像では、まるで猛吹雪の中から雪片を見つけるようなものです。
患者に乳腺濃度について知らせる放射線医もおり、サーモグラフィー、超音波、あるいはMRIなどの別の検診を受けるよう紹介しています。最近の研究で、高濃度乳腺のある女性がマンモグラフィー受診後に乳房の超音波検査を受け、あらたにがんまたはがんリスクの高い病変が1,000人あたり3.4人の割合で検出されたことを明らかにしました。
放射線医は重要な乳腺濃度情報をきちんと知らせてくれると、女性が信じるのは当然のことなのでしょう。残念なことに、何十年も命に関わる貴重なデータを教えてもらっていない女性が多いのです。
がん検診ががん予防に通じるかどうかは言えません。早期発見は重要なことですが、検査自体ががんリスクを高めてしまう方法を用いることには疑問もあります…乳がんができてから検出するより予防する方がずっと重要で強力なことです。そのため、まずは乳がん予防に役立つ大切な方法をお知らせしたいと思うのです。
ライフスタイルと乳がんを調べた大規模分析研究で、American Institute of Cancer Research(米がん研究所)は、ライフスタイルの選択を誤らなければ、乳がん症例の約40%は予防できたと推算しました。この数字は低すぎると思います。若くても高齢でも、以下で紹介するアドバイス通りにすれば75~90%は乳がんを回避できるでしょう。
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