胃酸の逆流や潰瘍に効く15の自然療法


胃酸の逆流

早分かり -

  • 胃酸の逆流は非常に一般的な症状です。この症状は、病名としては、胃食道逆流症(GERD)、消化性潰瘍性疾患などと呼ばれます。
  • 胃酸の逆流が起こった場合の特徴的な症状は「胸焼け」です。胸の奥の焼けるような不快感が、のどのあたりまで上がってきてしまうこともしばしばです。
  • 胸焼けの原因は何?
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Dr. Mercolaより

胃酸の逆流は非常に一般的な症状です。この症状は、病名としては、胃食道逆流症(GERD)、消化性潰瘍性疾患などと呼ばれます。

胃酸の逆流が起こった場合の特徴的な症状は「胸焼け」です。胸の奥の焼けるような不快感が、のどのあたりまで上がってきてしまうこともしばしばです。

従来の医学では、胃酸の逆流が起こる原因は胃の中の胃酸が多すぎるためと考えられ、胃酸を抑える薬が処方されてきました。

胸焼けの原因は何?

食べたものが食道を通って胃に入ると、下部食道括約筋(LES)が閉じて、食べたものや胃酸が逆流するのを防ぎます。

この下部食道括約筋が閉じているべき時に緩んでしまい、胃酸が胃から食道に逆流してしまうのです。ここで注意しないといけない点があります。胃酸の逆流は、胃酸が過度に分泌されて起こる病気ではありません。原因となるのは次のような症状なのです。

  • 食道裂孔ヘルニア
  • ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)への感染。(世界の全人口の約半数がヘリコバクター・ピロリに感染していると考えられ、世界保健機構(WHO)が発癌物質のGroup 1に指定している)

ここに挙げた二つの病気は直接の関係はありませんが、食道裂孔ヘルニアに罹患している場合、ピロリ菌にも感染している場合が多く、胃の粘膜に慢性の軽い炎症症状が続くことで、潰瘍やその他の症状へ発展してしまいます。食道裂孔ヘルニアに罹患している場合は、理学療法士による治療も有効です。この症状のアジャストメントを得意とするカイロプラクターも多いです。

胸焼けは、薬の副作用?

胸焼けの原因が、服用中の薬の副作用である場合は、胸焼けを治すには、その薬が何で、いつ、どのようにその薬を服用しているかを考えるべきです。副作用を改善するために他の薬を付け加えるという安易な策はやめてください。WebMDでは、薬の副作用として起こる胸焼けの対処法として次の例を挙げています。

  • 処方された1回の服用量を守る。
  • 空腹時に服用するのが良い薬もあれば、食事と一緒に飲むことで胸薬などの副作用が起こらない薬もある。薬の服用指示を読む、または医師や薬剤師に服用法を確認する。
  • 胸焼けの原因となっている薬がないか、服用している薬やサプリメントをすべて医師や薬剤師に確認してもらう。
  • 薬を飲んだ直後は横にならない。
  • しょうが茶を飲む。

薬が害となってしまう例

胸焼けや胃酸の逆流に最も多く処方される薬は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)です。胃酸の分泌を抑制する強い効果を示します。

胃酸が食道を逆流するのですから、これは一見適切な処置の様ですが、ほとんどの場合、最悪の手段です。なぜなら、胃酸が多いのではなく、分泌が少なすぎることが原因となっていることが多いからです。

16,000もの医療関連の記事で、胃酸の分泌を抑制しても症状の改善にはつながらないと述べています。一時的に症状を抑えるだけです。

Nexium、Prilosec、Prevacid といったプロトンポンプ阻害薬は、本来は、ごく限られた深刻な症状に用いる目的で作られました。Mitchell Katz氏(San Francisco Department of Public Health)の4年前の論説によると、プロトンポンプ阻害薬は次の疾患の治療にのみ有効であるとされています。

  • 出血性潰瘍
  • Zollinger-Ellison症候群(胃酸が過度に分泌されるまれな症状)
  • 内視鏡検査で食道に炎症が見られるほどの、激しい胃酸の逆流

「プロトンポンプ阻害薬を服用する人の60-70%に胸焼けが見られ、またこの種の薬を服用する必要がない」とKatz氏は述べています。プロトンポンプ阻害薬の問題点として、胃酸の量を抑えられたせいで、ピロリ菌に対する殺菌力が弱くなる点が挙げられます。

胸焼けの原因がピロリ菌の感染による場合、これでは、ますます症状は悪化し、長引いてしまいます。さらに、胃酸を抑えると食中毒に対する抵抗性も弱まり、リスクを高めてしまいます。プロトンポンプ阻害薬は、肺炎、骨量の減少、股関節の骨折、クロストリジウム・ディフィシル(腸内の毒素を持つ菌)感染など、深刻な副作用を引き起こします。

危険!プロトンポンプ阻害薬の依存性

プロトンポンプ阻害薬は耐性や依存性が生じるため、突然に服用をやめてしまうのはお勧めできません。だんだんと服用を少なくしていくことで、急激な症状の再発を防ぐことができます。薬の服用を突然やめてしまったせいで、薬を飲み始める前よりも症状が悪化してしまうケースもあります。

一回の用量を少しずつ減らして行くのが最も良い方法です。プロトンポンプ阻害薬の量を最低限まで少なくすることができたら、Tagamet、Cimetidine、Zantac、Raniditineといった市販のH2ブロッカーに替えましょう。そこから数週間かけて、H2ブロッカーの服用も減らしていきましょう。

治療の第一候補は、未加工食品とプロバイオティクス

最終的に、胸焼けや胃酸過多の解決策は、自然の胃のバランスと機能を回復することです。加工食品や糖類の摂りすぎは、胃や腸内の菌のバランスを乱し、胃酸の逆流を悪化させます。野菜や、高品質でオーガニックの未加工食品を食べるようにしましょう。

食事からも有用な菌を十分に摂る必要があります。バランスの良い食事で、腸内フローラのバランスが整い、ピロリ菌などは、抗生物質を使わずに自然に消滅します。プロバイオティクスを摂るのに理想的なのは、発酵食品です。普段あまり発酵食品を食べていないのであれば、プロバイオティクスを日々の食生活で摂る様にしてください。自宅でも簡単に作ることができる発酵食品をご紹介します。

  • 発酵野菜
  • チャツネ
  • 発酵乳製品(ヨーグルト、ケフィア、サワークリームなど)
  • 魚類(サバやサーモンのグラブラックスなど)

胃酸が足りない場合

胃酸が十分でない場合は、胃酸の原料となるものを日常の食生活で十分に摂れているかどうか気を付けてみてください。

ヒマラヤ岩塩など、高品質のシー ソルト(未精製塩)は、胃酸を作るのに必要な塩化物や、人体の機能に生化学上必要な80種類以上の微量金属を含んでいます。ザワークラウトやキャベツ汁も、胃酸の分泌の強力な(最強ではないですが)刺激となります。食事の前にキャベツの汁をスプーン1杯飲んでみてください。ザワークラウトのような発酵キャベツの汁ならなお良いです。驚くほど消化にいいですよ。

胸焼けや胃酸の逆流をなくす、安全で効果の高い方法

非加熱、無濾過のリンゴ酢

グラス1杯の水に、テーブル スプーン1杯の非加熱、無濾過のリンゴ酢を加えて飲むと胃酸の成分の助けになります。

ベタイン

塩酸ベタインのサプリメントもお勧めです。処方なしで健康食品のお店で購入できます。はじめは必要なだけ服用してください。胃酸の分泌が正常になると、胸焼けの症状がでますので、その時は1錠ずつ減らして行きましょう。消化機能が改善し、ピロリ菌の殺菌力も戻ってきます。

重曹

水、約250mlにティースプーン1/2から1杯の重曹をいれて飲むと、胃酸を中和して、胃酸の逆流による胸焼けが楽になります。この方法は、痛みがひどい時など緊急の時には効果大ですが、日常的にはお勧めできません。

アロエ ジュース

アロエの果汁は炎症を抑える効果があり、胃酸の逆流症状を和らげてくれます。食事の前に、1/2カップのアロエ果汁を飲みましょう。お腹が緩くならないように、下剤成分を除去した製品もありますよ。

ショウガの根またはカモミール茶

ショウガには、酸をブロックし、ピロリ菌を抑制する等、胃を保護する効果があると言われます。2007年の研究によると、潰瘍の発生を防ぐ効果が、ランソプラゾールの6-8倍であると報告されています。

カップ2杯分の熱湯に2-3切れのショウガを入れましょう。30分から1時間待ちます。食事の20分くらい前に飲みましょう。

寝る前には、カモミール茶を1杯飲みましょう。胃の炎症に優しく作用し、眠りやすくなります。

ビタミンD

ビタミンDは感染源に対抗する重要な栄養素です。ビタミンDが体内に十分あると、200を越える抗菌ペプチドの分泌が最大限におこなわれ、様々な感染症から身体を守る事ができます。
適度に日光を浴びたり、日焼けマシンを利用してビタミンDの量を適切に保ちましょう。どちらも難しい場合は、ビタミンD3のサプリメントを摂りましょう。その場合は、同時にビタミン K2も十分摂る様にしてください。

アスタキサンチン

この非常に効果の高い抗酸化物質は、偽薬と比べて、特にピロリ菌の感染者において胃酸の逆流症状を抑える効果が高いことが分かっています。一日40 mg の摂取が最も効果が高いと言われています。

Slippery elm(北米ニレ)

北米ニレは口内、のど、胃、腸などに膜を作り、抗酸化作用により、腸の炎症を和らげます。食道の神経末端を刺激する効果もあります。この刺激により、粘液の分泌が高まり、食道を、潰瘍や過度の胃酸から守ります。University of Maryland Medical Centerによる推奨量をご紹介します。

  • お茶にする場合:4g(テーブルスプーン約2杯)の粉末に2カップの熱湯を注ぎ、3-5分ほど待ちます。一日3回に分けて飲みましょう。
  • チンキ剤:一日3回、5 mlずつ。

カプセル:一日3 - 4回、400 - 500 mgずつを4 - 8週間。コップ1杯の水で飲みましょう。

  • トローチ:包装の指示に従ってください。

慢性病による「蠱」病の治療に用いられる漢方の生薬

いわゆる、「蠱」病は、病原菌による炎症や感染症によって起こる消化器系の諸症状のことです。

グルタミン

2009年に発表された研究によると、ピロリ菌による胃腸への損傷はグルタミン酸が有効であることがわかりました。グルタミン酸は、牛肉、鶏肉、魚、卵、乳製品、果物、野菜など様々な食品に含まれています。Lグルタミン酸は、グルタミンの生理活性の高い異性体であり、サプリメントとして広く利用されています。

葉酸(ビタミンB9)やその他ビタミンB群

臨床栄養師のByron Richards氏によると、ビタミンB群は胃酸の逆流のリスクを減らすと言う報告がなされているそうです。また、葉酸を多く摂取するほど、胃酸の逆流が40%減少することが分かりました。ビタミンB2やB6の量が少ないと胃酸の逆流のリスクが高まります。葉酸のレベルを上げるには、レバー、アスパラガス、ほうれん草、オクラ、豆類などの葉酸を多く含むホール フードを食べるのが最も効果的です。

胃酸の逆流を治すのに薬は不要

最終的に、潰瘍や胃酸過多など、胃不快症状の解決策は、自然の胃のバランスと機能を回復することです。内臓が理想的に機能するために良いだけでなく、将来にわたって建康に過ごしていくためにも重要なことです。腸内フローラが整えば、栄養素の吸収も良くなり、精神的にも憎体的にも建康でいられます。この記事を読み返していただくと、建康になるためには、腸内フローラが良い状態である必要があることは明らかです。糖類の摂取は、程度によって、体に害を及ぼします。腸内フローラのバランスが崩れてしまうからです。

加工食品をやめ、ホール フードに替えることから始めましょう。腸内のさらなる建康のために、発酵野菜やプロバイオティクスのサプリメントなど、発酵食品を食べて、良い菌を体内に取り入れましょう。発酵食品の摂取で、腸内フローラのバランスが整い、ピロリ菌などは、自然に消滅していきます。胸焼け、胃酸の逆流、胃食道逆流症(GERD)、消化性潰瘍性疾患、そのほかの胃酸に関係する諸症状には、この記事に記載した方法を試してみてください。