座り過ぎ

早分かり

  • 長期間座わったままだと細胞レベルで老化を早める
  • 最も長期間座っていた高齢の女性はより頻繁に動き回っていた女性より、生物学的な意味で8歳老けていた
  • 一日のうち10時間以上座っており、毎日軽度から活発な肉体活動を40分以下しか行っていなかった女性では細胞の老化が加速する
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座り過ぎだと8年早く老ける

2018年1月12日 | 324 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

あなたは毎日何時間座っていますか? よく把握できていなければ、速算してみましょう。ほとんどの人の場合、座る時間を半分、さらに4分の1に減らすと健康改善におおいに役立ちます。

より少なく座り、より多く動く。長時間の着座がいかに身体に有害かを示す研究がますます増えていることからして、これは反復するだけの意味があるモットーです。

糖尿病、肥満、心臓病がん早死には座り過ぎに関連している慢性病の数少ない例にすぎず、その理由を最近の研究が説明しています: 長期間座わったままだと細胞レベルで早老化しくます。

この研究対象だったほぼ1,500人の高齢女性のうち、最も長期間座っていた高齢の女性はより頻繁に動き回っていた女性より、生物学的な意味で8歳老けていました。

座り過ぎで加齢が加速する

日々のライフスタイルは細胞の老化スピードに違いを生みます — 食べるもの、睡眠の品質、喫煙するかどうか、また最近の研究によると座る時間が全て影響してきます。

カリフォルニア大学サンディエゴコ校(UCSD)医学部の研究者らは64~95歳の女性グループに身体活動トラッカーを渡して、日々の活動について訊きました。一日のうち10時間以上座っており、毎日軽度から活発な肉体活動を40分以下しか行っていなかった女性はテロメア(末端小粒)がより短かったのです。

テロメアはDNAらせん構造 の終端部をなすキャップで、靴紐の先に着いているプラスチックキャップにときどき例えられます。このキャップは遺伝子情報を損傷する現象である染色体の劣化や癒着を阻止しています。

細胞分裂の度にテロメアは短くなるので、生物学的な老化の尺度として使用されます。場合によってはテロメアは分裂できなくなるほど短くなり、死にます。このため、テロメアは点火した導火線に例えられることもあります。

10時間以上座っていた女性のテロメアが短くなる程度は約8歳の老化に匹敵するものでした。言い換えれば、着座したままだと老化プロセスが8年加速します。テロメアが短くなるとがん、心臓病、糖尿病等の慢性病にも関連してきます。

「着座が多いライフスタイルのほうが細胞の老化が加速することが研究でわかりました。時間的年齢と生物学的年齢は必ずしも一致しません」と、UCSD医学部教授で主著者のアラディン・シャデャブ博士(Aladdin Shadyab, Ph.D.)はあるニュースリリースの中で説明しています。

興味深いことに、長期間座るライフスタイルだったが一日に30分でも運動した女性のテロメアは短くならず、このことは運動には長時間着座を相殺するのを助ける老化防止効果があることを示唆しています。

このことは以前の研究とは対照的な結果です。以前の研究では座ることが多いライフスタイルが原因で起きた健康上の障害を運動では相殺できないとされていました。

1時間の着座で寿命が2時間縮む

2016年に私は物理療法のPh.D.であり「Deskbound: Standing Up to a Sitting World(デスクに拘束:座業の世界に対して立ち上がろう)」の著者ケリー・スターレット(Kelly Starrett)氏にインタビューしました。その著作の中で、スターレット氏は「1時間の着座で寿命が2時間縮む」ことを実証したDr.ジェームズ・レビン(James Levine)の研究を引用して説明しています。

比較までに、たばこを1本吸う毎に余命が11分縮みます。このため、着座していることを新たな喫煙であると呼ぶ人もいるほどです。どの点から見ても長時間の着座は喫煙より健康にはるかに悪いようです。

スターレット氏は喫煙者のオフィスワーカーは30分おきに立上り、外へ吸いに出るというだけのことで、たばこを吸わない人より健康なことを発見したある研究を取り上げて説明してくれました。「その活動だけでも人体機能と健康に大きな変化を生むために十分だったのです」と、同氏は言っています。

もう一つの研究は、座りすぎが肺がんリスクを54%、子宮がんリスクを66%、大腸がんリスクを30%増加させることを突き止めた上で、次のように説明しています:

「着座は体脂肪増加、性ホルモン生産の劣化、新陳代謝不良、レプチン、アジポネクチンや炎症の増加に寄与し、これががん発生を促す。」

American Journal of Preventive Medicine(予防医学専門誌)に発表された別の研究では、1日に3時間以上座っていることが、調査対象54カ国の全原因による死亡のうち3.8%を占めることがわかりました。

座っている時間を1日3時間未満に減少すると余命が0.2年延びる可能性があると、その研究者らは結論しています。世界人口の60%以上は一日に3時間以上着座しています。

立上りテストを試したことがありますか?

規則的な動作が長寿につながることはかなり以前からわかっており、着座からの立上りテストはその一例です。動けば動くほど、身体は柔軟性を維持し、強く、日常の機能をこなし続けることができます。

その反対に、座る時間が長いほど、筋肉萎縮は早期化し、着座姿勢から立ち上がる等の機能的動作がつらくなっていきます。

立ち上がりテスト(SRT)は動作別に(着座と立ち上がり)0~5の点を割り当て、合計10点を満点として、この得点は手や膝で支えずに床に座り、立ち上がることができる場合です。

見た目は単純でもこのテストは筋肉の強度、柔軟性、バランス、動作調整能力等の重要な要因を実際に見るもので、これの機能はすべて機能的能力と全身の健康状態に関連するものです。

このテストを行うには、まず床に座り、可能な限り手、膝その他体の部分を支えに使わずに立ち上がります。体を支えるために使う部分毎に、満点の10点から1点ずつ失います。

例えば、床に座るために片手を付いて座り、立つのに片方の膝と片手で支えた場合、3点減点で総合得点が7点になります。研究によるとこの得点は今後6年以内に死ぬリスクと強く相関していることがわかっています。

SRTスコアを1点得る毎に参加者は生存確率が21%よくなりました。具体的にいうと:

  • この得点が0~3点の人は8~10点だった人より研究期間の6年以内に死ぬ確率が6.5倍高かったのです。
  • 3.5~5.5点は3.8倍死ぬ確率が高かった。
  • 6~7.5点は1.8倍死ぬ確率が高かった。

デスクを捨て去ることは若返りの泉

まとめて言うと、この研究から、座る時間を少なくすることは老化や慢性病と闘うための簡単かつ直截的な戦略であることが明らかになりました。オフィスで座業の場合、座っても立っても作業可能なシットスタンドデスクの利用は着座時間を削減するために最も効果的なテクニックの一つです。

レビン氏チームの研究は、こうしたデスクを設置すると一週40時間の座業のうち着座時間を8時間短縮し、着座したままの時間を3.2時間短縮することがわかりました。

さらに、研究参加者らはシットスタンドデスクのほうが楽しんでいました。こうした状態なら体調のよさや体力が増したという感覚、倦怠感の減少とも関連しており、生産性に悪影響がなかったのです。

シットスタンドデスクのない方は、普通のデスクに自分で工夫を凝らすことはできます。コンピュータを箱に乗せるかゴミ箱を逆さまに置いて台にする方法が考えられます。立作業は無理な場合、20分おきに立上り、 2分歩くだけでも多くの同様な効果が得られます。

スターレット氏の推奨する「スキルを使って座る」ことで座る時間への対策を取ってください。同氏のお勧めは、着座に使う骨が当たるように座り、両脚を使い、椅子に座ったままで前方を見るような姿勢を取るようにします。初めて立作業にする場合は、一日を座業時間と立作業時間に分割するとよいです。

座るべき時間に心配せず、むしろ「無駄な着座」時間を記録して、これを下げていくように試みてください。

着座のかわりに活発な動作をするのが大切

着座時間を減らして作業し始めるときは、単に立つだけではなく異なる種類の動作や姿勢を取るようにしてください。幸いにも、立っているときは、少なくとも長時間は直立不動でいることは普通はありえません。

立っていると体を延ばしたり、寄りかかったり、曲げる、さらにペースを取る可能性が高いです。足乗せステップつまり足台から足を外したりまた乗せる動作も可能です。

歩いたりフォームローリングで短時間の運動を試すことも可能です。座る時でも、椅子に座らず、床にあぐらをかいて座る等何か別の姿勢を取るとよいです。あぐらは臀部にいろいな動作を改善する健康的な姿勢です。

子供でも座っている時間を少なくするととてもメリットがあります。成人同様、子供も長時間着座は健康に悪く、認知力にも影響します。

Journal of Medicine and Sportに掲載されたある研究には、例えば小学一年生の男子生徒について、肉体的動作が少なく座る時間が長いと読解力が劣ることを発見しました。

多くの子供たちは着座により多くの動作障害を被っており、これに対処しないでおくと、怪我のリスクが高まり、長期的運動及び動作能力を弱くすることがわかっています。

着座時間を減らし始めるときはスローペースで行う

椅子を諦めることを考えるのは無理だと感じるでしょうが、これは二者択一の問題ではありません。座らないということに意識を向けるより、もっと動くににはどうすればいいかと考えるほうがよいです。電話で話すときや毎朝メールをチェックするときは、同時にコンピュータの前でスクワットする等してペースを着けることも可能ではないでしょうか。

一日に8~10時間の着座が当たり前になっている場合、シットスタンドデスクに一日で切り替えることは考える必要ありません。スターレット氏は立ち座り椅子を使って座業するように最初は切り替え、座る時間を20~30分にして、段々と立っている時間を長くすることを勧めています。さらに、デスクの高さが適正なことを確認してください。

足置き台等立っている間どこか足を乗せられる場所があると快適です。段々と立ち続けるという考えに慣れていき、習慣になている椅子を無意識に探さなくなります。

高齢者にとって動くことも大切

ここで最初に取り上げた高齢者女性についての記事に戻ると、より多く動いた人は座ったままが習慣の人より老化の速まるのをあまり感じない傾向があることは明らかです。

高齢者で不活発な状態は多くの原因があるようで、健康状態から社会的な孤立状態まで様々あります。最初の一歩は動作欠如の原因は何かを見極めることです。

単なる習慣の問題なら、新しい社会的グループに参加したりガーデニング等活発なホビーを始めたりとか、水中エアロビクス、隣人の犬の散歩をさせてもらう等すると、自分で作った轍から抜け出せます。着座からどうしても離れならない事情があれば、座ったままでできる運動も効果があります。

年齢を問わず多くの人はフィットネストラッカーがもっと動くようにするために動機付けになり役立つことがわかります。閉経後の女性を対象にしたある研究では、フィットネストラッカーを使った人は万歩計を使っていた女性より一週間の肉体活動に38分長く取り組んだことがわかりました。

ハーバード大学提携先Brigham and Women's Hospitalのリハビリテーションサービス部長リンダ・アースラニアン(Linda Arslanian)氏はHarvard Health Letterに、「自分の活動レベルが見え、誰かがそれを管理してくれていると、説明責任が存在するので、基準を満たそうと思うようにより、より一生懸命行う動機が生まれます」と説明しています。

フィットネストラッカーを入手して、コンピュータを立ち姿勢の高さに置き、より頻繁に動くようにしましょう。スターレットさんのユーチューブチャネルMobilityWOD(Workout of the Daの略)でさらに詳しい説明があります。同氏が示唆している方法はパワフルなだけではなく、たいていコストがかからず安価にできます。

これなら長時間座ることによる慢性病や整形学的問題とは無縁になるでしょう。

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