クルクミン

早分かり

  • 動脈と静脈の内壁を成す内皮細胞は新陳代謝機能があり、心臓の健康、血圧、免疫機能に寄与する
  • クルクミンと運動を組み合わせると酸化窒素の分泌を急増させるので内皮機能障害を改善できる
  • クルクミンという化学物質があるために黄色いスパイス、ターメリックは屋内でも屋外でも栽培でき、サラダやおいしいドリンクに混ぜて利用可能だが、妊娠中、授乳期、胆嚢障害があるとき、手術を控えている時期にはターメリック エセンシャルオイル(精油)は避けたほうがいい
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クルクミンは運動のメリットを増進させられるか?

2017年11月10日 | 768 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

動脈と静脈の内壁表面は内皮細胞から成っています。

血管ごとにこれを取り巻く結合組織や平滑筋の量は血管の位置や機能により異なりますが、各動脈と静脈は薄い内皮細胞 — 内皮と呼ぶ — が表面を成しており、これが身体で独特の重要な機能を果たしています。

内皮が血管内壁のたった1個の細胞の厚さからしか構成されていないのにも関わらず、全身合計では1キロを若干上回るほどあり、端から端まで並べれば地球を4回りできるほどあります。

ここの細胞は傍分泌及び内分泌器官として多機能性で、直近にある細胞や全身に影響を及ぼすホルモンを分泌します。

内皮細胞は生命維持に欠かせないもので、特定の栄養素や運動を含むいくつかの要因から影響を受けます。

クルクミンを食べてさらに運動すると内皮細胞機能へのメリットが高まり、心臓の機能を改善しうることが研究で実証されています。

内皮機能は多くの危険な病気の中心的位置を占める

内皮細胞は身体の細胞や器官に心臓から栄養分を送る最も小さい毛細管に至るまで、血管内壁を構成するものです。この細胞は血管の浸透率を制御しており、白血球細胞が血流に流れ込み、出ていくことを可能にしています。

各内皮細胞には表面を通る血流のストレスを検知する受容体があります。内皮細胞はこの情報の信号を周囲の細胞に伝達し、血管が血流に即して調節されます。

内皮細胞はさらに動作や細胞分裂機能もあって、血管壁の損傷しやすい部分を保護します。この場合は近辺の細胞が増殖して露出した部分を覆うように動きます。このことは既存の血管内だけで生じるのではなく、細胞は新しい血管も作ります。

例えば、女性の生理周期中に、内皮細胞は毎月子宮内膜の再構成を司っています。

この拡散は通常の体内プロセスでも身体に負傷があるときでも行われています。切り傷を負うと、内皮細胞は回復を助けるために傷の範囲で一気に毛細血管を増殖します。

局部感染においても毛細血管を増殖し、炎症が軽減してくると緩和されていきます。内皮細胞は血液凝固による止血の調節や血管を通る血液の流量調節にも作用しています。

内皮細胞は免疫系、傷を負った時の血液凝固、細胞外基質の生産や、細胞外成分(肉体の枠組みを組成し組織分化のために不可欠な生化学的信号を発する大部分の組織に存在する)の生産のために役割を果たしています。

さらに、内皮細胞は物理的または化学的刺激に対する細胞の反応や血管運動神経性緊張及び炎症反応を調節するための代謝機能にも作用しています。

動脈系統及び静脈系統での内皮細胞機能を念頭に置けば、機能障害がアテローム性動脈硬化、高血圧、2型糖尿病、酸化窒素(NO)生産量の大幅な減少等の数々の危険な疾患や状態に関連していることは驚くほどのことではありません。

運動で改善できる内皮機能と健康

運動が全身の健康に及ぼす効果はすでに豊富に文書化され研究されてきました。運動が内皮機能に及ぼす特定の効果は体験できる臨床的回復の背景をなすメカニズムに関連しています。

例えば、運動すると血流が急増し、動脈壁へのストレスが増えますが、これらは両方ともNOの生産と生物学的利用能を改善します。一貫した運動は内皮機能を保全または改善するので心臓血管病リスクを軽減する効果があるようです。

内皮機能とNO生産へのメリットが適度なワンセットの有酸素運動だけで得られることを研究が実証しています。すなわち、一貫した運動は最適であると同時に、運動による血管へのメリットを体験するのに運動を始めるのが遅すぎるということは決してありません。

全身性エリテマトーデスや心臓血管病等の慢性病患者も運動すると内皮機能へのメリットを実感できます。

ただし運動の効果は永続的ではありません。一回の運動で内皮機能が急によくなるのと同様、運動を止めるやいなや過去の取組みのメリットを享受し続けることはできなくなることを研究が実証しています。

心臓発作経験者209人に関して行ったある研究は、運動トレーニング前後と運動を止めるように参加者に依頼してから一か月後の内皮機能を評価しました。

その参加者を無作為に有酸素トレーニング、筋力トレーニング、エアロビクス、トレーニングなしのグループに分けました。予想された通り、トレーニングしなかった人は内皮機能が全くよくなりませんでした。

しかし、他の3グループの機能はどの運動でも改善しました。換言すると、3グループ全員は機能改善程度が同じで、1カ月トレーニングを止めた後は改善しても結局全員とも元に戻っていました。

こうしたメリットが血流に応じて血管をほぐし、血圧を下げる内皮細胞の役割と関連しているようです。血流増加に伴う内皮全体に渡って発生する応力は血管作動化学物質の放出のために必要なようで、これが内皮細胞の安定性と機能を維持するのに役立っています。

運動とクルクミンを併行して行うと内皮機能が改善する

製薬会社は売り上げを伸ばすために同じ効果がある抗炎症性錠剤を生産しようとしてきました。こうした企業はライフスタイルを変えることではなく錠剤を好む人々を見つけようとする傾向があります。

しかし錠剤はたった1つの要因 — 炎症の軽減 — にしか効能がなく、しばしば多くの危険な副作用を伴います。一方、ライフスタイルを変えると健康全体にいい影響があります。

最も抗炎症性が高い食物の1つがターメリックです。ターメリックスパイスに使われる黄色の色付け食材クルクミンに関しては各種の研究が行われてきました。小さじ1杯のクルクミンを毎日摂る効果と毎日30~60分の運動の効果をある研究で日本の研究者らが比較しました両方のグループとも内皮機能が改善しました。

別の研究は内皮障害が動脈硬直やアテローム性動脈硬化につながる可能性があることから、中心動脈系の血行動態を評価しました。この研究はクルクミンと運動を組み合わせたら被治験者の左心室の後負荷が下がることを発見しました。

後負荷とは大動脈弁を血液が通るために心臓が乗り越える必要がある抵抗です。左心室後負荷を減らすことで心筋ストレスが減少し、左心室肥大リスクを軽減し、血圧を下げます。

内皮機能障害の背景にあるメカニズムはNOの生物学的利用能を悪化させる酸化性ストレスと直結しています。

長時間座っていると内皮機能障害を発生させ動脈にダメージを与える

長時間着座の危険は文獻に豊富に記録されています。人間の体は動くように設計されており、約300箇所の関節があることは3次元で身体が動くのを助けるためです。

長時間の着座は、たとえ毎日運動して体が締まっていても、体内に作用する変化を生み、2型糖尿病、肥満、心臓血管病を促します。こうした条件は早死のリスクを高くします。

数百万の人々は長時間着座による影響を被っています。推計によるとアメリカ人の大部分は毎日8~15時間は座っています。これには出退勤の時間、終日の座業、夜のテレビ視聴に費やされる時間を含みます。

実際には、着座時間を追跡しない限り、座った姿勢で過ごす時間数に驚くかもしれません。

Annals of Internal Medicine(内科学専門誌)に掲載された近年のある研究は着座時間は心臓血管病、2型糖尿病、がんの発病リスクに直結し、早死につながることを発見しました。これには毎日の運動量は関係しません。

その研究は8,000人以上の参加者について評価した結果です。この研究から得られたよい情報は一回の着座時間が30分未満の人は早死リスクが最も低く、これより長時間着座していた人よりほぼ55%このリスクが下がっていました。

この研究の主著者コロンビア大学医学部研究者のキース・ディアス博士(Keith Diaz, Ph.D.)は「もっと運動する」という単なるガイドラインでは役立たないと考えています。同氏の説明によると:「もっと具体的なガイドライン例えば『30分座り続けたら立上り、速足で5分くらい動く/歩くことで着座姿勢による健康へのリスクを軽減する』というようなものが必要だと考えます。」

動かずに座っていると1時間以内に、下肢末端や骨盤に血液が溜まり始め、内皮機能の変化をきたします。研究参加者のふくらはぎの静脈血滞留とふくらはぎの血流減少が観察されるまで1時間座るだけで十分であることが発見されました。

こうした変化は動脈の加圧と、鼓動や心臓からの血液アウトプットの若干の変化につながります。ディアス氏は長時間着座が影響を及ぼすもう一つの経路についても説明してくれました:

「実証されたわけではないが、身体が血糖を処理する方法に関連性がありそうなことを示す根拠は見つかっています。私たちの考えでは、これが一種の糖尿病経路を通して発生するようです。

筋肉を使っていないとき、血糖を消費していませんから、血糖が身体に恐ろしい帰結をもたらしうることは把握しています。血糖制御が貧弱であることが着座により心臓病や死亡のリスクが高まる経路の1つではないかと思われます。」

ターメリックを栄養計画に取り込む方法

医薬品による人間の健康への数十年に及ぶダメージから健康にするまたは健康を維持する魔法の玉などないことを教訓として私たちは知っています。

病気のリスクに対して究極的に効果がある毎日自分でできるいくつもの選択肢が存在します。運動とクルクミンを日常の食事に採用するには2つの方法が考えられます。着座は15分までにして立上り、3~4分はストレッチしたり歩くことを私は強くお勧めします。

クルクミンはターメリックに含まれる化学物質の1つであり、この植物全体を食べることで栄養素が相乗的な効果を生むので、ターメリックを庭で栽培してはいかがですか。

ターメリックの健康へのメリットには内皮機能の支持や心臓血管病の減少を含むだけでなく、アルツハイマー病、がん、パーキンソン病、変形性関節症のリスク軽減とも関連しています。傷の治癒を助け、白内障や腎臓のダメージから保護することも考えられます。

ターメリックは裏庭でも室内の容器でも栽培できます。この植物は成熟するまで約10カ月を要します。生または乾燥した根をミートラブやマリネードに使用したり、生のまま切り刻んで生姜やターメリック ラッテに使用することができます。

生姜とターメリックのラッテ

レシピ

  • 小さじ1杯の新鮮な削ったターメリックか乾燥ターメリックスパイス
  • 生姜小さじ1杯
  • ココナッツシュガー小さじ1杯
  • ココナッツオイル小さじ2杯
  • 海の塩一つまみ
  • アーモンドミルク、1カップ

手順

  1. 削ったターメリックと生姜、ココナッツシュガー、ココナッツオイル、海の塩をミキサーに入れます。小さいお鍋を中火にかけ、アーモンドミルクを泡が出始める頃まで加熱します。熱いアーモンドミルクをミキサーに注ぎ、滑らかな泡状になるまでかき混ぜます。

ターメリック エセンシャルオイルは局部に使用することもできます。しかし、濃縮度が極めて高いので、溶液にするオイルで希釈することを強くお勧めします。使用する前に、このオイルに対するアレルギーがないことを皮膚に着けてテストすることをお勧めします。

妊娠中や授乳期にはターメリック エセンシャルオイルを使用しないようお勧めします。なかには胆嚢障害のある方や抗凝血剤や抗血小板薬剤を投与されている方がいるからです。オイルが血液の凝固を遅くすることがあるので、手術前の時期には使用しないでください。手術中の大量出血につながる場合があるからです。

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