レッドワインとチョコレート

早分かり

  • レスベラトロールを大量投与した実験で科学者らは、脳が萎縮していた軽度のアルツハイマー病患者が、脳の炎症を軽減すると思われる特定分子の発見以降遅くなったことを発見しました
  • 赤ワイン、キイチゴ、チョコレートに含まれる化合物、レスベラトロールが「漏れがある」血液脳関門を修復し、ミトコンドリアの機能を安定化することで、アルツハイマー病患者の認知的問題による蚕食を遅延させる可能性があります
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レスベラトロールとアルツハイマー病進行遅延の連関性

2017年8月9日 | 317 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

ザクロ、ブドウの皮、生カカオに共通すものは何か? 最初に思いついたのはすべて植物系の食品であるこということですね。その通りです。しかしどれにも共通してレスベラトロールという強力な抗酸化物質が含まれることもご存知でしたら、金星です!

レスベラトロールは植物が放出するポリフェノールの一種で、細菌、過度の紫外線からの損傷や、例えばアブラムシその他の微生物から受ける傷に対する抵抗力を付与します。

素晴らしいことには、レスベラトロールを含む食品を食べると同様なメリットを私たちも経験することができることです。

レスベラトロールは66秒に1人の割合で現在蔓延しつつあるアルツハイマー病に対する効能に関して。世界中で科学者が精査の対象にしています。

増加し続けるアルツハイマー病

アルツハイマー病が記銘力を失わせる病気であることはたいていの人が知っています。初期症状はあまり目立たない現象として発現します。これには大切な日や物の場所を忘れることが挙げられます。進行するにつれ、小切手帳の残高合わせがますますいらいらさせる課題になっていきます。

さらに進行したアルツハイマー病患者は曜日や自分の居場所を混乱し、言葉や距離の区別がつきにくくなっていきます。会話についていけなくなっていきます。気分や人格の変化が進行していきます。アルツハイマー病協会の報告書が次のようなことを暴露しています:

「アルツハイマー病患者数は増加の一途を辿る — その増加率は高い… アメリカのアルツハイマー病患者540万人のうち、推定520万人が65歳以上で、200,000人が65歳未満(若年発症のアルツハイマー病)である。」 

発症の経路や原因は長年、仮説だけが立てられてきましたが、従来医学は根本原因まで探り当てる代わりに、全身治療しか実施することができませんでした。

レスベラトロールの人体におけるデメリットの一つは摂取後直ちに代謝されて分解されることです。このため身体はそのメリットをほとんど受けることができません。アルツハイマー病協会のウェブサイトは次のようにも言っています:

「アルツハイマー病は予防、治癒や減速も不可能なアメリカの10大死亡原因の一つです。」

最近の科学研究の結果によると大量のレスベラトロールを軽度から中度のアルツハイマー病患者に投与したところ、症状を遅延させるか全く進行を止めることが発見されました。

この研究結果はアルツハイマー病協会主催の2016年7月トロントで開催された国際会議で発表され、そこで、レスベラトロールに効能がある可能性についての「大きな構図」が説明されました。

初期研究: レスベラトロール大量投与でアルツハイマー病患者に効能がある可能性

2015年に神経学専門誌「Neurology」は米国で実施されたレスベラトロール大量投与に関して1年間実施した最大の臨床検査について公表しました。この検査では軽度から中度のアルツハイマー病治験者119人に投与しました。主任試験責任者R.スコット・ターナー博士はこの臨床検査の目的の一つがレスベラトロール大量投与の長期的安全性を検証することであると述べました。

治験者の半数に偽薬を与え、残りの半数にレスベラトロールを最初は1日に500 mg、最終段階では1日に1,000 mgを2回投与しました。

動物の加齢に伴う病気がカロリー制限で減少する可能性があり、レスベラトロールはサーチュインという同じタンパク質を放出することによってカロリー制限を模倣する可能性があることを、科学者はすでに把握していました。このサーチュインは骨格筋のミトコンドリア機能制御で一役演じていると考えられています。

カロリー摂取の制限は毛虫、ラット、魚の加齢進行を遅めることで長寿に関連する遺伝子を変性させることが判明しています。しかし人にも同様の効果がある証拠が存在します。この研究を実施したジョージタウン大学医療センター(GUMC)の報告をご紹介します:

「レスベラトロールがサーチュインというタンパク質を活性化するので研究者らはレスベラトロールを研究しました。サーチュイン類はカロリー制限によって活性化されるタンパク質だからです。

アルツハイマー病の最大のリスク要因は加齢です。動物実験では大部分の加齢に伴う病気は — アルツハイマー病を含め — 長期的なカロリー制限(正常なカロリー摂取量の3分の2を消費すること)によって予防できるまたは遅延させられることが判明しました。」

認知症の進行に伴い、タンパク質の一種アミロイドβ40 (Abeta40)が弱体化します。研究者らはレスベラトロール投与群の髄液には、より多くのアミロイドβタンパク質が含まれており、この群の脳体積損失は偽薬に比較してレスベラトロール処置で増加したことを発見しました。CNNのあるレポートによると:

「脳内のアミロイドβ蓄積はアルツハイマー病の太鼓判的特徴であるとはいえ、患者らは実際には脳以外でこのタンパク質の濃度が低い。研究結果を見ると、レスベラトロールは脳内のアミロイドβ蓄積から体内へのタンパク質循環へ平衡をシフトさせる効果があるようである。」

科学者がこの試験前後の患者の脳MRIを解析したところ、レスベラトロール群の患者のほうが偽薬を投与した群より脳の体積損失が大きいことを発見しました。科学者らの仮説はアルツハイマー病患者に一般的な脳の腫れがこの処置で軽減されたというものでした。

こうして発見された事実は「逆説的」とか「不可解」と言われ、フォローアップ研究に新たな道を残しました。

新たな発見: 炎症対レスベラトロール

ターナー氏はレスベラトロールの第2次試験の主任試験責任者で、GUMCの科学・臨床研究部長チャーベル・ムサ博士と協働していました。新たな臨床検査で、19人の治験者に赤ワインボトル1,000本に匹敵するレスベラトロールの大量投与を実施しました。他の19人の治験者には偽薬を投与しました。

科学者の主な目的はアルツハイマー病患者の脳髄液(CSF)中の細胞外基質分解酵素9 (MMP-9)の分子量を調査することでした。はたして、様々な試験で偽薬群に比べこの分子量が50%減少したことが判明しました。Medical News Todayが次のように説明しています。

「この減少はサーチュイン1(カロリー制限に関連するタンパク質の一つ)が活性化されたときにMMP-9が減少したことに起因しているので有意です。MMP-9濃度が高いと 血液脳関門の破損につながることは周知です。この関門はタンパク質その他の分子が通常は脳に入らないようにしているバリケードです。

さらに、この研究チームは、レスベラトロールによって長期的「適合型」免疫反応に関連している化合物の濃度が上がったことも発見しました。この事実は脳に常駐する炎症性細胞の関与を示唆します。こうしたタイプの反応は神経毒性タンパク質を分解し除去します。」

脳の炎症以外にも、アルツハイマー病患者は神経組織炎症によってもさらに弱体化させられています。神経組織炎はニューロンの分解とこれに起因する認知力低下と関連しており、MMP-9分子が関与しています。しかし、レスベラトロールは有害な免疫分子が脳に入るのを阻止する一種の門番として機能しているようなのです。

科学者が言うには、同様の脳炎症軽減は多発性硬化症患者に投与した薬剤で科学者が確認したことでした。この硬化症は過度の炎症を特徴とする別の脳の疾患です。

レスベラトロールの大量投与が治験患者の一部に嘔吐、下痢、若干の体重増加または減少の原因になったと同時に、補助投与はその他の副作用を発生させなかったと研究者らは説明しました。

炎症がアルツハイマー病の原因をなす大きな役割を発見したのに加え、科学者はレスベラトロールのある程度の抗炎症効能に対する大きな期待を表明し、継続調査を計画しました。

レスベラトロール ミトコンドリアへのメリット

数件のレビューがレスベラトロールによるいくつか他の健康のメリットを報告しています。「Nature」誌は、レスベラトロールが高カロリーの餌を与えたマウスの健康と生存率を改善したこと、これがおそらく肥満関連の障害や加齢による疾患のための治療オプションになるかもしれないと説明しています。

別のレビューはレスベラトロールがミトコンドリアを改善したことを説明しています。ミトコンドリアは体内エネルギーの流れの90%以上を生産する、ほぼ全身の細胞に存在する小さい必要不可欠なエンジンです。ミトコンドリアはスベラトロールによって食習慣に誘発される肥満やインスリン抵抗性からも保護されています。レスベラトロールによるミトコンドリアの保護は別の研究で考察されており、そこでは次のように説明されています:

「心臓病、脳卒中、糖尿病の合併症、アルツハイマー病、がんによる年齢固有の死亡率は加齢にともない指数的に増加します …

レスベラトロールがミトコンドリアを保護する効果は、心臓血管系その他器官の加齢にともなう発病を予防/遅延する可能性がある、加齢防止作用の元になっているという仮説は実証されました。」

レスベラトロールはミトコンドリア機能を改善し、ミトコンドリア生合成の主要ドライバーであるSIRT1とPGC-1αを活性化する特性により、新陳代謝系疾患から保護することが証明されています。Science DirectはSirt1を経由するレスベラトロールの、本質的にはミトコンドリアを強化することによる、潜在的加齢阻止や抗糖尿病特性に注目しています。人のガン予防に関する前臨床検査のレビューによると:

「レスベラトロールは効能のある抗炎症や抗酸化効果があること、血小板凝集や各種ガン細胞の増殖を阻止することが知られています。

その潜在的な化学防御と化学療法活性は発癌の三段階(イニシエーション、プロモーション、プログレッション)の全てにおいて実証されています。これは薬剤およびUVB光線でマウスに誘発させた皮膚発癌でも、人間のガンに関するマウスモデルでも証明されました。

多くの試験管内および生体内の実験から得られた証拠によって、レスベラトロールの様々な標的と信号経路を変化させる効き目も確認されています。マウスに対して行ったさらにもう一つの研究からは、PGC-1αが筋肉内で乳酸の形成と蓄積を防止することが示されました。

レスベラトロールを食事から取ることに関する注意

ほとんど知られていないけれども強力なレスベラトロールの摂取源はイタドリ茶です。これは日本や中国で使用されてきた心臓病や脳卒中に効く伝統的なハーブ茶療法です。イタドリ茶も赤ワインも高濃度のレスベラトロールを含んでいます。レスベラトロールのメリットを苦労して集めようとして赤ワインの消費量を増やすことをお考えかもしれませんが、アルコールは脳や他の器官を損傷します。脳の助けにするために赤ワインを飲むのは反直感的です。

レスベラトロールはぶどうの皮に最も集中して存在するので、皮が厚いミュスカダン・ブドウのほうが優れる摂取源です。しかし、ぶどうは糖分(果糖)が多く、控えめに食べるべきです。従って治療に役立つほどの量のレスベラトロールを取ることができません。

過剰な果糖の消費は二、三の例を挙げるだけでもメタボ症候群、内分泌への悪影響、腎臓の損傷、すい臓がん等に係っています。

天然のままの果物から摂取する分を含め、果糖消費量として私は1日25gをお勧めします。しかし、インスリン抵抗性、高血圧、心臓血管病やガンの問題がある方は果糖摂取量を1日15gに減らすことをお勧めします。

有機ワインを作るために使用されるぶどうにまで、モンサント社の長いリーチが及んでいることは念頭に置いてください。研究によっても、ワインには高濃度のヒ素や発癌物質が含まれることが証明されています。これらの要因がなくても、肝臓にストレスとなり、インスリン濃度を上げ、これらが一つにまとまって様々な健康上の問題や重篤な疾患につながる可能性があります。

この研究の著者の一人ターナー氏でさえ、軽度のアルツハイマー病には赤ワイングラス一杯を一日に飲むと進行を遅くする効果があることは認めていますが、警告しています:「それ以上は飲まないこと」

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