夜の熟睡

早分かり

  • スマートマットレスやスマート枕からウェアラブルなスマートベルト、ブレスレットなどのハイテク寝具は、これまでにないほど睡眠習慣データを収集します
  • 収集データが夜の熟睡に活用されるかどうか、また、そもそもデータが正確であるかどうかを決めるにはまだ早すぎます
  • 研究によると、オンラインの「不眠症のため認知行動療法(CBT-I)」が慢性不眠症の人々の睡眠を改善すると言います
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睡眠を求める落ち着きのない気持ち

2017年2月9日 | 559 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

成人の約半分が夜ゴロゴロと寝返りを打って眠れないか、すぐ目が覚めてしまいます。 人間のこの基本的な必要性が満たされないと、多大な犠牲を払うことになります。慢性病、肥満、早死のリスクが高まる一方、生産性の損失だけで米国経済に年間4,110億ドルのコストを掛けさせています。

言うまでもありませんが、睡眠不足の流行への解決策は、特に高リスクで中毒性の強い睡眠薬に頼らない真の解決策は、社会に計り知れない利益をもたらします。ハイテク機器は、不眠症との闘いの最新の武器ですが、今やますます人気を博し、使用が拡大しています。

例えば、Senseというデバイスは、公益法人Kickstarterの2014年キャンペーンから生まれた製品ですが、多数のセンサーを使いあなたの寝返りやその他の睡眠データを収集し、スマートフォン・アプリ経由でデータ解析を行い、個人別の睡眠実態を提供するものです。

中々手に入らない「熟睡」の獲得を助けるその他のハイテク装置には、Sleep Shepherdヘッドバンドがあります。これは、睡眠中の脳波をモニターするものです。また、わたしのお気に入りとしては、Museというデバイスがあり、個人的な瞑想アシスタントとしてリラックスを助長してくれます。それを就寝前に使うと、安眠に導いてくれます。

技術は人の睡眠の改善を手助けしてくれるでしょうか。

睡眠トラッカーやアプリが人々の睡眠に役立ったという逸話的な報告がたくさんありますが、実際には、これらの製品の多くは非常に新しく、その有効性を証明するには長期の研究がまだまだ必要です。

技術進歩によって引き起こされる睡眠障害を治すのに、またまた技術を使うということは、皮肉なことです。日没後にスマートフォン、パソコン、タブレットを使用することは不眠症につながります。なぜなら、それらが放つ青色光メラトニンの生成を阻害するからです。メラトニンは、安らかな睡眠のために重要です(また、ガンの予防のように他の健康上の利点もあります)。

今や睡眠習慣を追跡する何百ものアプリがあり、その多くは睡眠を妨げることなく追跡に成功しています。フィットネス・トラッキング・リストバンド、例えば、Jawbone社のUP3ですが、それはどんな活動があなたを熟睡に導き、どんな要素が睡眠不足をもたらすかを教えてくれるものです。

スマートマットレスやマットレスパッドもあり、睡眠を追跡し、レポートを提供し、それによって睡眠習慣を適切に調整することができるようになっています。睡眠中に体温を調節するのに役立つと主張する人もいます。

経験的データが集まったら、あなたの出番です。睡眠サポートのために変更を加えてください。アプリや他の睡眠デバイスは、変更まではやってくれません。

こうしたデバイスはどこまで正確かという問題があります。ウエストバージニア大学の睡眠エキスパート、心理学部准教授のHawley Montgomery-Downs博士は、改善の余地が多いと考えています。

彼女はThe New York Times紙に、「睡眠センサーは不正確な情報をフィードバックしている。センサーは人々の睡眠を実際よりも良いと報告している」と述べました。

スマートスリープ装置は、データ収集をしますが、それでどうなるのでしょうか。

睡眠トラッカーは、私が実際に眠っている時間(ベットですごす時間ではなく)を明らかにするのに役立つこと分かりました。そのおかげで、必要な睡眠時間を得るために就寝時間を調節できました。

しかし、データ収集があまり役に立たないこともあると言う人々もいます。例えば、夜中に目を覚ましたことを知らせるくれるのですが、それはすでに分かっていることです。現在、スマート枕カバー、スマートパジャマベルト、ベッドセンサー、スマートアラーム時計などがあり、睡眠に関する詳細なレポート提供すると言っています。

しかし、レム睡眠や軽い睡眠の正確な時間、睡眠中に発生するあれやこれやを知ることは、間違いなく興味深いのですが、そうした情報は、より安らかな睡眠や寝付き易さのために活用されることはないでしょう。

最終的には、個人に特化した有益なフィードバックやアドバイスをくれるプラットフォームにデータを変換する必要があります。そうなれば、より良い夜を過ごせます。

それでもなお、睡眠データにアクセスすれば、自分の睡眠習慣にもっと注意を払うようなるでしょう。少なくともある研究では、活動トラッカーが睡眠分野で有用であることを示しました。ユーザーは、1年間使用後、1晩30分以上睡眠が増えたと報告しています。 

その研究の著者であるLaura Puglieseは、ニューヨークのヘルスケア・イノベーション&テクノロジーラボのイノベーション研究担当副部長は、「人々は、データ目の前に突き付けられるまでは、どれほど睡眠をとっていないかを分かっていませんでした。」とSTATニュースに述べています。

オンラインの不眠症セラピーが不眠症患者を眠らせる

技術が不眠症との闘いを支援するもう一つの方法が、オンラインのセラピー・プログラムです。例えば、 最近起業したばかりのある会社が、Sleepioというオンラインの睡眠改善プログラムを作成しました。このプログラムは、バーチャルセラピストを特徴としています。

不眠症のための認知行動療法(CBT-I)は、不眠症のための最も標準的な治療法と考えられていますが、この分野の専門家を用意するのはとても難しいので、多く人が治療を受けられません。しかし、このオンラインプログラムは、インターネット接続を利用して人々がどこからでも必要な支援をを提供することができます。

JAMA Psychiatry(精神医学)に掲載された研究では、慢性不眠症の患者の半数以上がオンラインプログラムを開始して数週間でうまく眠るようになったと報告し、1年後は、ほとんどの人で睡眠が改善したと報告しています。この研究は次のように述べています:

「慢性不眠症の成人303名を対象としたこの無作為臨床試験では、不眠症介入のためのインターネット認知行動療法(インターネットを用いた健康睡眠[SHUTi])を受けた患者は、患者教育ウェブサイトにアクセスしただけの人に比べて、著しく睡眠が改善しました。1年間で不眠症寛解状態を達成したのは56.6%で、治療により何らかの効果があった者は69.7%でした。」

市販の睡眠薬の誤用

ハイテク機器以外にも、市販薬は、熟睡を必死に求める多くの人が用いる補助手段です。しかし、2015年コンシューマー・レポートの調査によれば、これらの医薬品は、特に長期間使用した場合に危険な習慣です。

調査には4000人以上の米国人が含まれ、そのうちの20%が過去1年間に睡眠を改善する目的で市販薬を使用していました。そのうち18%が毎日薬を使用し、41%が1年以上薬を使用していました。

対象となった市販薬には、Advil PM、Nytol、Simply Sleep、Sominex、Tylenol PM、Unisom SleepMinis、ZzzQuilなどがあり、翌日の眠気や協調動作や運転の問題、加えて便秘、めまい、混乱などにつながる抗ヒスタミン剤である活性成分のジフェンヒドラミンがふくまれています。

こうした薬は、短期間使用すること(2週間を超えない)を目的としています。なぜなら、長期使用すると習慣化の可能性があり、心理的依存につながるためです。それにもかかわらず、多くの医薬品パッケージは、それらを「非習慣性」として広告しています。

ある研究では、長期使用をアルツハイマー病を含む認知症のリスク増加に関連づけています。

また、多くの市販薬にはibuprofenやacetaminophenなどの他の成分も含まれており、胃腸障害、潰瘍、肝臓の損傷などの他のリスクを伴います。

慢性不眠症がもたらす厳しい身体的リスクに加えて精神的、感情的な犠牲を考慮すると、あなたは、少しでもよく眠るために、進んで何か、睡眠薬でも試したいと思うかも知れません。

しかし、心理療法、特にCBT-Iは、人々が睡眠に関する思考や行動を変えるのを助け、薬物より効果的であることが証明されています。

米国内科学会(ACP)が委託した一連のレビューで、CBT-Iが明らかに勝者でした。最小限の副作用で不眠症を緩和するので、ときに重大なリスクを伴う不眠症治療薬と対象をなしました。

米国睡眠医学アカデミー(AASM)も、不眠症の第一線治療法として心理療法を推奨しています。このようにして、技術、すなわちオンラインCBT-I療法は、いろいろな市販薬を含む睡眠薬の欠点を避けるのに有益であること分かるでしょう。

熟睡のために他に何が有効でしょうか。

睡眠パターンと睡眠時間を追跡することが役立つ人もいるでしょうが、睡眠環境を改善するという基礎に立ち戻ることも有効でしょう。

私のリストのNo.1は何でしょうか。日没後は、LEDを含むブルーライトを浴びないことです。青色をブロックする眼鏡を着用することが、それを簡単に実現します。さらに続けると、

夕方からは、TVの視聴、パソコン、スマートフォン、タブレットの使用を止める。 就寝前の少なくとも1時間前には止める。

明るい日光を必ず浴びるようにする。松果体はメラトニンを生成するのですが、それは、日中の明るい日光を浴びた時間と夜間の完全な暗闇とのほぼ対比を元にしています。1日中暗闇にいる場合は、違いが判らないため、メラトニン生成に適していません。

午前中に日光浴する。あなたの体内システムは明るい光でリセットされる必要があります。朝10~15分日を浴びれば、「その日が始まった」という強いメッセージが体内時計に送信され、後で弱い光信号で混乱する可能性が低くなります。

完全な暗闇または、可能な限りそれに近い中で眠る。ラジオ付き時計からのわずかな光でさえ眠りを妨げるため、夜はラジオ付き時計を何かでカバーするか、すべて部屋の外に出してください。電子機器はベッドから最低90cmは離してください。カーテンや遮光のシェードを使用して窓を覆うか就寝時アイマスクを着用します。

夜間の移動に光源が必要な場合は、低ワット数のイエロー、オレンジ、または赤のランプ電球を取り付けます。これらの帯域幅内の光は、白や青の帯域幅のライトと異なりメラトニン分泌を止めません。岩塩ランプは、この目的のために便利で、天然の無害キャンドルと同様です。

寝室の温度は21℃以下に保つ。多くの人が部屋(特に上階の寝室)を暖かくしすぎています。研究によると睡眠に最適な室温は15~20℃です。

就寝時間の90~120分前に熱い風呂に入る。これにより身体の中心部の温度が上昇し、風呂から出ると急激に低下するため、眠る準備ができたという信号を体に送ることになります。

大きな音がするアラーム時計は使わない。毎朝、揺り起こされるのは、とてもストレスを感じるでしょう。常に十分な睡眠を取っている場合、あなたは自然に目を覚ますので、アラームを必要としないでしょう。

寝室内の磁場(EMF)に注意。EMFは松果腺とメラトニンの生成を阻害し、他の負の生物学的影響ももたらします。もしあなたの家の様々な場所のEMFを測定したい場合にはガウスメーターが必要でしょう。
できればすべての電気を消すスイッチを寝室に付けましょう。時計が必要であれば、電池で動くものにします。

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