スピルリナの効能

早分かり

  • 藍藻類の一種であるスピルリナは、タンパク質、ビタミン、抗酸化物質および他の栄養素が濃縮された大変優秀な食品である。
  • スピルリナは栄養サプリメントとして知られているが、一部の国では栄養不良を防ぐための貴重な食料源とされている。
  • スピルリナを週5日、2ヶ月間与えられた子供は、与えられていない子供にくらべ、栄養状態が改善され、知能面でも発達が見られたことがわかった。
  • スピルリナは、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関が、宇宙船内や火星での飛行士の食事としての効果を研究しているほど、栄養が豊富な食品です。
  • スピルリナは、2型糖尿病、心臓病、神経変性疾患、HIV、アレルギーをはじめとした、様々な疾患に対応する効果が期待されている。
前の記事 次の記事

スピルリナ:栄養不良に効く夢の健康食品

2016年10月3日 | 2,083 ビュー |

Dr. Mercolaより

藍藻類の一種であるスピルリナは、タンパク質、ビタミン、抗酸化物質および他の栄養素が濃縮された大変優秀な食品です。地球上で最古の生命体の一つであるスピルリナが食料源として利用されたのは、9世紀のチャドにさかのぼります。また、16世紀のメキシコにて、アステカ人によって使用されたとも言われています。

単細胞生物の一種であるスピルリナは、バネのような形をしていることから、名前をラテン語の「らせん」あるいは「スパイラル」に由来するものとなっています。スピルリナは、主にサプリメントや、スムージーや野菜ドリンクに追加するといった用途が知られています。しかし、一部の国では、スピルリナは栄養不良を防ぐための貴重な食料源とされています。

スピルリナが特別な栄養成分である理由とは?

スピルリナは、「藍藻」の種類として記載されていることが多いですが、正確には、シアノバクテリアの一種です。シアノバクテリアは、細胞核を持たず、遺伝物質が核膜で隔てられていないことから、バクテリアに分類されます。他のバクテリアと違う点は、葉緑素を持ち、植物や藻類と同様、太陽をエネルギー源としている点です。

スピルリナの特徴の一つは、タンパク質の豊富な含有量にあり、重さにして50-70%(赤身肉の27%より多い)のタンパク質が含まれています。また、必須アミノ酸を全て含んでおり、非必須アミノ酸においても12種類中10種類、さらに下記のような強力な効果を持つ栄養分を含んでいます。

ビタミンB群(特にB-12を多く含む)や ビタミンK、その他ビタミン類 天然のヨウ素 ミネラル(カルシウム、鉄分、マグネシウム、セレン、マンガン、カリウム、亜鉛)
ガンマリノレン酸を含む栄養分(心臓や関節にとって重要な脂肪酸であるGLA) ヘルパーT細胞をHIV感染から守る効果のあるスルホリピドなどの他の必須脂肪酸 植物性色素(フィコシアニン、クロロフィル、およびカロテノイド類)
メタロチオネイン化合物(放射性同位体と結合する重金属とタンパク質の化合物) 低炭水化物(15-20%) 18種類のアミノ酸

さらに、スピルリナには次のような特性もあります。

  • スピルリナ中のタンパク質は、酵母やクロレラと異なり細胞壁の成分がセルロースではないので、大変消化率が高くなっています(83-90%)。そのため正味タンパク利用率(NPU)が高く(53-61%の間)、タンパク質の吸収率を高めるために調理する必要がありません。
  • スピルリナは「プロテイン効率(PER)」が非常に高い、つまり体内で効率よくアミノ酸を利用できることが、多くの研究で確認されています。
  • ガンマリノレン酸(GLA)をこれだけ多く含む食品は稀で、通常は体内でリノール酸から合成される成分です。GLAは、炎症反応や免疫反応を起こす化学伝達物質であるプロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサンなど、重要な生物化学物質の前駆体です。
  • スピルリナは、炭素数が奇数個の脂肪酸を全く含まず、分岐鎖脂肪酸もほとんど含んでいません。これらは、高位の生物つまりヒトが代謝できない2種類の脂質です。
  • スピルリナには牛乳と同量のカルシウム、リン、マグネシウムが含まれ、ビタミンE(トコフェロール)は小麦の胚芽に匹敵する量、さらにビタミンB12には生レバーの4倍の量が含まれているのです!

栄養不良と戦うスピルリナ

天然のスピルリナは、メキシコ、アフリカ大陸のアルカリ性の湖で自生していますが、最近では商業目的で世界中で栽培され、収穫されています。スピルリナの量産は、2020年までに220,000トンに到達すると推測されています。現在は日本で最も多く栽培されており、同国で最も多く消費されていますが、近年はインドでの消費も増えてきています。

例えば、Antenna Indiaという企業は、栄養不良のリスクのある子供たちに、スピルリナの「お菓子」を提供し、自助グループの女性たちには低コストでスピルリナを提供、栄養不良に対する認識を広めつつ、販売利益による女性たちの自立を促しています。

ある研究では、スピルリナのサプリメントを週5日、2ヶ月間与えられた子供たちは、与えられていない子供にくらべ、栄養状態が良く、知能面でも発達が見られたことがわかりました。

スピルリナは、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関が、宇宙船内や火星での飛行士の食事としての効果を研究しているほど、栄養が豊富な食品です。

さらに、栄養面だけでなく、スピルリナを栽培する人たちや環境にまで様々な利点をもたらしています。例えば、スピルリナの栽培に必要な水は、他の野菜の10分の1ですみ、しかも通年の収穫が可能です。

スピルリナで免疫システムを強化し、炎症を軽減し、慢性疾患と戦おう

スピルリナの健康改善効果は絶大であり、身体のあらゆる部分に良い影響を与えます。例えば、スピルリナは心血管系疾患を患う人や脂質プロフィールを改善したい人、高血圧を抑えたい人、さらに血管の弾力性を高めたい人にまで、あらゆる効果が期待できます。

動物実験の結果から、スピルリナには肝臓を守る作用があることが示唆されています。これは、スピルリナの高い抗酸化作用や、一酸化窒素を合成(放出)する能力によるものです。さらに、抗酸化作用の高い食品3品目(ブルーベリー、ほうれん草およびスピルリナ)に関するある研究では、スピルリナには最も高い神経保護効果があることがわかりました。これは、フリーラジカルを抑え、炎症を軽減させる作用によるものと考えられます。

また、ヒ素中毒からアレルギーまで、多くの症状に効果をもたらすこともわかっています。ある研究では、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、かゆみなどの一般的なアレルギー性鼻炎の諸症状に、スピルリナの効果が見られたという報告がなされています。スピルリナはこの他にも、多くの科学的研究で次のような症状の予防および/または治療での有用性が認められています。

AMD(加齢性黄斑変性症) 2型糖尿病
高血圧などの心血管系疾患 NAFLD(非アルコール性脂肪肝)
肝臓の健康、重金属への暴露による症状の軽減 脳血管疾患(脳卒中など)
鉄欠乏性貧血、悪性貧血(ビタミンB12不足)、ビタミンA不足、クワシオルコルなどの栄養不足による疾患

パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経変性疾患
HIVやその他ウィルスから体を守る  アレルギー症状の緩和
ガンの予防 放射線から体を守る
骨髄、血液の健康(抗ガン剤使用中) 免疫力強化炎症反応の調整
痛みや炎症を起こすプロスタグランジンを阻害し、痛みを緩和  関節炎の症状緩和
 電離放射線からの防護

スピルリナの安全性:汚染に注意

スピルリナは、高用量でも安全性が高く、副作用もほとんど報告されていません。 しかし、栽培水の汚染、栽培方法が適切でない場合は環境中の毒素を蓄積してしまいます。理想的には、汚染のない環境で信頼できる生産者によって栽培されたオーガニックのスピルリナを選びましょう。

スピルリナの服用を始める場合は、病気予防を目的とする場合、推奨用量は成人で一日3,000 mg、子供は500-1,500 mgです。治療効果を求める場合、成人で一日10,000-20,000 mgが必要です。しかし、必須ビタミン、ミネラルの宝庫であることもさることながら、スピルリナのデトックス効果もまた特筆すべきなのです。このような理由から、少量から初めて、個人に合った量に調整してください。身体の反応を確かめながら、量を増やしていきましょう。

重篤な副作用はではないですが、よくある反応をご紹介しておきましょう。

  • 微熱。タンパク質を多く含んでいるため代謝が上がることで体温が上昇する。
  • 濃い緑色の便。スピルリナにより大腸内の老廃物の排泄を促され、便の色が濃くなる。
  • ガスが増える。消化器官の働きが衰えていてガスがたまりやすくなっているため。
  • 興奮状態 や眠気。タンパク質をエネルギーに変換するため一時的に興奮状態になる。反対に、デトックス作用により眠気がおこることもある。体が疲弊しており、休養が必要なサイン。
  • 発疹やかゆみ。大腸の清浄工程で発生する一時的な症状。

スピルリナに身体を適応させる期間に発生する症状であるため、急激な反応をなるべく少なくするためには、少量から初めてだんだん増やすと良い。中には、スピルリナが体に合わない人もいます。その場合はスピルリナを使うのはやめましょう。代わりに、クロレラにも似たような効果があります。

前の記事 次の記事

免責条項: 本ウェブサイトのコンテンツは特に断りのない限りすべてDr. マーコーラの意見に基づいています。個別の記事は記載の通りに著作権を保持するそれぞれの執筆者の意見に基づいています。このウェブサイト上の情報は有資格の医療従事者との1対1の関係性を置き換えるものではなく、医師のアドバイスとして想定されるものではありません。Dr. マーコーラおよび彼のコミュニティによる研究と経験からの知識および情報の共有を想定しています。Dr. マーコーラは、あなたがご自分のヘルスケアに関する決定を、有資格の医療従事者とのパートナーシップの中で下すことを推奨します。あなたが妊娠中、投薬中、または内科的疾患がある場合は、このコンテンツに基づいて製品を使用する前にかかりつけの医療従事者に相談してください。