皮膚科医の勧め

早分かり

  • 日光を避けると、高血圧、心血管系疾患、ガン、うつ、などのビタミンD不足による病気につながる。妊娠中の女性と胎児にもリスクがある。
  • ある程度の日光を浴びることが体に良いことを示す証拠は多いが、日焼け止めに皮膚ガン予防効果があり、ビタミンDのサプリメントが日光と生物学的に同等であることを示す証拠は少ない。
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日光を浴びることへの皮膚科医の誤った見解が慢性病のもとだった

2016年5月9日 | 1,866 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

米国公衆衛生局臨時長官で皮膚科医のBoris Lushniak氏は、2014年7月、「皮膚ガン撲滅キャンペーン」を打ち立て、紫外線は有害であり、日光への曝露を避けるべきであるとの見解を訴えました。

American Academy of Dermatology(AAD:米国皮膚科学会)やSkin Cancer Foundation(米国皮膚がん財団)も、ビタミンDはサプリメントで補充できるとし、皮膚の色に関係なく誰もが日光への曝露を避けるよう提唱しています。

この考えは不合理で短絡的であり、信憑性に欠けています。現在おこなわれている34,000件以上の研究において、ビタミンDの生成やビタミンDとは関係ない理由で紫外線の照射が必要であることを示す詳細な科学的根拠が存在します。

皮膚の色は日光を浴びる時間数を決定づける重要な要素であり、これを考慮に入れていない助言は、理屈がとおっていません。人間は夜行性の動物ではありません。日光を完全に避けることを勧めるひどい助言には従ってはいけません。

日光を浴びることへの皮膚科医の見解

考えてみてください。皮膚科医の不合理な懸念に動かされ、メディアや公衆衛生当局は一般市民に日焼け止めを使うよう勧めるようになりました。

一般市民が、この「予防策」を受け入れた結果はどうなったでしょうか。皮膚ガンの増加です。

なぜでしょうか。多くの皮膚科医が勉強が足りていなかったからです。多くの日焼け止めは、紫外線B波(ビタミンDの生成を助け、皮膚ガンの発生を抑える作用がある)をブロックしますが、紫外線A波(過剰な曝露により皮膚ガンの原因となる)はバターに熱いナイフを入れるように皮膚を通過します。

さらに悪いことに、皮膚科医達はその間違いを認めていません。皮肉にも、紫外線照射の治療を診療室でのみ高額で提供しているのです。

急激に日光を浴びなくなると病気にかかる確率が増加する

紫外線を避ける様に提唱するということは、ガン、心血管系疾患、免疫不全、うつなど、ビタミンD不足が関係する症状が増加するもととなることは間違いありません。

紫外線B波を浴びることは健康のために必要です。リスクがあるとすれば、長時間の露出による日光皮膚炎(日焼けやけど)くらいです。研究者は、ビタミンDが全細胞の生化学的な調整機構に関わっていることを示しています。

ビタミンDが不足すると健康に様々な害をもたらします。正常な遺伝子の発現には、細胞内に活性型ビタミンDが必要です。

Sunlight, Nutrition And Health Research Center(SUNARC、日光、栄養、健康リサーチセンター)のセンター長を務めるWilliam Grant博士は、日光を避け屋内で過ごすことは必ずしも最善策ではないとし、次の様に述べています。

「職業上の理由で日光を浴びることの多い人で黒色腫のリスクが減少することが複数の報告書で示されている。黒色腫との関連性が高いのは、紫外線に肌をさらすことよりもむしろ、日焼けのない肌、高脂肪で野菜や果物の少ない食生活、過度な日焼けなどである。」

妊娠中の女性にも欠かせないビタミンD

ビタミンDは妊娠中の女性にとっても重要です。不足すると、母体、胎児の双方に短期的、長期的な影響を及ぼします。例えば、子供においては、糖尿病、アレルギー性鼻炎、関節炎、脳卒中および心血管系疾患などの長期的リスクが増加します。

最新の研究では、母体の体内ビタミンD濃度が上がると、冬生まれの赤ちゃんの骨を強化できるということがわかっています。サウサンプトン大学の研究主任であるNicholas Harvey博士は、ビタミンDを得るには日光を浴びることが一番良いと述べています。

皮膚科医が見逃している肌の色

AAD:米国皮膚科学会は、事実、肌の色を問わない対策を推奨しています。多くの反証の存在にもかかわらず、日光を浴びる行為は、どうにかして避けなければならない危険なものであると皮膚科医は捉えているのです。

これは、あまりにも無意味で、非科学的な考え方です。肌の色が濃い人は、屋外ではなるべく日陰で過ごし、長袖の服や日焼け止めを使って肌を守るように皮膚科医は指導しているのです。

サプリメントが日光と生物学的に同等であるという概念は完全な対策ではありません。紫外線B波を浴びることが難しい場合にはサプリメントをお勧めしますが、日光を浴びることで得られる効果にビタミンDが取って代わるという考えはばかげています。

実際、ビタミンDの補充療法に対する反応は個人差があり、6-10倍程度の用量反応の差が見られます。ビタミンDを補充している場合は、年2回の検査を受け、濃度が40ng/ml以上に維持されていることを確認しましょう。

公衆衛生対策として問題の捉え方が簡潔過ぎることの弊害

米国皮膚がん財団は、AAD:米国皮膚科学会の推奨に同調しています。

このような認識や、肌の色を考慮していない理由を尋ねられ、米国皮膚がん財団の光生物委員会の長を務めるHenry Lim博士は、ビタミンDのサプリメントで完全な補充が可能なため、肌の色を考慮に入れるという情報自体が適切でないと回答しました。
Lim氏は次のように述べています。

「公衆衛生に関するメッセージは、なるべくシンプルに、一般の方にとってわかり易い表現にしたいのです。細かいルールを設けると、複雑過ぎると考えています。」

行き過ぎたシンプルさにより、皮膚科医達は、ビタミンD不足が原因となる死の危険に多くの人をさらしています。ビタミンDの不足は、病状が現れるまで気づかれることはないのです。さらに、日焼け止めの使用についても科学的根拠に欠けています。

伝染病学者Marianne Berwick博士の分析では、日焼け止めを使うと皮膚ガンの予防ができることを示唆する証拠は非常に少ないことがわかっています。

Berwick氏は、基底細胞ガン(非致死性)および致死性が高い黒色腫に関する複数の研究を分析した結果、日焼け止めを使用している人にこれらの皮膚ガンが多く見られることを発見しました。

人体は、日光を浴びて健康増進するようにできている

日焼けによる肌へのダメージは良くありませんが、健康のためには日光を浴びる必要があります。紫外線B波をどの位浴びる必要があるかについては、肌色によって異なります。

濃い肌色の人は、ビタミンDが十分に生成されるまでに日光を多く浴びる必要があります。また、肌の色素のおかげで肌が守られ、皮膚ガンを発症する可能性は低くなります。それでも、この重要な事実を皮膚科医は考慮していないのです。このため、アフリカ系アメリカ人に、ビタミンD不足によるガン、心臓疾患のリスクが急激に増加しています。 日光を避けると内臓のガンのリスクが増加する

皮膚科医の主眼は、皮膚の損傷や皮膚ガンを防ぐことにあります。紫外線を浴びることの一側面だけに注目してしまい、他の致死性のガンや慢性病のリスクを増加させるライフスタイルを推し進める結果になっています。体内ビタミンD濃度を維持すると、多くの内臓のガンに対する予防効果が大きく、黒色腫に対する予防効果が高いこともわかっています。

事実、黒色腫の発症率は、ビタミンDが不足している人、屋内作業の人や、普段日光を浴びない部位において高いことがわかっています。つまり、紫外線B波を浴びて生成されたビタミンDには、皮膚ガンを予防する効果があると言うことです。Lancet誌は次の様に報告されています。

「逆説的に聞こえるかもしれないが、屋内作業の人より屋外作業に従事する人の方が黒色腫のリスクが低い。これは、日光を日常的に浴びると皮膚を保護する効果があることを示している。」

さらに重要な点は、ビタミンDが内臓ガン、心臓疾患など、黒色腫をはるかにしのぐ死亡者を出す慢性疾患のリスクを減少させる点です。ビタミンDが不足すると、乳ガン、前立腺ガンなどは、進行性のガンへ発展する可能性が高くなります。最新の研究では、ビタミンD濃度が低いと、ガン患者において重度の末梢神経障害が見られることがわかっています。

ビタミンDの不足により進行性の乳ガンのリスクが増加することの関連性を示す研究について、Medical Dailyは次のように報じています。

「研究者グループは、ビタミンDの濃度とID1遺伝子の関連性を指摘した。この遺伝子の発現が高いと、乳ガンや腫瘍の増殖が見られる。過去の研究でも示されているとおり、ビタミンDがこの遺伝子の発現を阻害していること、ビタミンDの不足と進行性の腫瘍の形成に関連性が見られる。」

公衆衛生に関するメッセージは、全死因死亡率を減らすことを重要視した内容にするべきである

皮膚科医Richard Weller博士の科学的論評によると、日光を浴びるとビタミンDに関係なく心血管に有益であるとされています。論評には次の主張について論じています。「公衆衛生に関するメッセージは、全死因死亡率を減らすことを重要視するべきである日光は皮膚ガンのリスク因子であるが、完全に日光を遮断することは全身の健康にとってマイナス点の方が大きい。」

2012年にPublic Health Nutrition(公衆栄養学)誌に発表された別の研究は、次のように結論づけています。「ビタミンD濃度の改善によって得られる効果は、管理下において紫外線の照射量を増加させた場合の悪性黒色腫(CMM)のリスクが増加する可能性よりも大きい。科学的にも裏付けのある事実である。」

つまり、致死率について、しかも様々な病気による致死率を考慮するならば、日光を浴びることの利益を得る方に傾くはずです。生涯に数回、日焼けし過ぎたことによる黒色腫のリスクはわずかです。残念ながら、皮膚科医学界は、紫外線への露出に関して、このような全体的な捉え方をすることを否定しています。

紫外線は人体の健康に必要である

人間は夜行性ではありません。継続的/過剰な紫外線への露出により重大な悪影響がある可能性も否定できませんが、基本的な注意事項を守れば、一般常識で回避できる程度のリスクです。紫外線を完全に立つという方法は非常に危険です。ビタミンDの不足を補う以上に、日光を浴びることの健康効果は大きいのです。

紫外線への露出のリスクを軽減しつつ効果を最大限に得るには次の点に注意が必要です。

  • 皮膚の色素は、祖先の居住していた土地の緯度、紫外線への露出量に関連があります。赤道から遠い土地ほど肌の色は白く、限られた日光、特に紫外線を生物学的に享受し易くできています。忘れないでください。人体は、紫外線B波を浴びてビタミンDを生成します。北緯が高い土地では、日光を浴びることが可能な時期は一年に数ヶ月でしょう。
  • 紫外線の特質を受け入れ、自身の肌質、紫外線の強さ、紫外線を浴びる時間数を理解していれば、安全に日光を浴びることが可能であることがわかるはずです。私の助言はただ一つ、日焼けによるやけどを避けることです。
  • 体内ビタミンD濃度に気を付けてください。ビタミンD濃度を検査するのが理想的です。時期は真夏と冬が終わる頃が良いでしょう。結果次第で日光を浴びる、ビタミンDサプリメントを摂ることを検討してください。
  • ビタミンDの生成には、紫外線B波を素肌に浴びる必要があります。紫外線B波を効率よく浴びることができれば、時間数は短くて済みます。ビタミンDを多く含む食品はほとんどありません。また、人体はサプリメントでビタミンDを摂取するように作られていません。サプリメントは現代的な手法の一つであり、あくまで日光を浴びることがビタミンD濃度を上げる理想的な方法です。
  • 紫外線の効果はビタミンDだけではありません。より詳しい情報を知りたい方は、上記TED動画をご覧ください。または、エジンバラ大学MRC炎症研究センターのRichard B氏による「Sunlight Has Cardiovascular Benefits Independently of Vitamin D(ビタミンDに依存しない心血管に対する日光の効果)」の19 20をお読みください。
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