無煙タバコ

早分かり

  • 無煙タバコによる死亡者数は、全世界で年間 25 万人に達する。
  • この数字は実際より低く見積もられている可能性があり、無煙タバコの健康被害はさらに深刻であると研究者は考えている。
  • 2010 年の無煙タバコが原因となった心臓病による死者は 20 万人に達し、口腔ガン、咽頭ガン、食道ガンによる死者 6 万 2 千人を超える結果となった。
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無煙タバコによる死者は世界で年間 25 万人

2016年3月15日 | 2,063 ビュー |
バージョン:日本語

Dr. Mercolaより

タバコを吸うことのリスクは皆さんご存じのとおりです。喫煙は、世界的には年間約 600 万人の死者を出していますが、防止可能な死亡要因の第一位です。無煙タバコ(噛みタバコ、嗅ぎタバコ)は、世界中で消費されているにもかかわらず、あまり話題にはなりません。

115 ヶ国から収集したデータを元に、成人の無煙タバコによる疾患の程度について世界初の集計結果が発表されました。無煙タバコによる死亡者数は、全世界で年間 25 万人に達し、大部分 (74%) はインドで発生していることが判明しました。

しかし、実際にはもっと多くの死亡者がいる可能性があり、「これらの集計結果は実際より少なく見積もられており、今後の研究で、さらなる影響が示される」と研究グループの責任者が述べています。

無煙タバコによる死因は心臓病である

多くの人が、タバコ製品といえばガンを連想し、実際にタバコはガンによる死亡の大きな要因です。しかし、無煙タバコの場合、主な死亡要因はガンではなく、心臓病です。

2010 年におこなわれた研究では、無煙タバコが原因となった心臓病による死者は 20 万人に達し、口腔ガン、咽頭ガン、食道ガンによる死者 6 万 2 千人を超える結果となりました。

紙巻きタバコにおいては、ガンと心臓病の死亡者数に差は見られず、毎年それぞれ 163,700 人と 161,000 という結果です。

無煙タバコはしばしば紙巻きタバコより中毒性がない代替品として市場に出ているが、安全でも無害でもないことは明らかである。米国がん協会 (ACS) は次のように報じています。

「市場に出回っている嗅ぎタバコや噛みタバコには、タバコに特有の発がん性物質(カルシノゲン)であるニトロソアミンを大量に含んでいる。このような発がん性物質を、血中に注射すると、動物では肺がんが発生する。

無煙タバコに含まれる発がん性物質には、ベンゾピレンなどの多環芳香族炭化水素などが挙げられる。

発がん性物質を複数含むため、無煙タバコが原因とされるガンが多いとされている。無煙タバコは心臓病や高血圧とも関連が深いとされている。

米国がん協会(ACS)が実施した大規模な調査によると、紙巻きタバコから噛みタバコや嗅ぎタバコに替えた場合、心臓病、心臓発作、口腔ガン、肺がん、その他全ての死因について、タバコをやめた人より死亡率が高いことが判明した。」

無煙タバコによる口内のガン病巣、歯周病、その他の病気

無煙タバコは粉状、プラグ(板状)、ツイスト(ひねり巻き)など様々な種類があり、下唇や頬と歯茎の間に挟んで使用します。口腔内で、無煙タバコが触れる箇所には白斑症が高い確率で発生します。

白斑症は、口内にできる白斑で、痛みはない場合が多く、ガン化する可能性があります。日常的に無煙タバコを使用する人の 4 人中 3 人に非癌性または前癌性の病巣が見られたとの研究報告があります。

タバコ自体の害だけでなく、無煙タバコ製品の多くは糖分の含有量が高く、それを口腔内に置いておくため、歯や歯茎にも有害です。米国がん協会 (ACS) は次のように説明しています。

「タバコは歯茎を刺激し組織を破壊する。無煙タバコを常用する人には、歯茎の後退、歯周病、虫歯(無煙タバコに含まれる糖分による)や歯周骨損失が見られる。

歯茎が後退した部分では歯根の表面が露出し、歯がぐらついたり抜ける原因となる。」

これは、無煙タバコに関連する健康被害のごく一部です。他にも次の例が挙げられます。

口腔ガン、舌ガン、頬粘膜ガン、歯肉ガン、喉頭ガン 食道ガン

胃ガン

膵臓ガン 心臓病、心臓発作、脳卒中リスクの増加

ニコチン中毒(さらなる喫煙につながる)

白斑症(ガン化する可能性がある口内の白斑) 歯肉の後退(歯茎がゆっくりと縮んで行く)、歯周病(歯肉炎)

歯根周辺の骨損失

歯の摩耗(ひっかきやすり減り) 虫歯

歯の脱落

歯の汚れ、変色 口臭

無煙タバコを越える電子タバコの人気

発明から 10 年満たないうちに電子タバコは多くの人に利用される様になりました。公衆衛生上の理由で、電子タバコはじきに無煙タバコを追い越すでしょう。まず、その味です。フルーツやキャンディのフレーバーが若者に人気です。無煙タバコのフレーバー付きの商品と同じですが、電子タバコには無煙タバコのような悪いイメージがありません。

そしてこれは、重大な「危険信号」です。電子タバコはタバコ(無煙タバコ)の「安全」な代替品だと広く認識されていますが、実際は電子タバコも吸引して体内(受動喫煙を含む)に吸収されると健康に害を与える原材料が使用されていると多くの研究で報告されています。

現在、電子タバコに規制はありません。 450 以上ものブランド(7700 以上のフレーバーで消費者を誘惑しています)が市場に出回っており警告ラベルや品質基準もないまま販売されています。米国食品医薬品局 (FDA) では、紙巻きタバコに関する規制に電子タバコの装置を含めるよう現在検討中です。

甘い香りの電子タバコに使用されている人工香料「ジアセチル」は肺に有害

ジアセチルという人工香料は、電子レンジで調理するポップコーンの香料として使われています。ヨーグルトやチーズなど、乳製品の香り付けの他、メイプル、ストロベリー、ラズベリー風味の香ばしさの招待でもあります。

ジアセチル、または化学的に類似しているプロピオニルが、甘い香りがする電子タバコの液中 74 パーセントに含まれていました。ジアセチルを使用した製品のうち半分近くが、労働環境中に存在すると危険だとされる限界値を超える量のジアセチルを含んでいることがわかりました。

研究の結果ジアセチルは脳にも様々な悪影響を与え、アルツハイマー病を誘因することも判明しています。ジアセチルは、電子レンジ用ポップコーン工場の作業員に起こった呼吸器系の炎症や治療不可能な気管の障害の原因である可能性が指摘されています。懸念されるのはジアセチルだけではありません。

吸入により呼吸器毒性を示す可能性のある電子タバコの香料

電子タバコに使用される香料の多くが、吸入を目的としていません。それでも吸う度に肺の深部にまで到達してしまいます。ワシントンポスト紙は次のように報じています。

「南カリフォルニア大学の伝染病学者でタバコの健康に与える効果について研究しているJessica Barrington-Trimis 氏によると、『香料は呼吸器毒性を示すことがわかっており、特に憂慮される』と述べている。

Barrington-Trimis 氏は、3 月に米国食品医薬品局(FDA)が開催した、電子タバコについてのパネルディスカッションで講演し、電子タバコにより香料は超微細な霧となって肺の深部に到達するため、詳しい調査が必然であるとし、また、『香料の中に含まれる物質や肺への影響をさらに詳しく調査する必要がある。』と述べた。」

調査が必要とされるその他の電子タバコの香料を挙げておきます。

  • アルデヒド。アーモンド、サクランボ、綿菓子、風船ガムおよびフレンチバニラなど多くの香料に含まれ、呼吸器系に刺激を与え、気管狭窄やその他の症状を引き起こします。
  • シンナムアルデヒド。シナモン香料に含まれ、人間の細胞に毒性を示すことが立証されています。

電子タバコは健康に悪い(電子タバコの煙による受動喫煙の危険性)

別の研究では、電子タバコが紙巻きタバコに比べて、ニッケル、亜鉛および銀などの金属の発生量が多いことがわかりました。「これらの金属の中には微量でもかなり有害な物も含まれている。」と、研究の責任者は述べています。

「このような金属の粒子は、電子タバコの装置自体から発生する物で、製造工程の基準が定まれば、煙の中に含まれてしまう金属の量は削減できる可能性がある。効果的な規制手段を講じるためにはしっかりとした研究が必要である。電子タバコは新しすぎてまだ研究が少ない状況である。」

米国食品医薬品局 (FDA) は、電子タバコのカートリッジから、タバコ特有のニトロソアミンの他、ジエチレングリコールという致死性のある不凍液化学薬品を発見しました。非喫煙者の権利を守る会 (ANR) によると、電子タバコの霧を受動喫煙した場合、次に示す 10 の化学物質が含まれると発表しました。

アセトアルデヒド ベンゼン
カドミウム ホルムアルデヒド
イソプレン
ニッケル ニコチン
N-ニトロソノルニコチン トルエン

電子タバコが本物のタバコへのきっかけに

国立薬物乱用研究所 (NIDA) による調査によると、 8 年生(中学 2 年生)の 9%、高校 1 年生 (10年生)の 16%、高校 3 年生(12 年生)の 17%が前月中に電子タバコを使用したと報告されています。若い世代では、紙巻きタバコより電子タバコの使用率が高く、それが「良い」と捉えていることも少なくありません。

しかしながら、電子タバコの健康被害そのものよりも、その他のタバコ製品へのきっかけとなってしまうリスクもあります。 JAMA Pediatrics に掲載された研究によると、電子タバコを使った経験のある若者はより紙巻きタバコを吸い始める確率が高いことがわかりました。著者は述べています。

「電子タバコは、喫煙者にとっては、伝統的な燃焼タイプの紙巻きタバコの使用を減らす効果があるともいえる。しかし、伝統的な紙巻きタバコの経験のない若者層が電子タバコのユーザーであり、そのまま、紙巻きタバコの喫煙へと進行するリスクも潜んでいる。」

電子タバコは紙巻きタバコからの禁煙に役立つという話も議論の余地があるところです。 2014 年後半に出版された研究によると、電子タバコを毎日使用した紙巻きタバコの喫煙者は禁煙に至る場合が多かったが、間隔をあけて電子タバコを使用した場合は、翌年に禁煙に至る可能性が 6 分の 1 だったと報告されています。別のデータでは、喫煙経験者が 5 年の禁煙の後に電子タバコの使用を再開したという報告もあります。

紙巻きタバコ、無煙タバコ、電子タバコをやめたい方へ

健康を気になるのであれば、紙巻きタバコであれ電子タバコであれ、無煙タバコなどのあらゆるタバコ製品をやめることが必要です。こんなことを言っていますが、私の母は、終生愛煙家でした。禁煙を決意した時は、充填式の電子タバコを使い、役にたっていたようです。ですから、完全な禁煙にたどり着くまでの経過として、ご自身でリサーチして電子タバコの力を借りるのも良いと思います。

ここで注意があります。禁煙の秘訣はまず健康になることです。健康であれば、禁煙はより簡単になります。運動を取り入れてください。禁煙時に定期的な運動をした人は禁煙に成功する確率が高いという研究結果が報告されています。健康的な食事も軽んじてはならない重要な要素です。禁煙したい方、次の基本的な約束事を 3 つまず始めてみてください。

これらの 3 つの約束を日常の中に取り込まれれば、禁煙の準備は完了です。この時点で一気にやめてしまえる人も多いですよ。最後に、親世代の方、喫煙のリスク(電子タバコ、無煙タバコ)についてお子さんと話し合ってください。はじめから手を出さないことが一番の解決法です。
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